東京大学大学院から、新しいデータマイニングの技術が開発されたというニュース:
FujiSankei Business i. 総合/東大が新データマイニング ヒット商品・カリスマまでピタリ(2006/1/1)
「会議などの記録を基に『出席していないが陰で指示している人物』を浮かび上がらせるコンピューター分析技術で、議事録にまったく登場しない人物であっても『いるはずだ』と推測できるようになる」とのこと。詳しい内容は不明ですが、この新データマイニング技術を応用すれば「存在しないもの」を予測することが可能で、
ビタミン剤という概念がない場合でも、そうした栄養補助剤のようなものが売れそうだというビジネスチャンスを見つけ出すことができ、企業のマーケティング戦略における有力なツールとなりそうだ。
そうです。「何かを思いつく」というのは人間だけに与えられた専売特許だったわけですが、いよいよコンピュータにも発想を任せられる時代になってきたということでしょうか。
この技術の利用方法について勝手に妄想すると、例えばSNA(Social Network Analysis、参考記事:「ナレッジ・マネジメントのインフラとしてのSNS」)と組み合わせて、アクティブに議論に参加してこないユーザーも含めたより正確な社内ネットワーク分析をするというのはどうでしょうか。WEBベースのコラボレーションツールを使いこなすことは苦手だけれど、実は社内に大きな影響力を持っている人物を洗い出すことができるでしょう。
また「発想」という点に着目すると、ブログ検索+新データマイニング技術という組み合わせが面白そうです。例えばソフトウェア/WEBアプリケーションを開発する企業がある商品をリリースした後、Blogosphereでの評判を集めてきて分析、隠された不満や要望などを洗い出し、次バージョンに含める改善/追加機能などを把握する、といった使い方はどうでしょうか。これまでのデータマイニングでは明確に表明された言葉からニーズを把握するしかありませんでしたが、新技術が「まだ発生していない未知の事象も導き出せる」のであれば、少し未来に必要になる機能まで把握できそうです。
CNET Japanで渡辺隆広さんが、2006年の展望の1つとしてこんなことを書かれていました:
「話題になっているのでリリースしました」的なサービスが多かった2005年のブログ検索ですが、2006年はキーワードに対して適合性の高い(各々の) ブログが検索できるだけなく、関心や話題となっているテーマに対してブログ全体の反応・声が検索できるようなコンセプトを持った、ウェブ検索とは違った体 験を与えてくれるものが登場してくると見ています。
僕もこんなサービスが出てくることを期待しています。今回、東京大学で開発された新しいデータマイニング技術や、SNA、音声/映像認識などの技術と融合することで、よりBlogosphereの分析がしやすくなって行くのではないでしょうか。同時に2006年は、未来のニーズを探ることのできる「ユーザーの生の声が集まる場」としてBlogosphereに注目する企業がますます増加する年になると思います。
SNA(Social Network Analysis、参考記事:
「ナレッジ・マネジメントのインフラとしてのSNS」)
と組み合わせて、アクティブに議論に参加して
こないユーザーも含めたより正確な社内ネット
ワーク分析をするというのはどうでしょうか。
この記事の大澤教授は、これをやっていたと思います。社会ネットワークや商品間相関の可視化技術を使ったビジネス技法については世界的権威で、IBMだったか松下だか忘れましたが、もう大澤メソッドはかなりの企業が導入している筈です。
その意味では、何が新しいのか分からない記事なのですが、もしかすると、これまでは稀なものを予測していたのが、全く存在しないものの予測まで進んだということでしょうか。そうだとしたら大変なことだと思いますが、有り得るでしょうか。
大澤研究室のページを見つけました。
http://panda.q.t.u-tokyo.ac.jp
投稿情報: 大澤研HP見つけました | 2006/01/03 21:41
情報ありがとうございます!
なるほど、あまり目新しいニュースではなかったようですね。12月31日に取材して1月1日にアップした記事、というわけでもなさそうですから(事前に仕込んでおいて自動更新)、穴埋めに挿入された記事なのでしょうか。
ともあれ、記事に書いてある通りのことができる技術であれば、ぜひブログ/SNSに応用して欲しいと思います。2006年はこういった分析系の技術を応用した無料WEBサービスが登場してくると面白いですね。
投稿情報: アキヒト | 2006/01/04 01:18
影で指示している人物がいるということは、指示された複数の人物、つまりコマがいるということですね。コマはつまり物を考えなずただ上の指示に従う人ですね。
嘘発見器機能と併せて国会で使って欲しいものの一つです。
だから逆の機能も期待します。
「こいつはコマだ」「こいつは寝てた」「こいつは働いていない」「こいつは折り紙を折っていた」等を指摘する機能。
投稿情報: itochan | 2006/01/04 18:41