内容は賛否両論あると思いますが、Digg、および SBM(ソーシャル・ブックマーク・サービス)に関する面白い考察があったのでちょっとコメント。
※注:考えがまとまっていないので、以下、ロジックの乱れが頻繁にあります。ツッコミ歓迎。
■ The genius of Digg (Atomiq)
"Engagement"と"Social Intent"という2軸から、Digg の人気の秘密を考えたエントリです。まずは、この記事に掲げられているグラフから見てください(以下の画像は上記の記事から転載したもの):
横軸にあるのが"Engagement"で、縦軸が"Social Intent"になっています。それぞれの意味はというと、
- Engagement: 「コメントを書く」「点数で評価する」など、どこまでそのサービス(ここで念頭に置かれているのは Digg のような SBM/WEB記事人気投票サイト)で時間を割いて様々な操作を行うか(High だとそういった操作を行うユーザーが多い)。つまり「サービスに対するフィードバックの大きさ/質」。
- Social Intent: ブックマーク/評価を行う目的は自分自身のためか、あるいはコミュニティのためか。"Participatory"の方向(上)に行くに従って、「他人のため」という傾向が強くなる。つまり「コミュニティに対してフィードバックしようという意図/頻度」。
となっています。で、ご覧の通り、Digg は「シンプルな操作で他人(Digg コミュニティ)のために行動する」ことを促しているサイトであり、それが人気の秘密だと結論付けています:
What distinguishes Digg is how it's managed to wrap its identity and community around that one action. It's worth asking how that click--the one where you digg a story--got so loaded with meaning. It's partly design, partly community reinforcement and feedback, and partly a good name.
(Digg を他のサービスから差別化しているのは、1回のアクションに Digg 自身とそのコミュニティに対する貢献を巧みに融合している点だ。1回のクリック -- すなわち "digg"すること -- に大きな意味を込めることを、どのように実現しているのか考察することは有意義だ。成功要因の一部はデザインであり、もう一部はコミュニティの強化とフィードバックのサイクルであり、残りはネーミングの素晴らしさだろう。)
確かに Digg はシンプルなアクション("digg"というワンクリックで記事を評価すること)により、多くのユーザーからフィードバックを得ることを可能にしています。そればかりが成功の理由ではないでしょうが、Digg のゴール(ユーザーの評価によって各分野の人気記事を決定すること)を考えると、この「シンプルなアクションがコミュニティに対して大きな貢献をする」という点は非常に重要であると言えます。つまり上記のグラフのどの位置にいようが、それ自体サービスの優劣を示すものではありませんが、Digg の場合はグラフ左上にプロットされていることが重要なわけです。
もちろん理想としては、グラフ右上(ユーザーがコミュニティに対して質/量共に大きな貢献をしてくれる)にプロットされれば一挙両得なわけです。しかし実際には、大きな貢献を時々行うか、ごくわずかな貢献を頻繁に行うかのどちらかになってしまうしょう。従って"Engagement"と"Socail Intent"は多くの場合トレード・オフの関係にあり、グラフ左上から右下の方向に向かって各種サービスがプロットされるのではないでしょうか。
で、問題はX軸とY軸、どちらの方向性に進むかを考えることですが --- Digg はY軸の方向性で優れた仕組みを実現したのだ、というのが上記記事の結論ですが、X軸の方向性というのもアリでしょう。例えばごく少数のボランティア的ユーザーが多くのフィードバックを行い、その成果物をコミュニティ全体で共有する、といった構造です。この場合、成果物には「人気記事ランキング」「記事を肯定/否定する人の割合(記事の点数)」といったシンプルなものを求めるのではなく、「中東和平への道筋」「靖国問題の帰結」といった方向性になるわけです。
ということで、このグラフ/考え方は各種サービスの優劣をつけるためとしてではなく、それぞれがどんな方向性を持っているか、どこに位置づけられるのかを確認するツールとして使ってみたら面白いのではないでしょうか。
※書き出したはいいけれど、時間切れで考えがまとまりませんでした。加筆・修正あるかもです。
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