最近のビジネス書・雑誌では「右脳的な能力(感性や創造性など)」を鍛えよう、というのが流行りになっていますが(その最たるものはこちら)、確かに優れた芸術作品は多くのインスピレーションを与えてくれます。で、昨日の朝日新聞日曜版で紹介されていた、「枢軸地図」という作品はいかがでしょうか:
■ Axis by Golan Levin
ニューヨーク在住のアーティスト、ゴーラン・レビン氏によるWEBアート。アクセスすると、以下のような世界地図が表示されます:
地図は国ごとにクリックできるようになっていて(カーソルを合わせると青くなり、クリックで黄色くなる)、3つの国を選択すると画面左上に「選択された3カ国に共通していること」が表示されます。ちなみに上のスクリーンショットでは、日本・マダガスカル・ペルーが選択されているのですが、この国々に共通しているのは「昆虫を食べる習慣があること」だそうです。知らなかった・・・。
"Axis"とはご存知の方も多いと思いますが、「枢軸」という意味で、第2次世界大戦中の日独伊連合を指すのに使われる単語です。最近でもブッシュ米大統領が「悪の枢軸(イラク、イラン、北朝鮮の3カ国)」という表現を使ったのが話題になりましたが、レビン氏はそこからインスピレーションを得てこの作品を作ったのだとか。ただ狙いはもちろんどこかの国を非難することではなく、世界の国々がどれくらい共通項を持っているのかを示すことにあります。
ちなみにこの作品、ホイットニー美術館のCODeDOCというプロジェクトの一環で作成されたもので、ソースコードが公開されています(枢軸地図はJavaで作成されています)。ご興味のある方はこちらのページをご覧下さい。
ブログ/SNSなどが一般化し、WEB上にプロフィールを持つことが普通の時代になりました。もちろんプライバシーの問題はありますが、「枢軸地図」の人間版を作って、「自分と同じ要素(趣味や出身校、出身地など)をn個以上持つユーザー一覧」や、「自分のページに足跡を残してくれたAさんとの共通点一覧」などが確認できるようになったら面白いのではないでしょうか。
ネット上ではふとしたことから争いが起きますが、逆に共通点を見つけることを簡単にするのも可能だ -- という点を「枢軸地図」は示してくれていると思います。クリック数回で「共通点探し」を可能にするようなシステムが、他にどのような仕組みで構築できるか、どのような分野に応用できるか考えてみても面白いかもしれません。
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