POLAR BEAR BLOG

レンタル・マイミク？

smllr.com の一件もあるので、これもガセネタじゃないかと警戒しつつ書いているのですが……。友達の少ない人でも安心して（？）SNSを始められる、こんなサービスが登場したそうです：

■ Fake Your Space

その名の通り、SNSの中で"Fake"（ニセ）の友達を紹介してくれるというサービス。"Space"は MySpace を暗示しているわけですね。人種・性別など、あらゆるタイプのニセユーザーが用意されているそうです（トップページに掲載されているようなセクシーな美男・美女も！）。

料金は、何人の友達が欲しいか/コメントはどの程度の頻度で欲しいか/どのような内容のコメントが欲しいか、によって変化するとのことですが、ベーシックサービスのスタート料金は1ヶ月$1.99（その後$.99/月まで割引）だそうです。

しかし、こんなことしてバレないのでしょうか？SNS運営側にとっても、こういった行為は禁止したいでしょうから、必ずチェックしているはずですよね。この点について、サイトでは「絶対にバレません！プライバシー厳守！」とのコメントが掲載されています。なんだか怪しい気がしますが……もしかして、またダマされてる？

と思ったら、Forbes のサイトで創業者へのインタビュー・ビデオが掲載されています。禁止行為になるかどうかは別として、実体のあるサービスではあるようです：

■ Real Fake Friends On MySpace (Forbes.com)

うーん、「カッコイイ/可愛い/セクシーな友達がいることを見せつけたい！」「友達が少ないヤツと思われたくない！」という気持ちは分かりますが、お金を払ってまで欲求を満たしたいという人がどこまでいるのでしょうか？リアルでも知り合いか、はたまたバーチャルだけの関係かは別として、人々の交流をサポートするのがSNSの目的のはずです。この種のサービスが流行ったとしたら、SNSの変質を示すことになるのでしょうか？それとも、「そもそもマイミクを増やすのだって虚栄心の現われだ！」ということなのでしょうか。

ディベートをオンライン・ゲームに -- Convince Me

これは久々に面白そう。ディベート（議論）をスポーツ的に楽しんでしまおう、という試みは『朝まで生テレビ』（例えが良くないかも）などでもありますが、それをオンラインにして勝ち負けを競おうというサイトです：

■ Convince Me

ディベートする場を提供してくれるサイト。試合参加・投票（勝ち負けのジャッジ）・傍観がそれぞれ可能です。ディベートは以下の3つのタイプに分かれています：

1. Open Debate:
   「○か×か」」という二者択一の議題が与えられ、それぞれの立場で議論を繰り広げる。発言したい人はいつでも自由に参加可能。投票はそれぞれの立場、および個々の発言に対して可能で、得票数の多いサイドが勝ち。
2. Battle Head-to-head:
   一対一の対決。ユーザーは誰かを指定して議論を始め、投票で勝ち負けを競う（挑戦を受ける/受けないは自由）。こちらは残念ながら、まだ始めたユーザーはいないようです。
3. King of the Hill (Battle Royale):
   ある議題が与えられ、それに対して自由な立場で発言が可能。ただし1つの議題に対し、1回しか発言できない。投票は個々の発言に対して可能で、最初に100票集めた発言が「勝ち」となり、発言者は"King of the Hill"として表彰される。

個々のディベートには個別のURLが与えられており、"SHARE"ボタンで各種ソーシャルブックマークサイトへの登録が可能になっています。閲覧だけならアカウント登録の必要はないので、白熱している議論はどんどんブックマーク登録してもらい、注目を集めようという狙いですね。

またSNS的な要素もあり、各ユーザーは自分のプロフィールを登録可能です（「友だち」登録や、「観戦中の議論」などの登録も可能）。プロフィールのページにはこれまでの議論での勝ち負け数と、議論を通じて得られる「ポイント」が表示されていて、過去の戦歴を確認することができます。ユーザー一覧では成績が優秀な順番で表示されるので、ユーザー間でランキングを争うなんてことも起きそうですね。

ネットコミュニティには議論がつきものですから、そこだけを切り離してサイトにしてしまうというのは有効なアイデアかもしれませんね。ゲーム的な要素を埋め込むことで、議論として議論を楽しむ（誰かを攻撃するための議論ではなく）ことができるかもしれません。そうは言ってもあらぬ方向に議論が進むことがありますから、サイトではこんなルールが定められています：

1. 口汚い言葉を使わないこと。
2. 個人攻撃しないこと。
3. 人種差別しないこと。
4. 脅迫しないこと。
5. ルールに反したユーザーは登録抹消される。

ちなみにアカウントを取ると、こんなアイコンを埋め込むタグを用意してくれます（クリックすると、僕のプロフィールページにジャンプします）。このサイトが流行れば、ブログでこのアイコンを見かけることが増えるかも？

ユーザビリティ・カレンダー

時としてカレンダーは、日付を伝える以上の役割を負うことがあります。スケジューラーとして、ポスターとして、癒しグッズとして（ex.相田みつを）等々。特に壁に張り出すタイプのものには様々なメッセージが掲げられていることがありますが、WEBサイトの開発に携わる方々にこんなカレンダーはどうでしょうか：

■ Bad Usability Calendar 2007 is here! (IAllenkelhet)

ユーザビリティに関する Tips を集めて、カレンダー形式でまとめています（1ヶ月につき1つなので、計12個のアドバイスを掲載）。サイズはA3なので、プリントアウトして壁に貼るとよいかも。ちなみに各PDFファイルへの直リンクはこちら：

■ Bad Usability Calendar 2007 / 2006 (共にA3サイズ英語版)

ちなみに2007年版の内容はこんな感じ：

1. グラフィックデザインを優先するな
2. カテゴリーには分かりやすい名前を
3. エラーメッセージは開発者のではなく、ユーザーの言葉で書け
4. 色だけでメッセージを伝えようとするな
5. プロトタイプにも現実のデータを使え
6. 「ニュースサイトの罠」に落ちるな -- 広告にコンテンツを埋没させないこと
7. 気持ちを抑えろ -- クリエイティビティのためのクリエイティビティはいらない
8. 使えない検索機能ならいらない
9. プロらしく見えるように -- ミスとその修正は信頼感を損ねる
10. ある物事は様々な物事と関係している -- 中には役立つものもある
11. AJAXがクールなのは、ユーザーのためになるときだけ
12. コンテンツに適したジャンルを選べ

ついでに2006年も終わってしまいましたが、いちおう訳しておくと：

1. ポップアップは控えよ
2. 全てのページに適切なタイトルとサブタイトルを
3. 情報は分かりやすく
4. 赤と緑を組み合わせると、色盲患者には見えづらくなる
5. ニュースを主コンテンツよりも目立たせるな
6. ユーザーを待たせるな
7. 重要な情報は1つの画面に -- スクロールは避けること
8. 可読性に配慮せよ
9. ユーザーがいまどこにいるのか分かりやすく
10. テキストは読みやすいように体裁を整えよ
11. ユーザーが分かる言葉で書け
12. よけいな装飾を控えよ

こんな内容です。ちなみに2007年版はクリエイティブ・コモンズとなっていて、配布・翻訳が許されるとのこと。イラストレーターで編集可能なデータはこちらでダウンロードできるので、時間のある方は日本版を作られてみては？

ライフハック系の書籍や記事は相変わらず人気ですが、すぐに忘れてしまったり、なかなか長続きしないもの。こんな風にカレンダー形式でまとめて張り出すようにすれば、毎日思い出して実践できるかもしれませんね。というわけで、今年10月ぐらいには「ライフハックカレンダー」が書店に並ぶ光景が見られる・・・でしょうか？