OpenCourseWare 「進化生態情報学」実践中(詳しくはこちらのエントリにて)。
【今日したこと】
- Lec.2 の参考文献である『進化とはなんだろうか』を読み終える。
- アマゾンで注文していた『進化論という考えかた』が届く。とりあえず「まえがき」だけ読んで、本格的に取り組むのは明日から。
【今日の感想】
- 今日は時間がなくなってしまったので、講義ビデオはお休みにしました。この OpenCourseWare はビデオを細かく切っておいてくれているので便利。こういう配慮(っていう意図があって分割したわけじゃないのかもしれないけど)があるかどうかで、今後 OpenCourseWare がどの程度普及するかが決まるのかも。
- 『進化とはなんだろうか』の記述より:
正しいかどうかは別にして、「ミクロ環境が多数並存している環境では、各々のミクロ環境に適した種が進化し、結果として種の多様性が現れる」という仮説が考えられるわけですね。企業で言えば、ちょうどニッチ戦略のようなものでしょうか。1つの大きな市場に見えて、実は無数のミクロ環境(ニッチマーケット)から構成されているような「熱帯雨林マーケット」を探し出して参入する、それが新規事業開発の極意なのだ -- 題して「レインフォレスト戦略」!打倒「ブルーオーシャン戦略」ってことで。では、なぜ、熱帯にはこんなにもたくさんの種が生息しているのでしょう?熱帯地方は、冷温帯に比べて気候が安定しており、予測性の高い環境と言えます。そこで、熱帯地域には、安定して存在するミクロな環境が多数存在するのかもしれません。つまり、気候が安定しておらず、予測性の低い冷温帯では、ある1つの場所の環境は、季節によって、時間によって、くるくる変わるかもしれません。しかし、熱帯では、ある樹木の葉の表と裏、ある植物の葉の間の水たまり、などといったミクロな環境が、安定してずっと保たれる可能性があります。そうすると、冷温帯に比べて、熱帯には実にたくさんの異なる環境が並存していることになります。
- 同じく『進化とはなんだろうか』より:
研究者ではない、「素人」が研究した結果でも正しく評価され、流通される仕組み(WEB2.0!?)が当時存在していたなら。進化論はもっと早いスピードで洗練されていたのかもしれません。しかし今でも同じ悲劇というか、もったいない事態が起きているのでしょうね。進化と自然淘汰は、本書でも示したように、生物の遺伝子に起こる変化です。しかし、ダーウィンの時代には、なんといっても、遺伝についてはまったく何も知られていませんでした。ダーウィン自身も、遺伝の仕組みがわからないことには難点を感じていましたし、誤った遺伝の概念によって惑わされていたところもあります。
遺伝の仕組みについては、実は、ダーウィンと同時代に、チェコのブルノの修道院にいたグレゴール・メンデルが、ちゃんと答えを発見していたのです(1865年)。あの有名なメンデルの法則です。彼は、地元の雑誌に論文を書き、それをイギリスの学会にも送りましたが、誰にも読んではもらえませんでした。つまり、ダーウィンの目と鼻の先に、彼があれほど困って悩んだ遺伝のしくみに関する答えがあったのに、ダーウィンを始めとする当時の科学者たちは、ついにそれを知らずに終わったことになります。
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