日経はありとあらゆる分野の雑誌を刊行してますが、その1つに『日経レストラン』ががあります。文字通りレストラン・飲食店業界をターゲットにした雑誌なのですが、普段は客として利用するだけの(中には飲食店を経営されている方もいらっしゃると思いますが)飲食店の裏側が見れてなかなか面白い。その公式ウェブサイトの中に、こんな記事がありました:
■ 他店の視察で注意すべきことは? (日経レストラン ONLINE)
一般の消費者を相手にするビジネスでは欠かせない「競合店の視察/スパイ活動」。その注意点について解説したものですが、僕らの仕事でもヒントになりそうです。例えば、競合店に行った際に注文すべきメニューとして、次の5つ+アルファが掲げられています:
- 人気メニューや看板メニュー
- 調理技術のレベルが推し量れるような商品
- 調理時間がかかりそうな商品
- 品質保持が難しい商品
- 特殊な食材を使っている商品
これらに注目して料理を注文し、調理のレベルから調理のシステム、食材管理の技術などを推測する。料理は、煮物、焼き物など調理法別に注文する。その店の得意料理が判断でき、自店と比較しやすくなるからだ。オリジナルや変わったネーミングの商品も、必ず押さえておく。
これを普遍化してみると、以下のように言えるのではないでしょうか:
1. 人気を集めている製品/サービス
その企業が支持されている理由となっている製品(機能)/サービス、またその企業がイチオシしている製品/サービスをチェックする。->人気の秘密を探るため
2. 技術力が量れる製品/サービス
業界で標準的な製品/サービスや、「枯れた技術」を使ったもの、自社にも似たようなものがあるものなどをチェックする(中華料理屋で言うところのチャーハンのようなもの?)。->文字通り、標準的な技術力を量るため、また標準的なものをどこまで工夫して使えるのかを探るため
3. 開発に時間がかかる製品/サービス
企業内システムなど、プロジェクトとして構築する製品/サービスをチェックする(これは他業界では難しそうだけど)。->プロジェクト管理能力や開発スピードを量るため
4. 品質保持が難しい製品/サービス
これについては他業界も一緒ですね。自社内で「品質管理が難しい」と見なされている製品/サービスをいくつかピックアップできると思います。
5. 特殊な技術/材料を使っている製品/サービス
最近登場した新技術/プログラミング言語などを使用している製品/サービスをチェックする。->新技術への対応力、技術力を量る、また新技術を使う際の注意点を探るため
6. オリジナルや変わったネーミングの製品/サービス
これはナンバリングされていませんが、6番目として加えておいても良いでしょう。お堅い企業で一風変わった製品/サービスがあったら、それはその企業が変化しようとしているシグナル=業界の環境変化が起きつつあるシグナルかもしれません。
このチェックポイントの他にも、いろいろと参考になりそうなヒントが書かれています。たまにはこんな、他業界のノウハウを覗いて見るのも楽しいですよね。最後に、この記事を読んでギクッとした一文を引用しておきます:
視察するからには、相手の良いところを探して学ぶ、というのが最大の目的。自分の好みとは合わなくても、流行っている店には、それなりの理由が必ずあるはず。冷静かつ謙虚な姿勢が欲しい。
あぁ、これ僕です。すみません、ライバルを見るとつい「へっ、まぐれでヒットしただけだ!こんなの短所ばかりだ!」と考えてしまいます。大人気のライバルにこそ、謙虚な気持ちで臨まなければいけませんね。
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