これからウソを付く人は、とりあえず作り話を逆からも話せるようになっておいた方が良さそうです。英ポーツマス大学の研究員が、ウソ発見に関する新しい研究を行ったとのこと:
■ New Interview Technique Could Help Police Spot Deception (ScienceDaily)
学生と警察官の協力で行われた実験結果について。当然、学生が尋問を受ける方、警官が尋問を行う方になって、既存の「ウソ発見手法」の中で何が有効かがテストされたそうです。その結果、「目をキョロキョロさせる」など不審な動きに注目してウソを割り出そうとしたグループは、証言の矛盾など話された内容に注目するグループよりも成績が悪かったとのこと。「目を見て話せ」などと命じても、ウソをつくのに慣れている人はらくらく演技できてしまうわけですね。
ところが、学生に「順序を逆にして話をして(ex. 時系列に沿って話をしていたのであれば、過去にさかのぼる形で出来事を話す)」と依頼した場合、言葉よりも不審な動きに注目したグループの方がウソつきを見分ける確率が高くなったとのこと(正しく逆に話せたか否か、ではなく)。この質問が"cognitive load"(認知的負荷)を高めた結果、ウソのシグナルが態度に出やすくなったため、と解説されています。
確かに想定していなかった質問をされると挙動不審になる、というのは分かりますね。ただ作り話を細部まで作りこむようなウソつき(≒想定問答集を完璧に作り上げた不祥事企業や政治家、完璧なプレゼン資料を備えて乗り込んできた悪徳コンサルタント etc.)に不意を突く質問をするのはなかなか難しいですから、このような「メタ質問(?)」を考えておくと、誰かを追及する場面で役立つかもしれません。
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