「WEB2.0 の時代、顧客の声に耳を傾けることが大事」と言うけれど。実は双方向コミュニケーションが実現されないのは……
1. 担当者が不在
寄せられた声を処理する担当者が存在していない。 もしくは存在していても、対応のプライオリティが低かったり、対応に期限が設けられていない。
2. 理解ができない
寄せられた声の真意を理解できる人間がいない。 従って声が無視されたり、顧客の意図とかけ離れた対応策が取られる結果となる。
3. 声が流通しない
社内の人間でも分かるようにメッセージが「翻訳」されても、それが関連部署に届かない。
4. 対策に結びつかない
関連部署にメッセージが届いても、それに対応する担当者がいない。もしくは存在していても、対応のプライオリティが低い。
5. 自分の分析に対する過度の自信
「顧客自身より、オレ達の方がずっと顧客のニーズを理解している->だからオレ達のプランを優先しろ!」という文化が蔓延している。
ということで、「耳を傾けるのが大事」と分かってないわけじゃなくて、傾けた耳が脳や身体につながっていないことの方が問題なんじゃないか……と言ってみるテスト。昔から「お客様の声」みたいなシステムは存在しているわけだし、先日のエントリで紹介した『プロパガンダ教本』はそもそも80年も前の本で、顧客の声を聞くことの重要性はずっと前に認識されていたはずだし。それを実行に移す際の問題点に注意することも必要なのではないかと思います。
たしかに、昔からラーメンチェーン店などには「ご意見お寄せください」ハガキってのが置いてありました。これの行き先が社長室あるいはそれに準ずる組織になってることが多いと思いますが、これが重要ですね。
「お客様からの声」を意味的にはきちんと理解できたという前提で、要望の優先順位が付けられないことが次の課題。部門間の利害を見渡して判断できるヒトなり機関のみが会社としての優先順位を付けられる一番近いところにいるわけで、さらにそこに、お客様の声を余計なバイアスをかけずに表現できる人も必要。
(社内的に)決定力と影響力がある存在。結構大変なことだと思いますが、経営者の思いひとつで意外と簡単に実現できるのかも。
投稿情報: 斎藤広一 | 2007/08/16 10:59
たしかに、双方向のコミュニケーションじゃないですね。
一時期、コールセンターの担当をしていたことがあるのですが、声って結構届いているんですよ。届いた声に対応もしている。
でも、その結果をちゃんと伝えない企業が多いんですよね。だから声が届いていないと思っちゃう。
投稿情報: 赤枕十庵 | 2007/08/16 12:44
斎藤広一さん、コメントありがとうございます。
仰る通り、社内全体を把握して、お客様からの声を結果に変えるために行動できる立場の人が必要ですよね。意外に自分と関係ない部署への要望が入ってくるものですから、組織の壁を越えてそういった要望が流れて行くように、社長に近い立場の人が処理するのがベストだと思います。
投稿情報: アキヒト | 2007/08/21 07:53
赤枕十庵さん、コメントありがとうございます。
>でも、その結果をちゃんと伝えない企業が多いんですよね。だから声が届いていないと思っちゃう。
そうなんですよねー。いくら声が聞こえていても、結果として現れないと、お客から見ると「あの会社は言っても動かないな」となってしまう。結果として現れて初めて「お客様の声を聞いた」ということになるのですね。
投稿情報: アキヒト | 2007/08/21 07:56