Engadget と Gizmodo。どちらも有名なガジェット系ブログで、どちらも日本語版(Engadget Japanese とギズモード・ジャパン)があるわけですが、本国アメリカでは両者の対立が激しくなっているそうです。という、なんだかタブロイド新聞のようなネタ:
■ The blogs of war: Engadget vs. Gizmodo (CNN)
両者は僕も好きで、よく読んでいるのですが、浅からぬ因縁があるのですね……恥ずかしながら初めて知りました。以下、その因縁の経緯です:
- 2004年、Gizmodo 創業者であり編集者だった Peter Rojas が、Gizmodo の株式を所有することを希望するが、オーナーの Nick Denton は拒絶。
- Rojas は Gizmodo を離れ、Engadget を創設。Gizmodo のやり方をそっくり真似ることに。
- 現在は後発の Engadget が、訪問者数で Gizmodo を上回る(Engadget が月間1,000万人、Gizmodo が月間800万人)。
とのこと。これじゃお互いに意識するなという方が難しいか。
で、最近は両者の衝突や、行き過ぎた取材合戦が問題になっているとのこと:
- 昨年の Consumer Electronics Show で、Gizmodo 関係者が建設関係者を示すバッヂを偽造、イベント開催前に展示物をスクープ。
- 6月に行われたアップルの新製品発表会の際、ジョブスに近い席を狙うため、Gizmodo 編集者の Brian Lam が7時30分から列に並んでいた(ジョブス登場は9時30分の予定)。すると8時30分に Engadget の Ryan Block が現れ、列の先頭にいた Lam を見つけると、彼に握手をしてそのまま列に割り込んだ(Block は公式の列はなかったと主張しているとのこと)。
- 9月に行われた iPod のイベントの際、Block が「うっかり」Gizmodo のインターン生が持っていたビデオ機材にぶつかり、床に落としてしまう。
うーん、これだと表に出てこない話もいっぱいあるのでしょうね。最後の Brian Lam 氏のコメントが効いています:
"We're like two samurai in the movies," Lam says. "We might respect each other's skills, but in the end we have a job to do, and one of us is going to kill the other."
「私たちは映画の中のサムライみたいなものだね。お互いの力を尊敬してるけど、私たちにはやるべき仕事があって、どちらかが相手を倒さなくちゃいけないんだ。」
えー、どっちか潰れるまで競争するんですか。どっちも面白いし、別にガジェット系のブログがいくつもあってもいいと思うんですが。従来のメディア(新聞やテレビ)同様に、同業同士の争いというものは必然的に激化していくのでしょうね。
ちなみに日本ではどちらが人気なんだろう、と思ってちょっと検索してみました:
■ ガジェット系ブログ「Engadget」、「Gizmodo」を読んでいますか?
今年9月のアンケート。これを見るとほぼ互角ですね。次に Livedoor reader 登録者数(11月3日現在):
- Engadget Japanese ・・・ 7,624 ユーザー
- Gizmodo Japan ・・・ 3,839 ユーザー
ということで、Engadget の方が圧倒的に多くなっています。ただしこれは、Gizmodo の方が老舗ということで、昔から別のRSSリーダーで読んでいる人が多いという結果なのかもしれません。なので単純な比較はできませんが。
しかし日本でもこんな「ブログ戦争」が起きる時代が来るのでしょうか?日本でもガジェット系に力を入れているブログやサイトは多いですし、そのうち「○○さんがウチの機材にワザとぶつかった!!」なんてエントリが登場したりして……?
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