はてなブックマークで話題になっているのを見て、以下の記事を読みました:
■ ビジネス書のスパマー11傑 (オースペのブログ)
ビジネス本にはスパム本が乱発されている。
「どんなダメ本でも、読んだ人がなにかしらの気づきを得ればそれでいいのでは?」
という議論もあるだろうが、それすらも許さないスパム本はたくさんあふれかえっている。
中身がまったくないのに、タイトルのつけ方はやたらと上手く装訂も目を引く。
そして次から次へと新刊を発行する。それお前の専門じゃないだろ?ってジャンルにまで新刊を出してくる(そして必ず精神論で〆る)。
はっきりいって非常にウザイ。
確かに。内容が薄いビジネス本を「スパム」と表現されたのに笑ってしまったのですが、確かに書店に行くと、一番目立つ場所に「ドーン!」と何十冊も置かれていたりしますよね。まさにスパムという表現がピッタリなような。
ただし「ビジネス書スパム」は必ずしも悪とは限らないと思います。オースペさんは「読んだ人がなにかしらの気づきを得ることが一切ない本がある」と書かれていますが、さすがにそこまでのスパムは少数派のはず。「スパム本」で何かが変わる(あるいは変わったような気がする)人がいるからこそ、この種の本は売れ続けているわけで、誰にとっても無価値な本なら淘汰されているでしょう。高校受験を控えている中学生からすれば、小学校のドリルが置かれているコーナーは「スパム」かもしれませんが、小学生にとっては役立つコーナーである、といったところでしょうか。
それに、出版社や書店に利益をもたらすスパム本が存在しているおかげで、ニッチなテーマの本や隠れた名著といったものが生きながらえているのではないでしょうか。仮にそれらが無かったら、体力のない出版社や書店はより一層読者を稼げない本を捨てていくはず。従ってスパム本のコーナーを目にした時は、心の中で手を合わせつつ、目もくれずにスルーするのが適切なのではないかと思います。
しかしそれだけじゃ腹の虫が治まらない、って方は、自分が良書だと思う本をブログで紹介することをおすすめします。このブログでも『感染地図』の書評や、『英文解釈教室』の紹介なんかを書いていますが、それはアフィリエイトで儲けたいから少しでも自分が好きな本が有名になって欲しいからです(本当ですよ)。微力かもしれませんが、少しでも良書の売り上げが伸びれば、同種の本が世に出るチャンスが増えるはず。「スパム本は許せん!」という思いが心に湧いたら、そのエネルギーをぜひ書評を書くことに転換して欲しいと思います。
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