サマージャンボ宝くじの季節ですが、ロイターにこんな記事が載っていました:
■ 貧しいと感じている人ほど宝くじを買う傾向 (ロイター)
米国の研究チームが、「自分が貧しいと感じている人ほど宝くじを買う傾向が強い」との調査結果を発表した、というニュース。具体的な結果を見ると、
研究チームは、年収10万ドル(約1100万円)未満の被験者グループに対し「低所得者」であるとほのめかして宝くじ購入枚数を比較したところ、年収10万ドル以上のグループが0.67枚だったのに対し、年収10万ドル未満のグループでは1.27枚だったという。
とのことで、実に倍近くの差が出たのだとか。さらに元の英文記事によると、年収12,400ドル以下の人々は、毎年平均で645ドルも宝くじに使うことが紹介されています。
「貧しいと一攫千金を狙う意外に方法が無いのだから、この結果は別に意外ではない」という意見もあるかもしれません。確かにそういう解釈もできるのですが、個人的には「貧しいと感じると」宝くじを買ってしまう、という部分に興味を引かれました。日本語記事/元記事の両方とも、詳しい実験/観察内容が記されていないので何とも言えませんが、研究チームの言葉を信じるなら「主観的に貧しいと感じているかどうか」がカギのようです。その意味で、年収10万ドル未満のグループに対して「そんなに貧しくはない」と思わせてから宝くじを買うかどうかを見る、という実験もして欲しかったのですが(元論文ではしてるかも?)。
要は実情を考えずに「自分にはチャンスがない」「運に掛けるしかない」と思い込んでしまうと、非論理的な行動を取ってしまうリスクが高まる、ということをこの実験は示しているのではないかなと思います。「よく考えたら、あの時地道に続けていた方がチャンスがあったはず……」と後悔してしまうことがないように、常に客観的な視点を持っていないといけないわけですね。
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