これまたクーリエ・ジャポン2009年1月号 で読んだネタで恐縮なのですが。さらに大学時代にアメリカ政治を専攻してた身としては「そんなの知らなかったの?」と言われてしまいそうで恐いのですが、無知をさらけ出してこそのブロガーということで。
米国で出版された、ある本の売れ行きが好調だそうです。表紙の色から「プラム・ブック(Plum Book)」と呼ばれている本で、ペーパーバッグ版は38ドルもするのですが、以下のリンクから無料で閲覧することが可能です。発行元は米国政府なのですが、中身を見て何の本か分かるでしょうか?
実はこれ、政府関連の8,000の職種の中で、空席のもの/空席になるものを示したリスト。一部は給与水準まで公開されていて、年収1千万円を超える政府高官の仕事から、年間500ドルのアルバイトまで、様々な仕事が存在しているのが分かります。大統領選があった年(つまり4年毎)に出版されるそうですが、今年はご存知の通り、共和党のブッシュ大統領から民主党のオバマ氏に政権が変わります。米国は二大政党制の国で、大統領の所属政党が変わると、公的な職務に就く人間がどっと入れ替わる……というのもご存知の方が多いと思いますが、そのため今年のプラム・ブックは前回よりも1,000ほど多い職が掲載されているのだとか。
ただしクーリエ・ジャポンの記事によれば、掲載されている職の約3分の1が大統領の任命職で、その他の仕事もほとんどコネ絡みなのだとか。しかしこの本は政府と取引する業者にとっても重要で、「任命職とキャリアの違い、そして今の政府から誰がいなくなるのかが一目でわかる」資料になっているそうです。確かに中を覗くと、"Name of Incumbent"という欄があるのが分かると思いますが、これが文字通り現職者の名前。例えば「商務省統計局の局長、Steve H. Murdock は退任するのか。じゃあ新しいルートを開拓しないと/ウチの会社に顧問として来てもらうか」的な議論が繰り広げられる、はず?
まぁ僕も含めて、この本のお世話になる可能性は皆無という方がほとんどでしょうが……米国の政府関係の職、それも給与水準まで分かるということで、ちらっとブラウズしてみても面白いと思いますよ。
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