なんか年が明けても景気の悪い話ばかりですが、逆に景気が悪い時の方が流行るサービスも当然あるようで。米国で、様々な飲食店や居酒屋でふるまわれるフリードリンク(無料あるいは格安料金で提供される飲み物サービス)の情報を集めてリスティングしているサイト"Myopenbar.com"が人気を博しているそうです:
■ Web Site Points the Way to Where Drinks Are on the House (New York Times)
サイト自体は2005年から存在していたそうなのですが、この不景気のあおり受けて、読者が増加中とのこと。ニューヨーク市内にあるお店のフリードリンク、ならびにイベント情報が掲載されています。個々のリスティングにはパーマリンクが設定されているので、ブックマークしたり友人に教えたりといったことも簡単(ご丁寧に Facebook、Digg、Delicious へのリンクアイコンが付いています)、ちなみに最近のサイトの例にもれず、Twitter アカウントもオープンしています。
読者の増加とともに、リスティングに掲載して欲しいというお店も増加中とのこと。まさに不況が追い風になった形で、ちゃんとサイトから利益も出ているのだとか:
Myopenbar.com has 30,000 subscribers in New York, most of them in their 20s and 30s, the very demographic that liquor companies want to reach. The site also has listings for five other cities (Los Angeles, San Francisco, Chicago, Miami and Honolulu) that have attracted 19,000 subscribers, and it has 30 employees. Mr. Granik, 33, and Mr. Fried, 34, declined to say how much revenue the site generates, but they said it was profitable, both through advertising (Toyota Scion and American Apparel are among the sponsors) and the consulting fees that they collect for holding, marketing and promoting events. Those events are noted on the site; otherwise, bars and liquor companies do not have to pay to be listed.
Myopenbar.com はニューヨークで3万人の読者を有している。その多くが20代から30代で、酒類メーカーがまさに接触したいと考えている層である。同サイトはニューヨーク以外の5都市(ロサンゼルス、サンフランシスコ、シカゴ、マイアミ、ホノルル)でもリスティングを掲載しており、1万9千人の読者が存在している。従業員数は30名で、Granik 氏(33)と Fried 氏(34)は同サイトがどれだけの収益を上げているか明言を避けたが、広告収入(トヨタのサイオンやアメリカン・アパレル等がスポンサーになっている)とコンサルティング料(イベントの開催やマーケティング、プロモーションに対する対価として)を得ることで利益を出しているとのことである。リスティングに掲載されるだけなら料金は発生しないが、イベントを開催しサイト上で宣伝される場合には費用がかかる。
とのことで、リスティングを無料にして情報を厚くし、読者を集めることで広告収益を増やす一方、お店の側に有料サービス(コンサルティング)を用意してそこでもお金を得るようにしていると。ちなみに創業者の1人である Granik さんは、かつて文無しのミュージシャンで、友人にいろいろなお店の開店時間をメールで教えてあげていたそうです。で、ニーズが増えたのでたまたま知り合ったWEBデザイナーの Fried さんに協力してもらい、サイトを立ち上げたと。立ち上げて半年でメルマガ購読者が3,000名を突破、その後順調に成長を続ける……という、まさに個人で立ち上げるウェブサービスの王道のようなサクセスストーリー、といったところでしょうか。
もちろん経済状況が厳しいことには変わりないのですが、そんな中でもちゃんとニーズを拾ってビジネスに仕立てている人がいるということで。後ろ向きになっていてはいけないなーという感じです。
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