ソーシャルメディアをマーケティングに活用する、という話がこのところますます増えているわけですが、これはまた変わった仕掛けかも。スカンジナビア航空(SAS)が Facebook を活用したキャンペーンを始めています:
要は SAS の航空券が当たるというキャンペーンサイトなのですが、Facebook と組み合わせて一捻りがしてあります。当然ながら Facebook にアカウントがないと利用できず、しかも最低で25人の友達がいないといけないので、そんなのかったるいという方は以下の解説をご覧下さい。
まずアクセスすると画面中央に"Start"ボタンが表示されるので、これをクリックすると、Facebook のアカウントにアクセスして良いかというメッセージが流れます。一応SASを信頼しないと先に進めないので、キャンセルではなく"Connect"ボタンを押すと、こんなインストラクションが表示されます:
- 年齢が18歳以上で、Facebook 上で少なくとも25人以上の友人がいる必要があります。
- 出発する空港をお選び下さい(スカンジナビア航空が就航している空港のみ)。
- 表示される地球儀(SAS Globe of Future)を回します。目的地がランダムに選ばれ、また旅のパートナーも Facebook ユーザーの中からランダムに選ばれます。地球儀は10回まで回すことができます。
- 好きな結果が出たら、「なぜ自分たちが賞を取るべきか」という理由を書いてお申し込み下さい。10回回しても好きな結果が出なかった場合、そこで終了となりますが、他のユーザーにパートナーとして選ばれる可能性はあります。
- ひとりにつき1回しか申し込むことができません。期間は8月20日から31日まで。当選者は Facebook を通じて告知されます。
とのこと。で、利用規約に合意して次に進むと……
まずは出発地の指定ですね。残念ながら、スカンジナビア周辺の空港しか選べないようです。成田とかありません。
とりあえずどれか空港を選んで矢印ボタンを押すとこんな画面に(今回はコペンハーゲンを選んでみました)。で、適当なタイミングで地球儀をクリックすると、回転が止まって目的地が選ばれます。
僕の目的地はベニスに決まりました!これで当選すれば、コペンハーゲン-ベニス間の航空券がもらえるわけですね。てか、もらっても困るけど……。
で、ここが Facebook を活用している部分。僕が友達登録している方々が画面下に並び、次々にスクロールしていきます。ここで中央の赤いボタンを押すとスクロールが止まり、旅のパートナーが一人選ばれるわけですね。で、その選ばれた方との応募になり、当選したらその方と2人分の航空券がもらえると(さらに相手にも応募が通知されることになり、その方はその方でチャレンジをするというクチコミ効果も当然狙っているのでしょう)。うーん、確かに10回チャンスがあるので1回ぐらいは「本当に一緒に旅行しても差し支えのない人」が選ばれるのでしょうが……仮に実名公開をしていないような人との応募になり、当選してしまったらどうするんだろ。
とここまで見てようやく気付いたのですが、こういうキャンペーンが成り立つぐらい、Facebook は実名/実際の友人たちとの交流が基本になっているということですよね。そりゃ Facebook にだってリアル世界での姿を公開していない人だっているだろうし、本当の知り合いかどうかは一切気にせずに友達を増やすという人もいるでしょうが、それが主流派であればこんな仕掛けは企画されないでしょう。完全に偏見ですが、仮に Mixi で同じキャンペーンができたかというと微妙な感じがします(技術上の制約はさておき)。それが良い、悪いということではないけれど。
ということで、日米のSNSの違いというか、Facebook の特性のようなものも垣間見えたキャンペーンでした。
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