今年1月に発表された研究結果なので、ご存知の方も多いかもしれませんが。名前を付けた乳牛と付けていない乳牛の間で、ミルクの生産量に差が出るのか?という研究が行われたそうです:
■ Pull the udder one? Calling cows names 'makes them produce more milk' (Guardian)
ニューキャッスル大学の研究者らが、英国内の516の酪農家に対して行った調査の結果について。それによると、名前を付けていた方の乳牛は、付けていない方に比べ256リットル多くミルクを生産していたとのこと。研究者の一人はこうコメントしています:
Dr Catherine Douglas, who conducted the research, said: "By placing more importance on the individual, such as calling a cow by her name or interacting with the animal more as it grows up, we not only improve the animal's welfare and her perception of humans, but also increase milk production."
She added: "Just as people respond better to the personal touch, cows also feel happier and more relaxed if they are given a bit more one-to-one attention. What our study shows is what many good, caring farmers have long since believed."
この研究を指導した Catherine Douglas 博士はこう述べている。「乳牛を名前で呼んだり、交流を深めたりするなど、個々の家畜をより重要な存在として扱うことで、家畜の快適性を高めたり、彼らの人間に対する意識を改善したりできるだけでなく、ミルクの生産量も増加できるのである。」
彼女はさらにこう付け加えている。「人間でも、心のこもったおもてなしにはより良く反応する。それと一緒で、より注意深く応対されれば、乳牛たちも幸福感を感じてリラックスする。私たちの研究結果が証明ているのは、面倒見の良い酪農家たちがずっと信じてきたことなのだ。」
ただしその因果関係については、当然ながら様々な意見が出ているようです。確かに牛たちに名前を付けるほど大切に扱っている酪農家なら、その他の扱いも真剣に考えていることでしょう。仮に名付け自体が何らかの効力を持っていたとしても、「牛たちの」心理状態に影響を与えるというよりは、「酪農家の」心理状態に影響を与えているのではないでしょうか。つまり名前が付くことで擬人化され、無意識のうちに扱いを丁寧にしてしまう、のような感じですね。
仮にそうだとすれば、名付けをするというのはより丁寧な扱いをすること、そしてより良い結果をもたらすことの第一歩になるのかもしれません。酪農に限らず、PCやサーバ、プロジェクトに大切な人の名前を付けてみるというのは意外に効果的なのかも?
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