Twitter上のトレンドを解析・解説してくれるサービス"What the Trend"の調査によると、2009年と2010年を比較した場合、Twitter上で交わされるツイートの傾向に「ある変化」が生じているそうです:
■ The No. 1 Most Dramatic Change in Twitter Culture Over the Past Year (AdAge)
以下の図がその調査結果なのですが、トレンドとなったキーワードを「エンターテイメント」「スポーツ」などといったカテゴリーに分類し、その内訳を円グラフ化しています。あるカテゴリーが大きく順位を移動しているのですが、分かるでしょうか:
2009年の場合、トレンドとなったカテゴリー第1位は「エンターテイメント」(38%)。ところが2010年になると、第1は「ハッシュタグ」(40%)となっています。2009年のグラフでハッシュタグは第5位、9%しかありませんから、過去1年でトレンド入りするハッシュタグが急上昇したことになります。
もちろんハッシュタグはハッシュタグであり、トピックの内容を示すものではありません。「トレンド入りする話題の種類ナンバーワンは?」という質問に対しては、依然として「エンターテイメント」が答えとなるでしょう。ただし、少なくとも2009年と2010年を比較した場合、ハッシュタグが言及される回数が増えているという傾向が見られるわけですね。
ここから先は個人的な感覚になりますが、何か大きな事件やイベントで他人とつながりたい場合には、ハッシュタグを付けてツイートするという姿勢がより浸透してきていると思います。『リアルタイムウェブ-「なう」の時代』のエピローグでも触れましたが、例えば去年4月に火山灰でヨーロッパの主要空港が閉鎖されるという事態が発生した際には、すぐに「#ashtag」や「#getmehome」といったハッシュタグが登場・共有され、足止めを食らっている旅行者たちが積極的に情報交換するという状況が生まれました。Twitterはごく些細で、個人的なことをつぶやくツールとしての側面を保ちつつも、いざとなれば超強力なコミュニケーションツールとして機能するという存在になっているわけですね。
お気づきのように、これはTwitter自体が技術面で進化したという話ではありません。むしろユーザーたちの態度や共通認識の変化によって、より価値が高められているのだと言えるでしょう。その意味で、今後もユーザー自身の創意工夫や新たな人々の参加によって、Twitterが進化を続ける可能性は高いのではないでしょうか。
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