POLAR BEAR BLOG

ポッドキャスト向けホスティングサービスが登場

Podcast/vodcast関係のニュースが続きます。今度はpodcast向けホスティング・サービスが始まるというニュース：

ポッドキャスト向けのホスティングサービス開始--Jストリーム　（CNet Japan）

「同社は本サービスのほか、今年11月以降にポータルサイトサービス、ポッドキャストプラットフォーム提供サービス、コンテンツ販売代行サービスなどを順次開始する予定」とのことで、企業がpodcastを本格的なプロモーションツールとして使うために必要なインフラが整いつつある、ということでしょうか。

今後はvodcastingについても、同様のインフラ整備が必要になると思います。コンテンツ作成という中身のビジネスだけでなく、画像/音声編集ソフトやコンテンツ配信システムなどのツールやシステム構築といった面でも、多くのビジネスが生まれてくるのでしょう。また企業向け/個人向けなどセグメントを限定してサービス展開するなど、さまざまな戦略が考えられそうです。

AOLとIntelliseekが提携

BlogPulseを運営するIntelliseekが、AOLと提携するようです。

AOL to take Blogs' Pulse via Intelliseek (ClickZ News)

Intelliseek will provide AOL with lists of top blogs; top blog posts; top news stories and news sources cited by bloggers; top links being shared by bloggers; and top personalities being discussed by bloggers.

とのことなので、Technoratiが提供しているような「最も検索されている話題」「トップニュース」「トップDVD」といったコンテンツを展開するつもりなのかもしれません。だとすると、昨日の記事で紹介した、テクノラティ・ジャパンが考えるビジネスモデル（企業向けにブログ統計情報を提供）に近い形なのでは？（参考：ブログ検索をマーケティングに――テクノラティのビジネス）

将来、新聞社やテレビ局がブログ統計調査会社（？）と提携して、「この問題に対するブログ上の世論は・・・」なんてニュースを報道する日が来るかもしれませんね（ちょうど「○○テレビではこの問題に関する緊急電話アンケートを実施しました！」みたいなイメージで）。そう考えると、「Blogosphereを俯瞰するデータを提供するサービス」というのは、今後大きな需要が見込める分野なのかも。

気になるのは、AOLジャパン経由でBlogPulseが日本に上陸するのかどうか。「BlogWatcher」や「Kizasi」などと共に、この分野でのテクノラティ・ジャパンの対抗馬として登場して来るのでしょうか。

Technorati tags: AOL, BlogPulse, Technorati, Kizasi, BlogWatcher

Vodcasting専門テレビ局が開局

Video iPod登場で普及が期待されるvodcasting（video podcasting）ですが、日本でvodcasting専門テレビ局が登場するというニュース：

iPod専門テレビ局「PodTV」が開局--100チャンネルを無料で（CNet Japan）

テレビ番組やコマーシャルの制作も手がけるメディアエンジンが携わるということで、番組はある程度しっかりしたものが期待できそうです（テレビ向けコンテンツ製作のノウハウが、そのままvodcastingに応用できるとは限りませんが）。

すでに同社内では、「杉村太蔵議員」専門チャンネルなど、80チャンネル以上の番組案を検討しており、まずは100チャンネルを目指す。

とのことですが、こちらはちょっと不安に感じます。占いやニュースなどといったコンテンツで「数」ばかり稼いでも、「なぜvodcastingというチャネルで配信するのか」という存在意義を見出すことはできません。チャンネル数の豊富さを競うよりも、vodcastingならではのコンテンツを開発するという「質」の方を重視した方が良いと思うのですが。

それに「数」はもはや、ユーザーに対するアピールにはなりません。一般のユーザーが、自作ビデオを自由にネット上に公開できるようになる日も近いのです：

Google To Host Home-Video Uploads (Yahoo! News - TechWeb)

既に写真の共有はFlickrという成功モデルがありますから、Google以外でもこの分野に参入する企業は多いでしょう。Blogが新聞社顔負けの記事を投稿するbloggerを生んだように、Vlog（Video Blog - 動画を配信するブログ）がテレビ局並みの映像を作成するbloggerを生む可能性もあります。

既存の映像コンテンツ作成業者に求められているのは、既存のコンテンツをvodcasting用に焼き直すことではなく、新しいスタイルのコンテンツを考え、ユーザーに提示することではないでしょうか。「PodTV」がその先駆けとなることを期待しています。

Technorati tags: vodcast, video podcast, Google

AOLがWeblogs, Inc.を買収

AOLがWeblogs, Inc.を買収、今週末に正式発表するとのこと。

AOL Acquires Weblog, Inc. (Techcrunch)

Weblogs, Inc.はメディアとしてのブログを運営する会社で、様々なトピックについて報道する80以上のブログを抱えています。（詳しくは日経のレポートをご参照下さい。）

AOL以外にも、Yahoo!やMSNも買収に向けた話し合いをしていたとのこと（Blog Heraldの記事）。またWeblogs. Inc.と同様のブログメディア会社であるGawker Media（日経のレポート）についても、一部のブログを買いたいとの申し出がなされているとの観測があり（Blog Heraldの記事）、大手メディアのブログへの傾倒が高まる兆しなのかもしれません。

※10月7日追記
CNet Japan で記事が投稿されていましたので、リンクを貼っておきます。ご参照下さい：

AOL、ブログ関連企業のWeblogsを買収へ--ヤフーやグーグルに対抗（CNet Japan）

サイボウズとサイバーエージェント、cybozu.netを共同運営

RSSリーダーとブログの機能を併せ持つフィードポータルサイト、cybozu.netの運営にサイバーエージェントが参加するというニュース。

サイバーエージェントとサイボウズがタッグ--ビジネスポータルで合弁（CNet Japan）

新生cybozu.netには、サイボウズが運営するリンクポータルサイト「サイボウズNET」の機能が統合されるとのこと。cybozu.netユーザーとして、今後の展開に大きく期待しています。

ブログ上では好意的な意見が多いようですので（僕も今回の提携に期待していますが）、僕はちょっとだけDevil's advocateを。今回の提携、単純に「無料ブログ＋無料ポータルでユーザーを囲い、広告収入を得る」というモデルなのであれば、事業として大きく成長するのだろうかという気がしています。そこはインターネット広告の分野で大きな経験とノウハウを持つサイバーエージェントですから、ちゃんとした勝算があってのことでしょうが。

しかし個人的な感想ですが、少なくとも現状のcybozu.netでは、RSSリーダーとブログを統合したサービスを使うメリットはあまり感じられません。それは自分自身のブログを以前から持っていた、という「乗り換え」の問題もありますが、RSSリーダーとブログの個々のアプリケーションが標準的な機能しか持っていないため、今使っているソフト/サービス（RSSリーダーならSearchFoxやThunderbirdなどで、ブログ作成ならecto、ブログ本体はType Pad）から乗り換える気が起きないからです。

もちろん現在のcybozu.netはアルファ版ですので、今後大幅な機能改善がなされていくでしょう。「サイボウズNET」というリンクポータルがcybozu.netと合体することで、思いもよらない付加価値が生まれるかもしれません。しかし、個別の分野に集中して開発を行っている企業（グルコースやSix Apart、Yahoo!やライブドアなど）に打ち勝ち、ユーザーを引っ張ってくるためには、かなりの開発力と営業力を費やすことが要求されるのではないでしょうか。

しかし記事の最後で、新生cybozu.netの将来を期待させる部分がありました。引用すると：

また、新生cybozu.netのサイトについては、「現在の2つのサイトを統合し、ビジネスに役立つ各種情報を提供していこうとは考えているが、まだ詳 細は決まっていない」（青野氏）としながらも、藤田氏は「サイボウズのグループウェアがそうであるように、また大手検索サービスがいずれもインターフェー スをパーソナルライズできるようにしていることと同様に、個人個人に合わせてカスタマイズして利用できるようなビジネスポータルサイトにしていきたい」と イメージを示した。

つまり個人単位でカスタマイズできるポータルというのが、最終的なイメージということでしょうか。個人的な希望としては、Yahoo!の「My Web 2.0」のように、ソーシャライズの観点も含んだサービスを実現して欲しいと思います。素人にコメントされるまでもなく、「あっ」と驚くような機能を、虎視眈々と開発中かもしれませんが・・・。

アメブロとcybozu.netを統合、なんてこともやっぱり考えているんでしょうか？

関連記事：
cybozu.netプロジェクトチーム公式Blog
サイボウズ青野の３日ボウズ日記

AIBOがブログを書く時代。

AIBOの新型が発表されたというニュース。

今度のAIBOは話す！日記を書く！--新色「ハニーブラウン」も発売（CNet Japan）

注目すべき点が２つ。１つはAIBOが日記を書き、それをブログに掲載できるという機能で、もう１つはRSSで配信されるニュースやブログ記事をAIBOが読み上げてくれるという機能（ちなみにImpress Watchの記事によれば、RSS1.0と2.0、ATOMに対応しているとのこと）。いよいよロボットもWeb2.0に対応する時代になりましたか。

しかしロボットがブログを書くなんて、考えてみたら恐い時代だ。そのうち冷蔵庫もブログを書くようになって、今日の夕飯の献立を勝手に暴露されたりして（その時代にはきっとICタグが普及していて、冷蔵庫が自動的に食材を把握してたりするわけです）。その記事を家族が書いているブログに勝手にトラックバックしてたら更に恐い。

一方、RSSに対応したのは嬉しい驚きです。PCだけではなく、もっとRSSが他の機器にも普及すると良いのですが。それこそ電子レンジなんかがRSS対応して、レシピを自動的にダウンロードしてくるとか（似たような発想は既に実現されていると思いますが）。今後「あっ」と驚くような機械が、RSS対応するのかも。

SAPがSocialtextに出資

ERPソフトウェアで有名なSAPが、Socialtextというベンチャー企業に出資したというニュース。

SAP buys into Socialtext (Marketing Technology)

このSocialtextという会社、Wikiやブログなどをベースとした、社内コラボレーションツールを開発している会社のようです。実際に目にしていないので何とも言えませんが、「社内SNS」とでも呼べるソフトでしょうか。プロダクト紹介のページを見ると：

Over 100 Customers and 20 Global 1000 companies use Socialtext for:

• agile project management
• collaborative intranets and extranets
• project communication
• instant distributed documentation
• team weblog communication
• design collaboration
• distributed intelligence gathering
• consultative team selling
• agile customer care
• meeting facilitation
• and much more...

とあるので、やはりWiki+Blog+SNSといった感じの、汎用性の高いツールのようですね。

SAPの真意は不明ですが、過去にも自社製品の強化を目的とした企業買収を行っていますし、将来的にはR/3とのコラボレーションの可能性もあるのではないでしょうか。そうなると、R/3導入関連ビジネスに寄生（失礼）特化しているITコンサル会社などを巻き込んで、R/3導入済み企業に対してこの「Socialtext Enterprise」を導入するビジネスが盛んになる・・・なんて日が来るかもしれません。

R/3導入コンサルタントとして社会人のキャリアを踏み出した過去を持つ僕としては、なんだか不思議な感覚ですね。SAPが社内SNSツールですか。過去の経験から考えると、今回のSAPの動き、ひょっとしたら社内ブログ/社内SNSという概念が普及する大きな一歩になるかもしれません。

※10月3日追記

CNet Japanに記事が掲載されていましたので、リンクしておきます。

SAP、Wikiソフトウェア開発企業ソーシャルテキストに出資（CNet Japan）

テクノラティが携帯電話向け「テクノラティモバイル」開始

速報です。先日のデジタルガレージのカンファレンスで発表されていた 「テクノラティモバイル」のベータ版がリリースされました。

ケータイからでもブログ検索--テクノラティが携帯電話向け「テクノラティモバイル」（CNet Japan）

テクノラティモバイル（ベータ版）

Feedsterの日本進出表明、Ask.jpのブログ検索サービス開始、Google Blog Searchのリリースなど、にわかに競争が激しくなったブログ検索サービスですが。いよいよ本家テクノラティ（ジャパンだけの動きのようですが）の反撃開始といったところでしょうか。

ちなみに先日のカンファレンスでは、テクノラティ・ジャパンへのタグ機能導入についても（非公式ですが）言及がありました。僕はモバイルよりも、タグ機能こそテクノラティ差別化のキーだと思っていますので、こちらの方も早く実現することを期待しています。

ライブドア、出会いを提供する若年層ポータル「チェリーブログ」--シニア向けも

ライブドアの新しい事業展開のニュース。

ライブドア、出会いを提供する若年層ポータル「チェリーブログ」--シニア向けも（CNet Japan）

チェリーブログのトップページはこちら。 以下はそのスクリーンショットですが、若年層向けということで、かなり可愛らしいデザインになっています。

各年齢による検索ができるところが１つのポイントでしょうか。高校生以下の子供達の生活は、学校の学年によって定義されています。 大学受験や高校受験、修学旅行や運動会・学園祭など。「自分と同学年の人のブログが探せる」あるいは 「来年自分がその立場になる人のブログが探せる」という点で、細かい年齢別分類は若年層にとって魅力的だと思います。

と言いつつ、僕が気になっているのは「シニア層向けサービスを開始する予定」という一文だったりします。ブログにとって、 シニア層はまだまだ未開拓の市場です。ＩＴリテラシーという点で開拓が難しい面はあるでしょうが、逆に各社のアイデアを生かした （専用ヘルプデスクを設ける、インターフェースを工夫する、「渋い」ブログスキンを用意するなど）差別化が図りやすいのではないでしょうか。 ライブドアだけではなく、他社の参入も期待したいところです。

シニア層は豊かな人生経験を持っているのですから、彼らこそ本当にブログの価値を引き出すことができると思います。少なくとも 「ちぇりーぐまのラブラブ日記」なんてブログよりも「八重山のおばあちゃん日記」の方が面白いと思うのですが・・・。ところで日本/海外問わずに、 世界最高齢のブロガーって誰なのでしょうか？

スクウェア・エニックス＋ブログ＝？

スクウェア・エニックスと言えば「ファイナル・ファンタジー」シリーズや「ドラゴンクエスト」 シリーズなどの人気ゲームで有名なソフト会社ですが、ブログサービスへの進出も考えているとのこと。

Ｍ＆ Ａはタイトーで終わりではない＝スク・エニ（ＳＤＤ研究所「Ｍ＆Ａと経営」 価値志向のマネジメント）

現在タイトーへのTOBを進めているスク・エニですが、 これからもM&A戦略を継続していくことを明言し、その対象として「コミュニティ」、特に「 オンラインゲームのコミュニティだけではなく、ブログやオークションも含めて」 考えていることを明らかにしました。

そもそもタイトー買収の目的についても、 和田洋一社長は次のように語っています。

 

利益率の低いタイトー買収のねらいについては、「携帯やテレビのコミュニティはバーチャルだが、   ゲームセンターのように物理的な場所を確保するのは重要だった」と説明した。

バーチャル/リアルを問わず、「コミュニティ」を広げるための手段として、ブログサービスを視野に入れているようです。

スク・エニのゲームソフトと、 ブログを始めとしたオンラインコミュニティの間でどのような連携を図っていくかは具体的には明らかにしていませんが、アメブロとカプコンのタイアップや映画 「スパイダーマン２」のブログスキン配布のように、 ゲームソフトのプロモーションの一環にブログを組み込むというのは十分に考えられます。

個人的には、プロモーションのレベルで終わらずに、 リアル/バーチャルを融合した広範なコミュニティを築くモデルを提示して欲しいと思います。