以前Flickrがその資産(ユーザーが投稿した画像ファイル)を活用して、お金を生もうとしているという記事を書きましたが(参考記事:Monetizing Flickr)、今度はそのSNS版。今日付けの日経産業新聞にSNS関係の記事があり、それを読んでコメント。
残念ながらWEB上では記事が公開されていないようですが、日経産業新聞の2005年11月11日版第2面に、「SNSから事業発掘」という記事が掲載されています。それによると、ライブドアが今後出版事業向けコンテンツの発掘先として、SNSに注目しているとのこと。またSNSとポータルを連動させた「第2ポータル」を開設し、SNSをホームページとしても利便性が損なわれないようにすることで、SNSでの滞留時間を延ばす戦略のようです。
出版コンテンツを探す先としてSNSを利用する、というのは面白いですね。記事中では、ライブドア関係者による「おもしろい文章を書ける人がSNSに集中している」というコメントが紹介されるとともに、ブログを基にした出版物の売上げが芳しくないことが指摘されています。またSNSを通じた交流から生まれた出版物として、琴音さんの「愛をめぐる奇妙な告白のためのフーガ」が紹介されています。
ただ、この戦略「囲い込み」がしにくいのが難点です。例えば「Mixiの日記機能を利用して書かれた日記は、イー・マーキュリーが版権を持つ」とはしにくいでしょうし、「提携出版社以外の編集担当者が自社のSNSコミュニティを覗くのを制限する」わけにもいかないでしょう。実際ライブドアパブリッシングも、ライブドアのSNS「フレパ」ではなくMixiを通じて琴音さんと知り合ったわけですし。SNSというリソースをあらゆる企業が利用できるわけで、ライブドアの動きに触発されて、SNSに注目する出版社は増えてくるのではないでしょうか。
あえて自社SNSをユニークな経営資源として活用させる道を探るとすると、「提携出版社から出版する場合には、お金を多く払いますよ」という風にして作家のタマゴを惹きつける、なんてことも考えられます。「フレパで日記を書いていてくれたら、その日記をライブドアパブリッシングで出版できる可能性があります!しかも原稿料は相場の倍額!」みたいな感じにして、SNSを一種の「潜在的な作家を探している出版社」と「作家志望の一般人」が出会うマーケットプレイスとして位置付けてしまうような。
また出版にこだわらなくても、もっと別の「収益の種」がSNSには埋まっているのかもしれません。Mixiならイー・マーキュリーにとってだけ利用できるような、ユニークな経営資源が。ただそこを狙ってコミュニティを作り上げるのは、ほとんど不可能なように思いますが。
余談ですが、「フレパ」がポータルサイト風に変化したら、今度はイー・マーキュリーから「Mixiのデザインを真似した!」とか言って訴えられないんでしょうか・・・。
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