『モナ・リザ』といえば言わずと知れたダ・ヴィンチの名画ですが、この作品を使ったAR(拡張現実)アートが開始されるとのこと:
■ Amir Baradaran Frenchising Mona Lisa
アーティストのAmir Baradaranさんによる"Frenchising Mona Lisa"(モナ・リザのフランス化)という作品について。ARを実現するプラットフォームとしてモバイルARブラウザの"Junaio"が採用されており、同アプリがインストールされている端末であれば、明日1月27日から世界中で鑑賞が可能になるそうです。ただし後述する通り、『モナ・リザ』がARを起動するキーになっており、同作品の前に立つ必要があります(とはいえレプリカや写真などでもOKとのこと)。
手順は簡単で、まずJunaioを起動し、作品名である"Frenchising Mona Lisa"のチャンネルにアクセスします(検索機能で探し出せるはず)。そして『モナ・リザ』の画像にカメラを向けると、ARで彼女の姿に変化が起きる……という仕組み。じゃどんな変化が起きるの?という点ですが、ネタバレになりますので、先に体験したいという方はこの先を読み進めないで下さいね。
とはいえまだ作品の公開前ですので、僕もプレスリリースの解説をそのまま転載しますが、Junaio上の『モナ・リザ』が両手をあげ、トリコロール(フランスの国旗に使われている赤・青・白の三色)の飾りを頭につけるのだそうです。つまりもともとはイタリアで生まれた『モナ・リザ』という絵画が、フランス(ルーブル美術館)で展示されることで、「フランス化」が行われていることをARで象徴するという作品なわけですね。
またルーブル美術館という場所で、学芸員の手が加えられた形で展示される(もちろん作品そのものが改ざんされるという意味ではなく、照明やガラスケース、展示室などが彼らの主観でデザインされるといった意味で)ことにより、『モナ・リザ』という作品自体が「拡張」されていることも象徴したいとのこと。うーん、なかなか深いです。
何はともあれ興味を持たれた方は、Junaioをインストールして試してみて下さい。
< 追記 >
公開されたので体験してみました!前述の通り、Junaioを起動して"Frenchising Mona Lisa"のチャンネルにアクセス、PC上に表示した『モナ・リザ』の画像をカメラにとらえると……
少しブレてしまいましたが、ご覧のように、ちょうど『モナ・リザ』の画像の上に動画が重ね合わされる形でARが表示されます。
画像をクリックすると、ARではなくなってしまいますが、このように映像だけが全画面で表示されます。うーん、モナ・リザがするするっとフランス国旗(のような飾り)を身にまとっています。
このように絵画の登場人物を動かしてしまうというのは極端ですが、確かにどのような場所に置くか・周囲にどのような作品を飾るかによって、アートの意味というものはいくらでも「拡張」され得るわけですね。逆にARによって、作品はそのままで周囲の環境を変えてしまうということも可能になるわけで、アートの可能性はテクノロジーによってさらに拡大するのかもしれません。
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