眠いので雑談程度の内容です。けどアクセスを稼ぎたいので、刺激的なタイトルにしてみたりして。
鳴り物入りでリリースされたGoogle Video Storeですが、どうも評判が悪いみたいです。先日は検索機能に問題があるという記事もあったし、今日はそのものズバリでこんな記事が:
Google Videoにブーイングの嵐(ITmedia)
コンテンツを買うためにはアメリカ国内住所のカードが必要なので、Google Videoは特に触ってみなかったのですが、不評のようですね。しかもGoogle側の反論と言うのが「あれっ?」という感じです:
こうした批判に対し、Googleの広報担当者はeWEEKへの電子メールで次のように述べている。「われわれは常に、開発のできるだけ早い段階でサービ スをリリースし、ユーザーのフィードバックに基づく反復型開発プロセスを迅速に進めていきます。われわれはユーザーのフィードバックを大いに歓迎してお り、ユーザーにとって最高の検索体験を構築することに全力を注いでいます」
先日のTechCrunchの記事で指摘されていた「ダメなベータの例」を見ているかのようです(関連記事:ベータリリースを成功させる秘訣とは)。サービスを早急にリリースすること自体が目的ではなく、早い段階でリリースすることで「サービスの目新しさ」というインパクトをユーザーに与えることが目的であるべきはずなのに。中途半端な機能で逆にネガティブなインパクトを与えてしまったばかりか、ITmediaの記事中でも指摘されている「わくわくするようなサービス」というGoogleのブランドイメージを傷つける結果となっています。
ただ、ユーザーががっかりしている程度なら、「たった1度の失敗じゃないか」「Googleに対する期待が大きくなり過ぎた結果にすぎない」といった弁明も可能でしょう。もっと心配なのは、マルチメディア検索の分野でGoogleが遅れをとるのではないかという懸念です:
AOL Betrays Google (Motley Fool)
例のAOLによるTruveo買収の件(関連記事:AOL、映像検索エンジンのTruveoを買収)にからめて、AOLが映像検索の分野でGoogleを出し抜くんじゃないかという記事です。いろいろな記事でTruveoの機能がいかに優れているかを指摘しているのですが、それを読む限り、映像検索ではGoogle/Yahoo!/MSNを上回っているようですね。もしそうだとすると、Motley Foolが指摘しているように
Which brings us back to the AOL/Truveo deal. AOL's video search will probably never rival Google's in popularity and scope, but this isn't about winning a search war. It's about keeping other people's mitts off the future revenue stream. Time Warner's got way too much saleable video content to want to give it all away to Google by ceding leadership in video search.
AOLは自社の持つ映像コンテンツを、Googleのプラットフォームに載せる必要が無くなるわけです。Truveoの技術を活用してAOLのサイトから映像コンテンツにアクセスさせるようにすれば、テキストコンテンツの世界でGoogleが享受しているのと同じ利益を得ることができるかもしれません。そこから逆にGoogleが締め出される・・・なんて可能性もゼロとは言えないでしょう。
AOLだけでなく、映像検索に力を入れる勢力は多いです。先日は日本政府が国家レベルで映像検索エンジンの開発をバックアップすることを表明しましたし(関連記事:「産官学連携検索サービス」はGoogleを超えるか?)、ヨーロッパで"world's most advanced multimedia search engine"を作ろうとする動きが現れたというニュースも入ってきています:
European Tech Giants Craft Search Engine (washingtonpost.com)
両者とも「アメリカ企業が検索市場を独占してるのはけしからん!」という掛け声レベルの話、と見れなくもないですが、マルチメディア検索という次の市場に焦点を当てていることを重視しても良いでしょう。また企業を超えたレベルで研究が進むことによって、検索技術というものがいっそうコモディティ化することも考えられます。マルチメディア検索が言わば「蟻の一穴」となって、Googleの発展を阻害する・・・というシナリオが実現しないとも限らないでしょう。
他にも「Googleは派生サービスばかりに力を入れて、本業である"search"をおろそかにしてるんじゃないの?」という記事も目にすることが増えてきました。まだ「違和感」といったレベルの問題かもしれませんが、ITmediaの記事が言うところの「魔法の妖精の粉」が、本当にGoogleから失われていくのが2006年になるかもしれません。
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