先日の日経産業新聞に、「箱型の装置を振るだけで液体や粉体が中に入っているように感じられるバーチャルリアリティー技術が開発された」というニュースが載っていました。まだ基礎研究の段階で、商品化が見込まれているわけではないのですが、面白いのでちょっとメモ:
■ 仮想物体、箱振って体感 -- 東大 携帯電話へ応用目指す (日経産業新聞 2006年5月25日 第9面)
残念ながらWEB上の記事が見つけられなかったので、ポイントだけ箇条書きします:
- 東京大学の広田光一助教授らが開発したバーチャルリアリティー技術。箱を振ったり動かしたりすることで、あたかも中に粉や液体が入っているかのような感覚を再現するとのこと。
- 箱型の装置で、中に加速度センサーとハンマーが内蔵されている。加速度センサーが箱のゆれを感知すると、ハンマーが内部から箱を叩き、「中に何か入っている」感覚を生み出す仕組み。
- 「触覚ディスプレー」と呼ばれる技術の一種だが、一般的に電気刺激によって何かがあるように感じさせるものが多い。力の伝え方で情報を伝えるタイプは珍しい。
- 研究チームは触覚を新たな情報提示の手段として利用することを狙っている。例えば携帯電話にこの装置を内蔵し、メールの有無を伝えるなどといった利用法が考えられる。
この「携帯電話に内蔵する」という利用法が面白いですね。メールが届くと、「本当に携帯電話の中に何かが入ったような感覚」でお知らせしてくれる端末なんてあったら楽しいはずです。耳のそばでササッと振ると、「カタカタ」と音がする・・・いやぁ、ロマンチック(?)
しかし「振る」というのは新しいインターフェースの道を開くかもしれませんね。既にニンテンドーDSやPSPで「端末の動きとゲーム画面の動きが連動しているゲーム」などというものが登場していますが、もっと実用的なものにも応用可能かもしれません。
メールあるいはRSSなどと連動して、未読メール(記事)の数に応じて音が変わったら面白いかも。未読が2~3通だと「パラパラ・・・」という程度なのに、10通を超えると「ザッザッ」という感覚に変われば、「ああ、たくさん溜まっちゃったからチェックしなきゃ」という心理になるかもしれませんね。あるいは普通のメールだと粉末が入っている感覚、好きな人からのメールだと液体が入っている感覚に変わるとか?
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