NHKスペシャル『グーグル革命の衝撃』を見終わりました。はてなや2ちゃんねるなどといったサイトでかなり前から話題になっていたこの番組。僕も今日の放送を楽しみにしていました。しかし今の感想は、と言うと……「NHKスペシャルを見て何の驚きも感じられなかったことが驚き」と表現できるでしょうか。それほど「なぜいまさらこんな内容を、しかもNスペで?」という印象でした。
実は今日、「なぜいまさら?」と感じた出来事がもう1つありました。朝日新聞にこんな記事が掲載されているのを目にしたのです:
■ 「バナー」→「検索連動型」 ネット広告 高い効果 採用企業続々 (朝日新聞 2007年1月21日朝刊 第5面)
ネット上には記事が出ていなかったのですが、内容は何てことはありません。単に「検索連動型広告というものがあって、最近流行りなんですよ」というだけの記事。なぜこれが「ニュース」なのか理解に苦しみます。
WEB上に「検索」という新しいフレームワークというか、パラダイムが築かれたことに気づいている(そしてそれを活用している)人々と、気づいていない/触れたこともない人々の差が開きつつあることは、様々な場面で指摘されています(おなじみ『ウェブ進化論』を筆頭にして)。Nスペと朝日新聞の記事は両方とも、「気づいていない人々」に対して向けられたものなのでしょう。そういえば『グーグル革命の衝撃』は、「革新的な技術/企業が現れた。しかしそれは中毒患者とも呼べる人々を生み出しつつあり、我々の全てを支配する危険性も秘めている」という技術悪玉論(?)的内容になっていて、言葉は悪いかもしれませんが「団塊の世代のオジサン」が好きそうなメンタリティで作られているように感じました。事態はそんなに単純じゃなかろうに……。
おそらく今回のNスペを有効活用する唯一の手段は、「リトマス試験紙」として使うことでしょう。すなわち番組を見た感想を聞いて(見ていなければ無理にでも見てもらって)、その内容で相手が「あちら側」と「こちら側」のどちらにいるかを判別できるのではないかと思います。そして、「自分達が思っている以上に、両者のギャップは大きいのだ」と実感することでしょう。あぁ、せめてエリック・シュミットのインタビューをもっと深めて欲しかった。
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