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先日、TechCrunch で「Twitter 小説」という発想が紹介されていました:
■ Twitterは小説づくりのプラットフォームになるか?(TechCrunch Japanese)
そうか、「ケータイ小説」がアリなら「Twitter 小説」だってアリなのかと。言われてみれば、確かに Twitter 上でも小説を展開することが可能かもしれません。「Twitter 小説」で検索してみると、同様の発想をされている方々が他にもいらっしゃるようです。
TechCrunch で紹介されている「Twittories」は、「140人の参加者がそれぞれ140字のメッセージを投稿して、最後に19600字の短編小説にしよう」というリレー小説の形式を取っているわけですが、他にも様々なスタイルが考えられるはずですよね。で、その1つとして考えられそうなのがこんなアイデア:
■ 140story (Kind of Delicious)
140文字きっかりで書かれた、1話完結型の小説を投稿するというもの。実物はこちらで確認できます。Twittories が Twitter 版リレー小説なら、140story は「Twitter 版ショートショート」といった感じですね。例えば、こんな作品が投稿されています:
Avid mountain climber, venture capitalist and daredevil, he had but one fear in this world: love, because "only a real man can be a lover."
熱狂的な登山家であり、またベンチャーキャピタリストでもある向こう見ずな男が、世界で唯一恐れているものがあった――それは、愛。その理由を、彼はこう語った「本当の男だけが、誰かを愛することができるから」。
作品のクオリティについてはご自身でご判断いただくとして、発想としては面白いのではないでしょうか。ちなみに、上の日本語訳はわざと長くしてみたのですが、それでもちょうど100文字。日本語の方が、この「Twitter ショートショート」に向いているかもしれません。
先日書店で『100文字でわかる 世界のニュース』という本を見つけたのですが、これは文字通り100文字で様々なニュースを要約するというもの(見出し的に100文字の文章があって、隣のページに詳細な解説があります)。100文字でもかなり情報を入れられることに驚いたのですが、さらに40文字あればもっと詰め込めるはずですよね。そう言えば『企画書は1行』や「一行レシピ」なんてものもあったし、Twitter 上で配信できるコンテンツは意外にバリエーション豊かなのかも。
……個人的には「やっぱりウケるのはアダルト系!?」とか一瞬考えたのですが、Twitter だと follow しているのがバレちゃうわけで。ちょっと無理かも(気にしない人も多いだろうけど)。
投稿情報: 06:11 カテゴリー: ウェブ・技術 | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
Google が新プロジェクト「Knol」を立ち上げました。簡単に言えば、「Google 版 Wikipedia」。ある事象に対する解説を、人々に書いてもらおうというものです。ちなみに「Knol」とは「Knowledge (知識)」から付けられた、とのこと:
■ Google版Wikipedia? 知識共有ツール「knol」をテスト (ITmedia News)
■ Knol―GoogleがWikipedia+Squidoo的なユーザー生成型知識コンテンツをテスト中 (TechCrunch Japanese)
海外のIT系ニュースサイト/ブログではかなり話題になっているのですが、日本語の記事はまだ限られているようですね。ちなみに、以下は Google の公式ブログでの解説です:
■ Encouraging people to contribute knowledge (Official Google Blog)
蛇足気味に、要点を箇条書きにまとめてみるとこんな感じ:
現在招待されているのは、医師などの専門知識を持っている人々のようですね。まずはクオリティの高いコンテンツを用意して、あらかじめ「場の雰囲気」を確立した上で一般公開、という流れを狙っているのでしょうか。
*****
このニュースを聞いて最初に思ったのは、「確かに Google で知らないトピックを検索すると、先頭に出てくるのは Wikipedia だよなぁ」ということ。例えば何でもいいのですが、ロングテールは現時点で1位、CGMは現時点で2位などなど、かなりの確率で Wikipedia を目にすることとなりますよね。「そんなら俺たちが作ればいいんじゃね?」と Google が思い立っても不思議ではないなぁ、という感想です。
と思ったら、Nicholas Carr が同じようなことを書いてました:
■ Googlepedia (Rough Type)
英語版 Wikipedia はより質・量ともに充実していますから、様々なトピックが検索結果で上位表示されるようですね。これだと、知らない事象を調べようとする人にとっては、Google は単に「Wikipedia 検索ツール」になりかねないわけです。それじゃあ得られたはずの広告収入が得られなくなる、ということで、「Google 版 Wikipedia (広告付き)」という発想に至った、という裏読みは大きく外れてはいないのでは。
しかし既に Wikipedia という巨人がいるわけですから、「どうやって独自性を出すのか」「どうやってコンテンツの書き手を呼び寄せるのか」と考えたときに、一石二鳥となるのが「書き手を一人に限定する」という仕組みなのでしょう。こうすれば、誰もが(同じ記事を)自由に編集できる Wikipedia との違いが出せる上に、制作者に報酬が払えるわけです。また Google が言うように、「名声を得る」というインセンティブも見逃せません(「インターネット」で検索したら、自分の署名が入った記事がトップに表示された……などということが起きれば相当な名誉ですよね)。一般公開されたら、記事を書いてみたいという人はかなりの数に上るのではないでしょうか。
*****
個人的に「集合知の Wikipedia と個人知の Knol、どちらが優れた記事を生み出すか?」という点に興味があります。また Knol では同じトピックでも複数の記事が存在し得るわけですから、例えば「太平洋戦争について、右派の視点から書かれた記事と左派の視点から書かれた記事、両方を読み比べる」などといった使い方も可能になるでしょう。その意味で、新しい発想がどんな記事を生むかに期待しています。
また以前から書いてきましたが(この辺の記事で)、「知識を提供することで対価を得る」という行為を可能にする仕組みは、ネットに知識を流入させる上で欠かせないと思います。収入がどの程度になるかはふたを開けてみなければ分かりませんが、例えばこれまでネットに記事を出してこなかった専門家たちが、Knol 上で知識を披露する――といった効果を期待してもいいのではないでしょうか。
一方で、「お金というインセンティブの負の側面を考えなければならない」「Wikipedia への参加者が減り、質の低下を招くのではないか(最悪の場合は共倒れ?)」といった不安もあると思います。とりあえずはどんなコンテンツと共に一般公開されるか、また日本語版の立ち上げはあるか、様子見といったところですね。
投稿情報: 07:10 カテゴリー: Google | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (3)
本来の文脈とは異なるかもしれませんが、この記事を読んでちょっと共感(批判されている方に):
■ ネガティブブックマーク (takoponsの意味)
サイトに「ソーシャルブックマークへの登録は御遠慮下さい」と書くこと、また「ブクマしないで!」という気持ちについて。確かにブックマークは「する側」に自由があるわけで、その結果(世間に知られたくないことに)世間の注目が集まってしまっても「ネットに書いた側が悪い」という理屈は分かります。しかし突然「いままで集っていた人々とは思考回路が違う人々」が大勢集まることに恐怖を感じる、という感覚は理解してあげてもいいのかな、と。完全に違法、または悪意のあるコンテンツは論外として、単に文化の違いというだけで非難・嘲笑される(「TBS vs. 初音ミク」問題のように)ということもありますし。
またこれは個人的な感覚かもしれませんが、短時間で急にソーシャルブックマークのブクマ数が増えると「お、オレ何か悪いこと書いたかな」と怖くなるときがあります。コメントに「良い」「悪い」がはっきりと書かれている場合は別として、コメントもタグも付いていないブクマがダーッと増えていくと、これはどう解釈していいものか……と不安になったり。例えば newsing のように、蓄積された反応に○×という評価が込められていればまだ分かりやすいのですが(その結果「ネガティブな意見ばっかりだなー」ということが判明しても凹むけど)。
ということで、やっぱりブクマは怖い、あー怖い。あ、「まんじゅう怖い」メソッドじゃないですよ。いや本当に。
投稿情報: 11:48 カテゴリー: ウェブ・技術 | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
反応してる人が少ないようなので、ちょっとコメント。
■ お題に沿って一言どうぞ――“はてな俳句”はTwitter風 (1/2) (ITmedia News)
昨日公開された Twitter 風サービス「はてなハイク」について。僕も試してみましたが、お絵描き機能もあったりして、ほどよく遊べそうな予感。で、なるほどなーと思いながら ITmedia の記事を読んでいたのですが、2ページ目に奇襲攻撃が待っていました(※以下、引用した箇所の原文には強調はありません):
エンジニアが思いついたアイデアを形にして発表し、それがたまたまヒットする――という流れで大きくなったネットサービスは多い。「はてなダイアリー」もその1つ。だが、特にテキストサービスでは、「個人が一発アイデア勝負できる時代」は終わりつつあるという。
「休みの日に思いついたものを1日で開発し、リリースしたら流行する、という流れは枯れていく感じがする。iPhoneやWii――これはハードだが――のように、組織立ってきちんとモノづくりをしてきた会社が作ったものが評価される時代。他よりも明かにいいものをきちんと作り、共感を得ていく、というのが必要になってくると思う」
ここまでが近藤社長が実際に話した内容、をまとめたもの(のはず)ですね。で、以下が岡田有花さんのまとめ:
個人の力でサービスを作り、未完成の状態で公開。ネットの先進ユーザーと共同で形作っていく――はてなが先導してきた「Web2.0的」なものを、はてな自身が否定し始めている。より組織だった体制で、初心者にも使いやすい、質の高い物づくりを志向。サービスの将来を見すえながら、地味でも少しずつ改善していく。まるで「普通のメーカー」のように。
「WEB2.0的なもの」(この場合は「50%の完成度でサービスを出す」ということですが)をはてな自身が否定し始めている。このまとめがどこまで的を射ているかは分かりませんが、「休みの日に思いついたものを1日で開発し、リリースしたら流行する、という流れは枯れていく」と語られたのが本当であれば、個人の発想には頼らない体制をつくられる方針なのかもしれません。
「組織だった体制で、初心者にも使いやすい、質の高い物づくりを志向する」というのは確かに1つの方向性だと思います。しかしこれまで「はてな」という会社やサービスの雰囲気を支持してきたユーザーたち(はてなの場合は「コミュニティ」と呼んでもいいかもしれません)が存在しているわけで、この方向転換をどう受け止めるのかを気にしないわけにはいかないでしょう。以前「はてなダイヤリー」の話をしたときも書きましたが、既存のユーザーからの支持を保ったうえで初心者層に切り込んでいくというのは、「二兎を追う者は一兎をも……」という話にならないか心配です。
個人的には、「個人の一発アイデアで勝負できるかどうか」はどのユーザー層を狙うのか、最終的に何を求めるのかによって答えが変わると思っています。例えば同じく ITmedia の記事ですが、phaさんの例などは「個人の一発アイデアによるテキストサービス」の成功例ですよね。しかし一般大衆、と呼ばれる人々から利益を上げることで成り立っている大企業にしてみれば、こんなサービスと開発方法を到底受け入れることはできません。その意味で、今回の記事は「50%の完成度で世に出す時代の終わり」の予言というよりも、「はてなはより大きな市場を相手にする企業へと成長することを目指す」という宣言と捉えたほうがいいのかも。
……と書いてきたのですが、実は「はてなハイク」のお絵描き機能の実装、1日で行われたようです(笑):
■ はてなハイク お絵描き機能の話 (川o・-・)<2nd life)
さてさて、本日リリースされたはてなハイクですが、実は一昨日にはお絵描き機能がありませんでした。リリース日の前日の朝、id:jkondo がすっごくニコニコしながら(ニコニコしてるときは大抵なにかしてもらいたいときだ!騙されるな!)ねーねーと声をかけてきました。
「jkondo: シンプルなお絵描き機能があったら絶対面白いねん!実現出来ないかなぁ(ニコニコ)。」
突然!しかもリリースは明日ですよシャチョー!でもこんなシチュはエンジニアなら燃え(萌え)ますよね。Ruby など LL を弄ってる(今回はAS3だけど)と、出来るだけ短い期間でどれだけの物を作れるかというのは熱くなれる瞬間です。はてなは作ったら即座にサービスに反映してくれるので、自分の思想と合った物なら作るモチベーションもぐんぐん上がります。
ここだけ読むと、「ITmedia の記事ってなんだったの?」という感じですが。なので、どこまで「50%の完成度で世に出す」「休みの日に思いついたものを1日で開発し、リリースしたら流行する、という流れ」を否定しているのかは、実際のところよく分かりません。
投稿情報: 03:57 カテゴリー: ビジネスモデル | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (2)
ごめんなさい、そんな方法があったら僕が教えて欲しいぐらいです。実は最近、『なぜ、週4時間働くだけでお金持ちになれるのか?』(原題"The 4-Hour Workweek")という本が話題になったのをご存じでしょうか。特にシリコンバレーを中心に大人気だそうで、その裏側に何があるのかを探った記事がこちら:
■ Too Much Information? Ignore It (New York Times)
同書の著者である Timothy Ferriss 氏のバックグラウンドと、その主張が紹介されています。これについては、以下の記事でも日本語で詳しく紹介されていますので、興味のある方はこちらをチェックしてみて下さい:
■ 1週間に4時間しか働かない人の仕事術 (himazu blog)
■ The 4-Hour Workweek: 週4時間しか働かない仕事術 (1) (Lifehacking.jp)
要は「不要な仕事や情報収集をカットして、やるべきことだけをやれ」というのが Ferriss 氏の主張。その点について異論はないのですが、ではなぜこれほど話題になったのか、ポー・ブロンソンという方(Po Bronson、『シリコンバレーに行きたいか!』という本の著者)がこんな分析をされています:
Still, Mr. Bronson said he didn’t know anyone who had actually read it, much less abandoned a cubicle to study yabusame (horseback archery) in Japan, as Mr. Ferriss did last month. What has really turned heads is not the specific ideas, Mr. Bronson speculated, but its provocative title. In Silicon Valley, the promise of a lifestyle revolution — or hyperbole to that effect — will always find an audience.
“It’s not saying the ‘20-Hour Workweek,’” Mr. Bronson explained. “That would be something that lots of people can live. It’s 40 hours a week versus four. It’s very important in the tech world that consequences are exponential, not geometrical.”
それでも、ブロンソン氏はこの本(※『なぜ、週4時間働くだけでお金持ちになれるのか?』のこと)を実際に呼んだことのある人、ましてやオフィスを離れて(フェリス氏が先月したように)流鏑馬を研究しに日本へ行った人など知らないと言う。皆を振り向かせたのは個々のアイデアではなく、挑発的なタイトルなのではとブロンソン氏は考える。シリコンバレーでは、「ライフスタイルを変えますよ」などといった主張は常に観客を集めるものなのだ。
ブロンソン氏はこう説明する。「この本は『週20時間』とは言っていない。それならできる人は沢山いそうだ。同書は週40時間と、4時間を対比させている。このことは、幾何学ではなく指数関数的なルールで世界が動くテクノロジー業界にあっては重要なことだ。」
つまり「1時間や2時間の短縮ではなく、一気に10分の1にしてやろうという主張」が人々を引きつけた、というわけですね(このエントリのタイトルが「30分」ではなく「4時間」だったら、中身を読もうと思いましたか?)。また「生産性を上げる」という主張もシリコンバレーでは魅力的な誘惑のようです。実は New York Times の記事は、以下のような文章で始まっています:
AS one of Silicon Valley’s most respected entrepreneurs, Marc Andreessen is something of a connoisseur of what he calls “productivity porn,” or techniques to maximize personal productivity.
シリコンバレーで最も尊敬される起業家のひとり、マーク・アンドリーセン氏は、彼自身が「生産性ポルノ」と呼ぶもの鑑定家だ。「生産性ポルノ」とは、個人の生産性を最大化するテクニックのことである。
つまりポルノのように魅力的だと。この辺は、「ライフハック」的な記事が大流行の日本のIT業界周辺にも言えることかもしれません。
「不要な情報は制限しろ、しなくていい仕事は減らせ」というフェリス氏の主張に間違いはありません。しかしそれを持てはやしてしまう人々こそ、実は盲目的に「生産性を上げる」という情報に飛びついてしまう性格の持ち主なのかもしれませんね。フェリス氏の主張が実践できる人々は既にやっていて、できない人は「うんうん、そうだよなぁ……で、最新の仕事テクニックが他にないかな?」と探してしまっているのだったりして。
……というわけで、「今日の仕事を30分で片付けてしまう」本当の方法は、「仕事を早く片付けられる魔法の方法がありますよ」などという情報(=このエントリ)の誘惑に勝つことかもしれません。
投稿情報: 07:41 カテゴリー: 科学 | 個別ページ | コメント (2) | トラックバック (0)
この記事を読んで、ちょっと「Twitter 限界論」なんて言葉を想像してみたり:
■ Some Conversations have shifted to Twitter (Web Strategy by Jeremiah)
米国の調査会社、Forrester Research のアナリスト、Jeremiah Owyang さんのブログ。タイトル(「(ネット上での)会話の一部が、Twitter 上に移行した」という意味)の通り、「Twitter すごいよ!」という内容なのですが、どう凄いかというと:
とのこと。Twitter が最大のリファラーの1つ、っていうのは凄いですが(日本でもそんな人は当たり前なんでしょうか)、「ブログに出る前に Twitter 上に情報が流れる」「最終的にブログには出ない情報もある」という部分は、先日もご紹介した「ブログは死にゆく技術か?」を彷彿とさせます。
しかしそれよりも考えさせられたのは、「Twitter にはアーリーアダプターと、彼らを追いかけようとする人々が集っている」という部分。また Jeremiah さんはこうも述べています:
If you’re in the tech industry, and in marketing, you should be paying attention to what’s happening on twitter. There’s even search tools that can help you find discussions and memes. Also, if you’re trying to reach early adopters, these are tools for you. This really reminds me of the the whole blogging industry in 2005, it’s the same type of pros and cons –it’s just much smaller now.
テクノロジー業界やマーケティングに関連する仕事をしているなら、Twitter で起きていることに注意を払った方がいい。Twitter 内を検索するツールもあるし、アーリーアダプターに接触したければ、それをサポートするツールもある。この状況は、2005年のブログ業界を彷彿とさせる。同じような長所と短所が、いまはもっと小さいスケールで起きているだけだ。
つまりかつてブログで起きていたこと(アーリーアダプターがテクノロジー系のディスカッションを繰り広げる)が、Twitter でも起きているのだ、と。となると Twitter の価値というのは、「短いので書きやすい」「どこからでも書き込める」といった仕様の点に加え、「興味が似通っている人々が集っている」というコミュニティとしての面白さという点にもあるわけですね。好きな音楽を書き込んだら、皆が良いアーティストを紹介してくれて、それが嬉しい――などということは、ある程度ユーザーが同質でないと起きないことでしょう。
で、冒頭に戻るのですが、Twitter の価値の半分が「そこに集う人々」にあるのだとすれば、遅かれ早かれ「Twitter 限界論」が叫ばれるのかもしれません。つまり佐々木俊尚さんが「ブログ限界論」のイベント、また CNET のブログで指摘されていたように
ほんの二年ほど前までは、ブログの世界はおそらくとても小さかった。書いている側も、読んでいる側も、それぞれインターネットの先端的ユーザーで、ネットの世界の空気感を共有していた。つまりは同じ価値観という基盤の中で生きていて、他のブロガーたちに仲間意識を感じ、だからこそブロゴスフィアから派生したリアルの人間関係を培うこともてきたのだった。
ところがいまや、ブログの普及と拡散とともに、その共通の価値観は失われつつある。いや、失われてはいないのだが、その価値観を共有するコミュニティの規模をはるかに超える速度で、ブロゴスフィアは広がりつつある。
という状況が Twitter にも起きる可能性があるのでは、と思います(もちろん「日本では、Twitter 型のミニブログはまだまだ「普及」段階にすら入っていない」という議論はあるでしょうが)。
そうなったときに、アーリーアダプター周辺のコミュニティはどこへ行くのか。その時になってみないと分かりませんが、「最近 Twitter ってつまらないよねー」と感じ始めた人々を狙った、受け皿となるサービスを準備する/注意しておく価値はあるのかなと思います。
投稿情報: 05:38 カテゴリー: ウェブ・技術 | 個別ページ | コメント (4) | トラックバック (0)
あと10日ちょっとでクリスマス。ということで、そろそろプレゼントの準備を始める方もいらっしゃると思いますが、服やアクセサリー系を贈る場合に困るのが「相手のサイズ」。そんな時には、事前にこんなシートを相手に送っておくといいかも(via swissmiss):
■ New Christmas Cheat Sheets (Made in ENGLAND by Gentlemen)
服のサイズが簡単に書き入れられる「カンニングシート」。これをプレゼントを贈る相手に渡し、書き入れて返してもらうという仕組み。女性用と男性用があり、上の画像は女性用の内容です。
ご覧の通り、帽子や上着のサイズは「S/M/L/XL」にチェックを付ければOK、好きな色を選ぶコーナーもあります。身体のサイズを聞いておくよりも確実で、しかもササッと書き入れられますね。残念ながら「指輪のサイズ」という欄はないので、指輪を贈りたい!という方は頑張って相手から聞き出してみて下さい。
これはまったくオフラインなアイデアですが、オンライン化しても面白いかもしれませんね。アマゾンには「ウィッシュリスト」という機能があることをご存じだと思いますが、同じような発想で「服/アクセサリーのサイズ」をネットで公開しておき、自分の身体にピッタリのプレゼントをもらう……なんてことも普通になるのかも。SNS にクリスマスシーズン限定で、プロフィール欄に「服のサイズ」なんて入力項目が追加されるってのもありかなぁ、と思います。
投稿情報: 16:54 カテゴリー: デザイン/アート | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
日経パソコンオンラインに掲載されていた記事を見て、おやっと思いました:
■ サクラブロガーにならないために (日経パソコンオンライン)
裏で企業から見返りをもらってちょうちん記事を書く「サクラブロガー」に「間違われない」ための7箇条。「サクラブロガーにならない」ではなく「そう見られない」ためのアドバイスというのは面白いと思い、ちょっと読んでみたのですが、違和感を感じる部分がちらほらと。既にはてなブックマークで何人かの方が指摘されていますが、特に
1.とにかく実名とプロフィール
今後は実名でブログを書き、所属企業・団体や職歴などプロフィールもリンク付きで公開しているブロガーの情報が信頼される傾向が強まるだろう。それらが公開されていないと、関係団体もしくはライバル団体の成りすましか、サクラブロガーに見えるかもしれない。
という部分はどうなのでしょうか。
この話、ID:ululun さんも書かれているように、突き詰めれば「ネット上にある情報の信頼性は何で担保されるか」ということですよね。「実名」や「所属団体」といったものが「信頼担保力」を持つというのが日経の記事の主張なわけですが、それほど話は簡単ではないでしょう。実名で書いたって「なんかこの人、裏で企業から何かしれもらってるみたいだなぁ」と感じることがありますし。特に最近は、主要新聞やテレビ局、老舗料亭まで「偽装」を繰り返しているような状況ですから、実名や所属団体の開示はあまり効果はないのではないでしょうか。
僕は Polar Bear Blog ではニックネーム、シロクマ日報では実名でブログを書いていますが、両者の「信頼性」はそれほど差はないのではないか、と感じています(もっともそれを判断するのは読者の皆様なので、「違う!」と言われてしまうかもしれませんが)。それよりも、
とにかく、つつみ隠さず正直に話すこと
の方が「守るべきルール」だと感じています。ネタにした製品が無償提供されたものならばそれを明らかにし、謝礼を受けたならそれも明言する。そういって正直に話しているブロガーならば、極端な話、豪華な接待を受けて書いた記事でも「本音を語っている」と思われるのではないでしょうか。やっかみを受けることは避けられないでしょうが……。
「けど、正直に書いたからといって、すぐに信頼してもらえるわけじゃないでしょ」――仰るとおりです。しかし、信頼性なんて一朝一夕にできるものではないのではないでしょうか?「実名なら信頼してもらえる」などのように、即効性のあるアドバイスを探す方が間違いなのでは。その意味で、サクラブログに間違われたくなければ、正直な書き込みをコツコツと続けていくしかないと思います。
< 追記 >
来るべき一億総ブログ時代において、個人ブログは大切な名刺や履歴書代わりになる。即ち、個人としての“信用の証”にもなるのだ。
「一億総ブログ時代」なんてまだ言ってる人いたんだぁと思ったら、出展は<日経パソコン 2006年8月14日号>だったんですね。僕はこの記事に誘導されてたどり着いたのですが、ネット系の話題で1年以上前の記事を持ってくるというのも……どうなんでしょうか。
投稿情報: 10:59 カテゴリー: ウェブ・技術 | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
地図でおなじみのアルプス社から、簡単に略地図を作ることができるサービスが登場しました。その名も「ALPSLAB 略地図」です。
既にいくつかのニュースサイト(朝日新聞でまでも!)で報じられていますね。例えば ITmedia でも:
■ 出発地-目的地を「略地図」に ALPSLABに自動作成機能 (ITmedia News)
操作は簡単で、画面に表示される地図をひたすら道順に沿ってクリックしていくと、リアルタイムに略地図が作られていくというもの。以下が実際に使ってみたスクリーンショットです:
左側に表示されているのが元となる地図で、右側が作成された略地図。地図をクリックするたびに略地図も変化していき、見ているとなかなか面白いです。作成された略地図をダウンロードしたり、以下のように直接ブログなどに貼り付けることも可能:
文字のフォントがちゃんと手書き風になっているのが芸が細かい(笑)。いや、面白いだけでなく本当に実用的なサービスですよね。
しかし、ケチをつけるつもりは全くないのですが、ふと「ある機能」がないことが気になりました。それは目印/ランドマークを指定したり、追加する機能。例えば上の地図で、「コミュニティプラザ西」の交差点を右折するとこうなります:
最初の略地図では、「三鷹駅前」の交差点付近にマクドナルドや松屋があることが表示されていたのですが、次の略地図ではそれが消えてしまいます(なぜか「三平ストア」だけが残されているのが解せないのですが……)。幸い「三鷹駅前」交差点は特殊な形をしているので、間違うことは少ないのですが、「角にマクドナルドがある交差点だ」ということが分かった方が便利ですよね(ちなみにこのマクドナルドはただいま改装中です)。
また「コミュニティプラザ西」の交差点がどこかというのも、実際に道を歩いているときは分かりにくいでしょう(交差点の名前だけが記されている地図って歩きにくい、と感じたことはありませんか?)。実は「三鷹駅前」から「コミュニティプラザ西」までの間には大きな駐車場があり、それが目印になるのですが、上の略地図にはそれが示されません。つまり、ランドマークや目印になるものを「ユーザーが自分で指定/追加する機能」というものが必要なんじゃないかな、と感じた次第です。
考えてみると、「略地図に何を載せるか」「何を載せないか」というのは、極めて主観的な判断なわけですよね。まさか「横浜ランドマークタワー」付近の地図にランドマークタワーを載せない人はいないと思いますが、上の例で言えば、もしかしたら別の人は「駐車場じゃなくて、その向かい側にある不動産屋を目印にした方がいいだろう」と考えるかもしれません。それを機械的に判断し、万人を満足させるのは不可能ですから、やはりユーザーに選ばせる・追加させる機能が必要ではないでしょうか。
それに「目印を選択/追加する機能」があって、選択/追加された情報を共有できたら、「人々は何を目印に街をあるくのか」「いまこの場所にどんな目印があるのか」が分かって楽しいのではないでしょうか(もちろんウソを排除する仕組みが必要になりますが)。意外と「『三鷹駅前』交差点の角にある本屋には、いま「獅子舞ロボット」が店頭に飾られているので、それを目印にすると分かりやすい」なんて他では絶対に出てこないような情報が集まるかもしれません。
投稿情報: 07:55 カテゴリー: ウェブ・技術 | 個別ページ | コメント (4) | トラックバック (0)
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