例えば日本でも「ケータイ小説」の書き手は若い女性が中心になっていますが、アメリカでも「インターネットの女性化」、つまりネット上にあるコンテンツの担い手が女性中心になるという現象が進んでいるようです:
■ Sorry, Boys, This Is Our Domain (New York Times)
以前、米国内の10代の若者を対象とした調査で「ブログを書いているのは女性、ビデオを投稿しているのは男性が多い」という結果が出たということを紹介しました(こちらの記事)。上記の記事はそれを受けて書かれたもので、具体的に何が起きているのか?を追ったもの。10代の女の子に対するインタビューや、実際に開設されているサイトの紹介などを通じて、調査結果が示しているように"feminization of the Internet"(インターネットの女性化)が起きていることを描いています。
具体例その1。Nicole Dominguez という、フロリダ州の13歳の女の子が開設しているサイト:
■ Sodevious.net
自作のアイコンやボタン、絵文字などが掲載されているのに加え、HTML や CSS についてのヒント集(独学で学んだとのこと)などまであります。ちなみにこのドメインは、母親に買ってもらったのだとか。また Nicole は、「自分のサイトを持っているのはほとんど女の子で、男の子は少ないと思う」とコメントしています。
具体例その2。こちらは16歳と14歳の女の子が運営している雑誌風サイト:
■ Agirlsworld.com
内容はバレンタインデーや学校のことなど、本当に身の回りに近いことが中心。現在1,000人ほどの「記者」(女の子)がいて、定期的に記事を更新しているそうです。
記事はその後、「なぜ女性はコンテンツをつくりたがるのか」という話まで踏み込んでいるのですが、こちらはあえて触れないことにします。「女性論」「男性論」はいくらでもこじつけが可能なので(“女性脳”は文章作成能力に優れているのだ!とかね)、軽々しくは扱えない問題だと思うので。
ということで、理由はともあれ「10代の女の子がネット上のコンテンツ作成に積極的である」というのは事実なようです。日本ではその熱意が様々な理由でケータイに向けられているだけで、「ケータイ小説」や「プロフ」といった流行が同じ視点で捉えられるのではないでしょうか。この現象がそのまま続き、また現在10代の女性達がそのままコンテンツ作成に積極的なままであれば、インターネットの女性化というのも本格化してくるのかもしれません。もちろん局地的に、女性が強い分野・男性が強い分野というものは残るでしょうが。
うちにも小さな娘がいるのですが、彼女が高校生ぐらいになる頃には『SEVENTEEN』に「レンタルサーバはコレで決まりっ!(はぁと)」「JavaScript にチャレンジしたい!」みたいな特集が組まれていたりしてね。いや、『小学三年生』とかに「HTML入門」が載るのが先か……。
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