ご存知の通り SNS ブームが進行中ですが、海外ではどうなのでしょうか。ちょうど Springwise で面白い取り組みが紹介されていたので、ちょっとご紹介を。オランダの航空会社 KLM が、特化型のオンラインコミュニティサイトを立ち上げているそうです:
■ Airline's social networks connect frequent flyers (Springwise)
文中では「KLM がカスタマー・コミュニティをつくった最初の航空会社だよ」と紹介されていますが、ご存知の通り日本には「ANAフレンドパーク」がありますね。それはさておき、KLM がどんな取り組みをスタートさせたかというと:
- "KLM Club China" と "KLM Club Africa" の2サイトを設置。それぞれ中国、アフリカでビジネスを行う人々を対象にしている。
- 参加は招待制。
- メンバーになると、自分の専用ページが設けられ、プロフィール登録が可能。
- 特典1: 中国とアフリカという「これから発展する国々」でビジネスを行っている、同じような関心を持つ人々とコンタクトが取れる。
- 特典2: スケジュールが登録できる「カレンダー」機能がある。書き込まれた情報は他のユーザーと共有され(※恐らく匿名で)、「いま誰が中国/アフリカに来ているか、どこにいるか」を把握することができる。
- 特典3: 年に数回、KLM 主催のネットワーキング・イベント(要はオフ会)が開催される。
- 特典4: ビジネスに役立つ情報が得られる。
- 特典5: クラブ会員専用ダイヤルが設けられ、通訳、ホテル、会議場などの手配をしてくれる。
- さらに"Flying Blue Golf Club"というゴルファーを対象としたコミュニティサイトもオープン。他のメンバーと知り合ってプレーの手配をしたり、メンバーの誰がどこでゴルフをプレーするのかチェックしたり、オフラインイベントに参加できたりなど同様の特典を用意している。
ちなみに Club China が立ち上がったのは2006年6月で、既に3,000名を超すメンバーが登録しているとのこと。
ANAフレンドパークと異なり、ビジネスマン/ゴルファーを対象とした完全な特化型コミュニティとなっています。この辺は、KLM がこれらの人々を収入源として重視していることの現われなのかもしれません。もしくは目的を特化させることによって、提供するサービスの質向上、ユーザーのログイン頻度の向上を狙ったというところでしょうか。いずれにしても、ANA とは異なる方向性を取った点に興味を引かれます。
またビジネスパーソン/ゴルファーのコミュニティという性質に、"KLM"というブランドがどう影響しているかという点にも注目すべきかもしれませんね。悪い意味ではなく、仮に Mixi が「Mixi クラブ・チャイナ」や「オレンジゴルフクラブ」という特化型サイトを立ち上げても、ユーザーを集めるのは難しいのではないかと思います。「KLMオランダ航空が主催する、ビジネスマン限定会員制オンラインクラブ」というだけで、参加したいと思う人々は多いのではないでしょうか。
以前から KLM は、「カスタマイズ可能な荷物タグ」を用意するなど、面白いWEBへの取り組みを行っていますね。最近何かと不調が伝えられる JAL も、いっそのことこっちの方向へ振り切ってしまったりすると面白いのですが。
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