社内ブログに社内SNS、社内 Wiki に社内 Twitter がある時代ですから、情報機関の中に「スパイ用SNS」があってもおかしくはないのかもしれません。
■ CIA, FBI push 'Facebook for spies' (CNN)
CIA・FBI・NSA など、米国内の16の情報(諜報)機関を対象にしたSNS"A-Space"が存在する、というニュース以前もCIA内には「CIA版ウィキペディア"Intellipedia"がある」という話がありましたが、この A-Space は Facebook と YouTube を足したようなサイトだそうです。また現在リニューアル中で、9月22日に新しいサイトがオープン予定とのこと。
Instead of posting thoughts about the new Avenged Sevenfold album or Jessica Alba movie, CIA analysts could use A-Space to share information and opinion about al Qaeda movements in the Middle East or Russian naval maneuvers in the Black Sea.
Avenged Sevenfold の新しいアルバムや、Jessica Alba の映画についての感想を投稿する代わりに、CIAのアナリストは A-Space を通じて、中東におけるアルカイダの動向や、ロシア海軍の黒海での動きなどに関して、情報や意見を交換することができる。
(中略)
"It's a place where not only spies can meet but share data they've never been able to share before," Wertheimer said. "This is going to give them for the first time a chance to think out loud, think in public amongst their peers, under the protection of an A-Space umbrella."
Wertheimer 氏は「(A-Space は)単にスパイの出会いの場ではなく、これまでシェアできなかった情報を交換するための場でもある」と述べた。「A-Space という保護された場の中で、情報機関関係者は初めて、公の場で同僚と意見を交わすことが可能になった。」
とのこと。しかも通常のSNS同様、「友だち登録」も可能だそうで、ちょっと実物を見てみたいかも。また利用状況については、こんなコメントが紹介されています:
Even though Facebook, MySpace and other social-networking sites that inspired A-Space are predominantly the domain of young people, there apparently is no such generational divide on A-Space.
"We have found that participation in A-Space crosses every conceivable age line and experience line. People are excited, no matter what age group," Wertheimer said.
A-Space は Facebook や MySpace といったSNSサイトにインスパイアされて生まれたものだが、そうしたサイトにある世代間の格差(ユーザーのほとんどが若者という状況)は A-Space には見られない。
「世代や勤続年数の差を超えて、様々な職員が A-Space に参加してきている。どの世代のユーザーも楽しんでいる」と Wertheimer 氏は述べた。
ということで、下手をすると一般的な企業よりも活用が進んでいるのかも?といった感じです。
実際、CIA版ウィキペディアの際もそうでしたが、「情報が厳しく管理されなければならない情報機関の中でも、セキュリティに抵触しない形で情報を流通させ、効果を上げる」ことが可能なわけですよね。「社内SNSなんてやったら、機密情報が外部にダダ漏れになる!」などと言って反対する上層部に対しては、ツールが問題なのではない、ということを示す格好の事例かもしれません。
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