しつこくて恐縮ですが、「世界情報通信サミット2006」ネタ。午前中のセッションを聞いて感じたことなど、箇条書きに。
- 会場は無線LANがあるのはいいんだけど、電源がないのはイタイ。そりゃ全員分電源用意しろ、っていうのは無理な話だけど、「会場にいる 人々とも、掲示板を使ってコミュニケーション!」みたいな姿勢を打ち出しているなら、少しは電源がある席も用意して欲しかった。ちなみにうちのX41様は 午前中でダウン寸前(つけっ放しにしていたので・・・)。
- 同じく「会場にいる人々とも、掲示板を使ってコミュニケーション!」みたいな姿勢を打ち出しているなら、もう少し掲示板に書かれた内容に反応して欲しかった。イメージ的には、セマンティックWEBコンファレンス2006の参加型パネルディスカッションのような感じを想像していたんだけど。午後のセッションに期待。
- 開会の挨拶後、猪口邦子・内閣府特命担当大臣(少子化・男女共同参画)が講演。急遽予定が組まれたとのこと。デジタルワーク技術が「3つのE (Emporment、Equality、Enrichment of Life)」を向上させる、との内容でしたが、2つ目の"E"(Equality)には疑問符。むしろIT技術が使える環境になかったり、ITスキルがな い人はどんどん取り残される社会になるのでは?政府は技術やコンテンツの推進ばかりでなく、情報弱者の推進という点にももう少し目を向けた方がいいと思 う。
- Thomas Malone教授の講演。内容は『フューチャー・オブ・ワーク』のまとめ版と言った感じで、本を読んでた人にとっては新しい話は1割ぐらい(事例紹介とか、日本社会に当てはめた話とか)。けど次のサイトの紹介映像は面白かった:
www.cinematrix.com
- 平野雅章さん(早稲田大学教授)の話。IT投資額と収益の関係には、IT技術を使いこなすための「組織IQ」という要素も絡んでいるとのこと(投資額が少ないか普通までは、組織IQの有無はさほど影響しないが、投資額が大きくなると組織IQの有無が収益の大きな差となって現れる)。よく考えると当然の話なんだけど、「軽自動車とF1のたとえ話」(以下参照)が面白かった。
- 例えば軽自動車があって、これを主婦とF1ドライバーのどちらが運転しても大きな差はないけど、F1マシーンを運転するとなると大きな差が生じる。主婦は事故って大ケガをするだろうけど、F1ドライバーは素晴らしいスピードを出すことができるだろう。
- SFCの 國領さんが「コミュニケーションには制約条件があった方が上手く行く場合があるのでは」と問題提起されていた。確かに制約条件を入れることによって、逆にCost of Communicationが下がる場合があると思う。
- 同じくSFCの 國領さんが、mixiとGREEを例に挙げて「コミュニケーションの仕組みがコミュニケーションの形を左右する」というような発言をされていた。コミュニケーションの姿が、それにピッタリする仕組みを選ぶのか(つまりmixiの方がユーザーが多いのはそれが自然なコミュニケーションの姿に近い仕組みだからなのか)、それともコミュニケーションの仕組みがコミュニケーションの姿を変えるのか(mixi参加者は知らず知らずのうちに「mixiが規定したコミュニケーションの形」に自らを近づけていっているのか)、考えてみると面白いかも。
- De-centralized organizationがよりinnovationを生む、というマローン教授の話に対して、東芝の人(パネラー)が「ヒッペルの『民主化するイノベーションの時代』も同じような話なのでは?」と関連付けていた。けどマローン教授は「Cost of Communicationの低下がDe-centralized organizationを可能とし、その組織化では働く人のモチベーションやコミットメントが上がる」という説明なわけで、それに大して『民主化する~』は粘着度の高い情報(=リードユーザーに密着した情報)のCost of Communicationの高さから、その情報を企業内部に移行することを放棄し、ユーザー側でのイノベーションに期待するという内容だから、何か対立する概念を含んでいるように思う。この辺は自分自身で整理できてないので、混乱しているだけかも。
時間が20分ほどオーバーしたため、休憩時間は40分だけ。もうすぐ午後のセッション開始です。
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