今日の日経MJ経由。イギリスでユニークなネット通販サイトが登場したとのこと。例えて言うならば、「価格比較サイト+ネットスーパー」というイメージです:
■ eコマース最新事情 英国発 -- 食品スーパーの価格比較サイト 賢い買物法も指南 (日経流通新聞 2006年11月15日 第9面)
紹介されているのは MySupermarket というサイト。イギリスにある大手スーパーの TESCO(テスコ)、Sainsbury's(セインズベリー)、Ocado(オカド、百貨店系スーパーであるウェイトローズのネット販売事業)、ASDA(アズダ、ウォルマート系列)の4社の価格を比較、さらにその場で買物ができるというサービスです。
流れはこんな感じ。まずは自分の居住地区を示すために郵便番号を入力し、上記4社の中から1社を選びます。するとこんな感じで商品が並べられた画面が表示されて、買物スタート(ここでは仮に TESCO を選択しています):
画面を見ていただければ分かると思いますが、「○個買えば○○円」のような条件付き価格が赤字で目立つように表示されています。さらに現在の合計価格が画面右上に表示されているのですが、TESCO で買物した場合の金額だけでなく、他の3社で同じ買物をした場合の合計額まで分かるようになっています。上の画面だと、TESCO よりも ASDA の方が安いという結果が出ていますね。
さらにチェックアウトの際、他の店舗で買物した場合との比較が表示されます:
この場合、本当は一番安いのは ASDA で買物した場合なのですが、画面右下に表示されているように ASDA が営業時間外のため利用できません。2番目に安いのが TESCO なので、3番目の ocado との比較が行われています。これなら「他のお店で買った方が安かった!」なんて見落としてしまうことはありませんね。
さらに上の画面、TESCO の方の欄に「さらに2ポンド安くなるよ」というメッセージがあります。これは選んだ品物に近い品物を選ぶと、さらに安くなる可能性があることを示していて、「チェックする」をクリックすると以下のような画面が表示されます:
これは実際にスーパーで買物する感覚に近いのではないでしょうか。「いつも買っているブランドがあるんだけど、今日はこっちの方が安いから違うのを選ぼうか」といった具合ですよね。こうやってシステムが「他のお店で買う方が安くならないか」「別のものを選んだ方が安くならないか」をチェックしてくれるので、お得な買い方があることを見逃すことがなくなるわけです。
いやー、これは便利。個人的にこんなサービスが日本にも登場して欲しいと感じたのですが、イギリスでも同じ反応のようで、サイト開設後5日間で約12万人が利用したそうです。
意外なことに、比較の対象となったスーパー4社はこのサイトを歓迎する姿勢を示しているのだとか。MySupermarket 自体が得ているのは広告収入のみで、ポータルサイトとしての機能に徹しているところにも理由がありそうですが、「価格比較ならば他社に負けない」という自信があるのでしょうか。
価格比較サイトは珍しくなくなりましたが、MySupermarket のように「この内容ならこっちの方が安い」「これを選べばもっと安くなる」といった機能を加えるなど、進化の「のりしろ」はまだまだ残されているのかもしれませんね。日本でもいずれ同じサービスが誕生すると思いますが、どんな企業が主導権を握ることやら。
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