「データを使うな!」と言われた上に「パワポも使うな!」と言われたらどうすりゃいいんだ?という感じですが。以前「邪悪なパワーポイント」というエントリを書きましたが、同じくパワポの有害性を指摘した研究結果があったのでちょっとご紹介を。パワポを見せてしまうと、逆に聴衆の理解を妨げる恐れがあるとのこと:
■ Research points the finger at PowerPoint (smh.com.au)
information aesthetics で紹介されていた記事。かいつまんで説明すると、以下の通りとなります:
- ニューサウスウェールズ大学の研究によると、人間の脳は口頭もしくは文章のどちらか一方「のみ」で情報を与えられた方が、より多くの処理が行える。口頭+文章を同時に与えられると、脳の処理能力をオーバーしてしまう。
- 従って音読は効率が悪い。黙って読む方が長い文章を理解・記憶できる。
- ただし図表を使うのはOK。情報が別の姿で与えられるため。
- プレゼンテーションにおけるパワポの使われ方は最悪。やめるべきだ。
こんな感じ。記事では「この研究結果がパワーポイントの死刑宣告となるかもしれない」などと過激なことが書いてありますが、図表を使うのは良いようですし、結局は使い方次第ということでしょう。
ただ確かに、スクリーンに投影されたパワポに長ったらしい文章が書いてあると、やたら眠くなる時がありますよね。さらに手元に資料なんかあった日には、気づいたらそれを読むのに集中していて、発表者の話の流れを追えなくなっていたり(で、もういいやと思って寝てしまう、と)。経験則で「プレゼン前には資料を配布しない」という方は多いと思いますが、脳医学的にも、長い文章が書かれた資料は発表前・発表中に見せるべきではないというわけですね。
一方で、口だけでプレゼンするというのも勇気が要ります。話が上手くない人が文章ゼロのプレゼン資料を作ったら、それこそ目もあてられないでしょう。脳の処理能力をオーバーしないように、要点だけを短い文章でまとめておくというのが、スティーブ・ジョブス以外の人々に対するアドバイスになりそうです。
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