「ストックホルム症候群」といえば、犯罪の被害者が、加害者に共感してしまうという特殊な心理状態のことを指す言葉ですよね。そのストックホルム症候群に似た心理状態が、iPhone ユーザーにも認められるのではないか?という調査結果が発表されたとのこと:
■ iPhone users suffering 'Stockholm Syndrome', analyst firm reckons (9 to 5 Mac)
Strand Consulting という会社が発表したレポートのようですが、残念ながらサイトがダウンしており、元のレポートを読むことができませんでした。ということで孫引きになってしまうのですが、ちょっと引用しておくと:
The full research claims Apple and iPhone users are devoting huge amounts of energy “defending” the product, “despite the shortcomings and limitations of both past and present versions of the iPhone.”
They concede: “Apple has launched a beautiful phone with a fantastic user interface that has had a number of technological shortcomings that many iPhone users have accepted and defended, despite those shortcomings resulting in limitations in iPhone users’ daily lives.
調査結果によれば、Apple 社と iPhone ユーザーは「iPhone には様々な不具合や限界があった、そして現在も残されているにも関わらず」、大量のエネルギーを「iPhone を擁護する」ことに費やしているとのことである。
さらに調査はこう結論を下している。「Apple 社は素晴らしいユーザーインターフェースを有する、美しい携帯電話を世に送り出した。しかし iPhone は無数の技術的不具合を有する製品であり、日常生活において様々な制約となって現れるにも関わらず、多くの iPhone ユーザーはそれを受け入れ、擁護してきた。」
とのこと。なんとなくですが、本当の意味で心理学的なアプローチから「ストックホルム症候群」を引き合いに出したのではなく、「不具合があるのにそれを認めず、逆に擁護してしまう」という態度を表すラベルとして持ち出してみた、という感じかもしれません。と否定的な態度を取ってしまうのは、僕自身が「iPhone ストックホルム症候群」にかかっているから?
とはいえ、本当にストックホルム症候群的な心理状態に陥っているとしても、それはそれで企業にとって究極の夢かもしれません。よく「アルファロメオのオーナーは、故障してもそれを『個性』として愛してしまう」などと言われますが、それと同じような状態でしょう。トラブルが起きても、それを良い方向で昇華してくれるのですから、これほど有り難いことはありませんよね。
ということで、このレポート自体が肯定されようと否定されようと、何が「ストックホルム症候群」的な心理状態を生み出すのかという点を次に研究して欲しいところ。「むしろ他人から否定される方が擁護の気持ちを生み、それが愛につながる」という「かけおち症候群」が次に引き合いに出されたりして。
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