ぐずぐずしていたら先週の日曜日(1月24日)の話になってしまったのですが、朝日新聞の書評欄に、『もういちど読む山川日本史』が紹介されていました。『もういちど読む山川世界史』と合わせて売れているらしい……という話は聞いていたのですが、面白いと思ったのは以下の部分:
最も驚いたのは、犬好きが高じて暴走したと教えられていた徳川綱吉の「生類憐れみの令」。法の対象は動物だけでなく人間の社会的な弱者にも及んでいたため、殺伐とした戦国の遺風を儒教・仏教により払拭することを政治に反映させようとした政策と、見直されているという。今日のセイフティーネット政策か。綱吉のイメージががらりと変わる。
なるほど、「生類憐れみの令」にはそんな評価も出てきているのですか。「セーフティーネット」というか、福祉政策というか、弱者対策としての側面を見て取ることができるようです。歴史の再解釈が進むというのは珍しい話ではありませんが、この場合は特に、現代の状況がそういう要素への注目を促しているという面もあるのでしょう。
ということで、歴史の勉強とは年号と出来事を覚えて1回で終わらせるものではなく、いまの視点から何度も見返し、繰り返さなければならないものなのでしょうね。そしてその度に新しい解釈と教訓が手に入る――歴史の授業で教えなければならないのは、本当はそんな面なのかもしれません。
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