例えば僕がこのブログで「羽賀研二って若いころ苦労したんだねー」みたいなエントリを書き出したら、裏にこんな事情があるのかもしれません:
■ Calling In Pros to Refine Your Google Image (washingtonpost.com)
ネット上での悪評を「どうにかして」解決してくれるサービスについて。メインで紹介されている企業の1つは ReputationDefender という会社で、こちらは既にサイボウズラボ秋元さんのブログや、ITpro などで紹介されていたりします:
■ ネット上に流れた失言や悪評を探して削除要請してくれるサービス(秋元@サイボウズラボ・プログラマー・ブログ)
■ 米国で話題の“ネットの削除人”,失言・失態・都合の悪い過去も抹消できる?(小林雅一の世界最新ITウォッチ)
発想としては「確かにそんなサービスの需要はありそうだな」という感じで、秋元さんも仰っているように「以前から類似サービスがありそう」という印象も受けるのですが、Washington Post の記事によればこの種のサービスは一種の「産業」と呼べるほどに成長しつつあるのだそうです(ちなみに同記事が付けている産業名は「オンライン・アイデンティティ・マネジメント」)。
で、先ほど悪評を「どうにかして解決する」と書いたのは、この業界が単に「都合の悪い書き込みを探し出して削除させる」という以外の手段も講じるようになってきているため。それが「検索エンジン上で自分に都合の良い記事を上位に表示させる」というもので、以下のような事例が紹介されています:
- International Reputation Management (IRM) という会社では、Google の検索結果100位までについて調査し、それぞれ良い・悪い・中立に分類。良い記事にページランクの高いサイトからリンクを貼って、表示順位を上げるというSEOを実施。
- ReputationDefender のプレミアムサービス($10,000)でも同様の作業をしてくれる。こちらの事例では、依頼主自身のサイトの表示順位を上げるSEOも実施している。
- 別の会社(名前は不明)では、ページランクが高くなるような新サイト・新ブログを立ち上げ、そこから依頼主のサイトへとリンクを貼るというサービスを実施。
- ちなみにこうしたSEOが行われていることについて、Google の担当者は「スパム的な手法が用いられるのであれば、何らかの行動を取る」とコメント。
確かに検索エンジンの上位結果を独占してしまえば、よく言われるように「Google で検索できないものは存在しないのと一緒」になるわけですからね。Google の担当者は(当然ながら)あまり良い感情を抱いていないようですが、通常のSEOと同様にいたちごっこになることでしょう。しかし ReputationDefender のプレミアムサービスは100万円ですか。いいお金になるなぁ(通常のSEO費用からすれば安いのかもしれないけど、継続する必要はない訳ですし)。
僕だったら某 PayPerPost のように、ブロガーを(秘密裏に)組織化して依頼主を肯定するような記事を書かせる、あるいは依頼主のサイトへリンクを貼らせるみたいなサービスをつくるかも(冒頭の羽賀研二事例のように)……我ながら悪だなぁ。というわけで羽賀研二さん、まだ有罪確定したわけじゃないですが、刑期を終えて出所したあかつきには僕にご連絡下さい。1回10万円で名誉回復エントリを書いて、オフィシャルサイトへリンクいたします。
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