Let's stop using the buzzword "Web 2.0" because...
- It has no clear-cut definition.
- It blinds people to all imperfections.
- It inflates people's expectation to an unrealistic level.
- It excuses "never-ending beta".
- It will be a company's name in Japan!
「ポイントを箇条書きにしたブログは読まれやすい」らしいので、Web 2.0という言葉を使わない方が良い理由を書き出してみました(ちなみにタイトルを刺激的にするというのも記事へのアクセスを増やすテクニックなのだそう)。
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1. 定義があいまい
O'Reilly論文などで定義らしいものを定める試みがなされているものの、Web 2.0にはまだ明確な定義はありません。"Web 2.0 meme map"を見れば、それが複数の概念を包括する「メタ概念」のようなものだということが分かるでしょう。その意味で「何がWeb 2.0の範疇にあって、何がそうではないか」はいま検討されていることであり、サイボウズの安田さんの言うように(関連記事:経営企画室調査日報「Web 2.0 は誰を幸せにするのか?」)、明確な定義を行うことが難しい概念なのでしょう。であればこそ、誤解を招きやすい言葉はなるべく使わない方が良いのではないでしょうか。
2. 個々のサービスの短所を隠す
日経ビジネスの11月14日号に、「産学連携ベンチャー」の名の下に、十分な精査もされずに多額の税金が「大学発ベンチャー」につぎ込まれている現状がレポートされています。Web 2.0も同様に、ある種の「錦の御旗」になってしまわないでしょうか。Web 2.0に対するアンチテーゼである「Bubble 2.0」という言葉は、かつて「ドットコム企業」というだけで資金が投入されたインターネットバブルに対する反省から生まれた言葉であり、Web 2.0が理不尽な行動を促す危険性を持った言葉であることを示していると思います。
3. 人々の期待を過剰に煽る
投資家の感覚と同時に、Web 2.0はユーザーの感覚まで鈍らせる危険性があります。人々を新しいパラダイムへと導く象徴という、一種のエバンジェリストの役割を担う言葉であることは分かります。しかし、例えば「集合知」は過激な意見を生む可能性がある仕組みであるにもかかわらず、常に叡智をもたらすかのような扱いがされています。「集合知」が実現されるサービスが普及して、それが予想していなかったネガティブな影響をもたらしたとき、人々は大きく失望することでしょう。それを防ぐには、Web 2.0という包括的な言葉を使うのではなく、それが含む個々の概念を個別に議論することが必要だと思います。
4. 「ベータテスト」の言い訳になっている
いまや「Web 2.0=ベータテスト」のような図式が出来上がっています。O'Reilly論文でもベータテストを肯定する向きがありますし、これは今後も続く傾向でしょう。確かにベータテストは、開発中に明らかにできなかったユーザーニーズを把握することができるという利点があります。開発者の勝手な思い込みに頼るのではなく、ユーザーに聞いてしまうというのはある意味懸命な姿勢かもしれません。
しかし「ベータテストだから中途半端でいいんだ」というような甘えが感じられる時があります。Mission-criticalな基幹アプリケーションの現場に携わっていた経験がそう感じさせるのかもしれませんが、大切な「顧客」であるユーザー対してリリースするバージョンには、一定の品質が求められてしかるべきではないでしょうか。さもなくば、ユーザーはフィードバックを返してくれるどころか、さっさといなくなってしまうでしょう。
5. "Web 2.0"は会社名になる
そうです、「株式会社WEB2.0」が設立されたら(関連記事:株式会社WEB2.0の正体は?)、この言葉は登録商標となって勝手に使えなくなるのです(たぶん)!
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かくいう自分もブログのサブタイトルに「Web 2.0」を使っているわけですが。それはこのブログがどんなトピックを扱っているかを示す象徴として、この言葉が短くて使いやすいからです。その意味で、唯一「Web 2.0」という言葉が果たしている役割としては、一種のイコンとして議論の核となるという点があると思います。従って、今後も賛成派・反対派の両方から使い続けられるのでしょう。
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