「はてなブックマーク」を使っていた人なら、とっくの昔に気付いていたであろうこと&既に誰かが指摘しているであろうことを1つ。
これまでdel.icio.usをソーシャルブックマークとして主に使っていたのですが、「はてなブックマークをもっと理解しよう」ということで、最近は積極的にはてブでブックマークするようにしてます。で、最近自分の行動が変わったことに気付きました。それはWEB上で面白い記事を見つけたとき、その記事をどの程度皆が知っていて、どんな感想を持っているかを確認するために「はてブ」を使うようになっている、ということ。
どういうことかというと、例えば僕が"TechCrunch"で何か面白い記事を見つけたとして、それをブックマークしようとしたとしましょう。del.icio.usのブックマークレットを使った場合、以下のような画面が表示されます(クリックで拡大):
"popular tags"を見れば、同じ記事を既に他人がブックマークしているかどうかだけは分かります。しかしブックマークしているユーザーの数と、ブックマークに付けられたコメントを確認するためには、ブックマークした上で再度自分のページにアクセスしなければなりません。一方、「はてブ」のブックマークレットを使うと、登録画面は以下のようになります:
お分かりの通り、既にブックマークしているユーザーの数を簡単に確認することができます。そして彼らのコメントを知りたければ、"3 users"の文字をクリックするだけで、詳細画面に飛んで確認することができるわけです:
ブログの記事であれば、他人の感想はコメント欄を見れば分かります。しかしコメント欄に書き込まなくても、その記事を面白かったと感じた人は当然いるはずで、そういった「隠れた評価」がはてブを確認することで分かります(もちろん「はてブコミュニティの感想=世論」ではありませんが、傾向を把握することはできます)。またコメント欄の無い普通のサイトであっても、はてブが一種の「裏掲示板」のような役目を果たし、他人の感想を確認することができます。
ちなみに以下のリンク先では、ご存知「Yahoo! Japan」のはてブに付けられたコメントを確認できます:
これなどを見ると、極端な話、はてなブックマークが1つの巨大コメント機能として使われていると言っても良いのではないでしょうか。もちろん、繰り返しになりますが、「はてな」のユーザー構成は一般社会の構成とは異なります。従って「世論」などというものを把握することはできませんが、既に多くのアクティブユーザーがいるコミュニティであることは確かであり、1つの傾向を掴むには十分役に立ってくれます。
「はてブ」が汎用コメント機能として使われている、というのが正しかったとすると(あるいはこれからそんな使い方が増えるとすると)、企業にとては困った事態になるのではないでしょうか。「コメント機能をオープンにすると、どんなコメントが付くか分からなくて恐い」という理由でビジネスブログですらコメントをオープンにしない場合がありますが、既にどんなサイトにも実は「裏コメント機能」が用意されているわけです。しかもアンダーグラウンドですから、誹謗・中傷コメントにも企業が表立って反論するわけにもいきません(それ以前に普通のコメント機能ではないですから、何度もコメントを投稿することはできません)。「表」でコメント機能を用意するよりも、もっとやっかいな状況でしょう。
いっそのこと、すべての企業サイトにはコメント機能を付けて、少しでも議論が「表」で行われるように誘導した方が良いのかもしれません。もちろんそんなことは不可能ですが、少なくともプレスリリースなど新しい行動を発表する場では、サイト閲覧者が自由に議論を行える機能を追加しておいた方が有利だと思います。当然、対応には時間と労力、コストがかかります。しかしその努力をしないことは、「言いたいことは言ったから、後はどこで何を議論してくれてもかまわない」という「言いっぱなし」の姿勢と取られても仕方がないのではないでしょうか。「はてブ」が汎用コメント機能としてこのまま普及するかどうかは分かりませんが、企業が用意しなければ、人々は自分達で議論する場を勝手に設置することを続けて行くと思います。
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