先週の話なのですが、日経新聞の朝刊に「サイズの法則」という3連載の記事が載っていました。「サイズ」という側面から商品開発を考えた興味深い記事だったのですが、その第3回(下)にこんな内容が出てきます:
■ サイズの法則(下) 定番の狭間に宝の山--発想転換で適量発見(日本経済新聞 2006年4月6日朝刊 第11面)
3月末、ファミリーマートに1パック1個だけのサンドイッチ「たまごin玉子」(130円)と「トマト&サラダ」(150円)が登場した。通常は2個か3個入りで230円前後だから、半分以下のサイズの新商品は若干割高といえる。それでも売り切れの店が続出している
想定したのは「席朝族」だ。コンビニエンスストアで朝食を買い、始業前にオフィスの机で朝食をとる。時間が限られ「量は軽めでいい」。そんな需要に応えた。従来の1パックでは足りないけれど、2パックでは多すぎる、という女性が「追加の1枚」として買うケースも多い。
ちなみにこの「ワンピースサンドイッチ」の詳細はこちら:
記事ではこの他にも、夫婦二人でちょうどいいサイズのワイン、11号と13号の中間サイズの婦人服、手のひらサイズで持ち運び可能なプロジェクターなどといった例が紹介されています。「消費者のニーズに応える」という部分では、基本的な商品開発の成功例に過ぎないのですが、「サイズ」という視点から考えれば様々な可能性が生まれることを示唆した記事だと思います。
確かにサンドイッチにせよ、ワインにせよ、出されてみれば「そうそう、こんなサイズがあると便利だよね」と思うのですが、それが今まで実現されていなかったということは、それだけ消費者のニーズを掴むことが難しい・把握していても対応が難しい/採算に合わないなどの理由で無視されているということでしょう。であれば、「サイズ」を切り口として、改めて自社製品/サービスのラインナップを考え直してみるというのは有効だと思います。
例えば、普段スクリーンいっぱいに広げて使うことを想定しているメールクライアンドやRSSリーダー。しかし「サイドバー」という概念が普及し、デスクトップの右あるいは左側が常に確保されている時代では、少し小さいサイズで表示されても使いやすいようなレイアウトに工夫されるべきでしょう。または自らサイドバーに入り込み、狭いサイズで表示されても使えるデザインにすることも考えられます。逆に視力が弱い人でも間違えずに操作できるように、ボタンやメニュー表示を大きくしたソフトなどという発想もありだと思います。ソフトウェアは特に「サイズ」を簡単に変更できますから、様々な実験・冒険が試されても良いですよね。
そういえば先日、百式さんで「デュアルディスプレイ専用壁紙」なんてのも紹介されていました:
■ 習慣の変化(百式)
ソフトウェアにも"Size does matter"の時代がやってくる?
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