最近は色や形容詞で製品・音楽・画像などを探せるサービスが次々と登場してきていますが、我らが日立製作所も負けてはいません。今朝の日経産業新聞から、日立が音楽や映像コンテンツを魚に見立てて検索する技術を開発したとのこと:
■ 音楽など魚にみたてて検索 -- 日立、ソフト開発 -- 「海中」画面、直感的に操作 テレビやPC 接続(日経産業新聞 2006年7月13日 第10面)
残念ながらWEB上に関連記事が見つからなかったので、言葉だけで説明できるか難しいのですが、以下のような技術です:
- 各種記憶装置に保存した音楽や映像のコンテンツを簡単に選んで再生するための操作ソフト。
- まず画面には、既に取り込まれているコンテンツ(映像や音楽など)が魚のように「泳いで」いる。魚の表面には、CDのジャケットなどの画像が映っている。
- そこに「ジャズ(ジャンル)」「70's(年代)」「プレスリー(歌手名)」などの「えさ(検索条件)」を撒くと、瞬時に該当するコンテンツが集まってくる。
- 気に入ったコンテンツを見つけたら、捕まえて中央に表示されている「いけす」に放り込む。
- いけすに取り込んだコンテンツを再生すると、音楽であればジャケット画像がいけす中央に表示される。
とこんな感じ。開発担当者は「画面を使って簡単に探せるようにした」と語っているそうですが、正直これでどこまで簡単と感じられるかどうかは未知数でしょう(逆に「使いづらい」と感じる人もいるかも)。むしろこの技術は、遊び心を持った検索インターフェースとして位置づけた方が良いように感じます。
検索技術は日進月歩で、より直感的・感覚的、あるいは高精度・効率的な技術が生まれてきています。しかし検索を「旅」として捉え、目的地(見つけたいコンテンツ)に効率的に到達することを考えるだけでなく、目的地に向かう道中をも楽しむという発想があっても良いのではないでしょうか。ふと途中下車した街で素敵なものに出会えた、という経験が、検索という作業の中でも体験できるかもしれません。
その意味で、今回の日立製作所が開発した技術は一考に価すると思います。僕ならいっそのこと、各ジャンルや年代のコンテンツに性格づけ(1980年代のプリンスはなぜか突拍子もない行動をしているとか)して、変化に富んだ広い海の中をコンテンツを観察しながら移動するようなインターフェースにしてしまいますが。
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