この Polar Bear Blog にもアジャイルメディア・ネットワーク(AMN)の広告が掲載されているわけですが、画面最上部にあるラージバナーはやっぱり目立ちますよね。これを見ていると「広告の効果は大きさと華やかさ(?)で決まるんだろうなぁ」という気分になるのですが、最新の実験によれば、そうとも限らないようです:
■ The Eyes Have It: What Do We See When We Look At Ads? (ScienceDaily)
アイトラッキング技術で目の動きを追い、人々は広告の何に注目しているのか?を調査した結果について。単に被験者を集めて広告を見せたのではなく、次のような内容だったそうです:
- 220名の被験者を集め、4つのグループに分ける。それぞれのグループには別の目標を与える。
- 被験者にはそれぞれ、17個の広告を見てもらう(1個の平均閲覧時間は約4秒間)。与えられた目標以外には、どこを見るか・どのくらいの長さ見るかなど全く自由。
- 広告を見ている間の目の動きを、アイトラッキング技術で収集。
で、得られた結果というのが「何に注目するかはその人が何を目標にしているかによって変化する」ということだったそうで。例えば「広告の内容を覚えて下さい」と依頼されたグループは、広告の本文と画像の部分両方に注目したのに対し、「宣伝されているブランドについて学んで下さい」と依頼されたグループは、本文の部分だけに注目したとのこと。残念ながら他の2グループに与えられた目標が何で、どんな影響があったかについては解説されていないのですが、この「目標によって注目部分が変化する」という傾向はごく短時間広告を見ただけでも現れたそうです。
この結果、もちろん実験という非現実の世界での話ですが、極端に言えば「何に注目させるか」は広告自身の力ではどうしようもないということになりますよね。例えば視聴者が「商品について学びたい気分」になっていなければ、説明文を充実させた広告を出しても、そこには注目してくれないわけです。また同じ広告であっても、例えばサイトAに掲載されている時とサイトBに掲載されている時では効果が違う、ということがあるのかもしれません。これなどは同じバナー広告が複数のブログで掲載される、AMNの環境で比較したら一目瞭然かもしれませんが……。
いずれにしても、広告は広告本体(クリエイティブ)だけで効果が決まるのではなく、それが置かれた環境や、それを見るまでの視聴者の経験によって左右されるわけですね。WEB時代の到来により、こういった点の研究がますます進んでいくのでしょう。
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