今年話題になったロボットといったら、何と言っても"BigDog"を忘れることはできないわけですが、改めて製造元の Boston Dynamics のウェブサイト見てたら他にもキモいロボがいるじゃないですか。BigDog ばかりチヤホヤしては可哀想、ということで、残りのロボたちも紹介しておきましょう。
まずはおさらい、BigDog の勇姿:
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今年話題になったロボットといったら、何と言っても"BigDog"を忘れることはできないわけですが、改めて製造元の Boston Dynamics のウェブサイト見てたら他にもキモいロボがいるじゃないですか。BigDog ばかりチヤホヤしては可哀想、ということで、残りのロボたちも紹介しておきましょう。
まずはおさらい、BigDog の勇姿:
投稿情報: 11:13 カテゴリー: 科学 | 個別ページ | コメント (1) | トラックバック (0)
これまたクーリエ・ジャポン2009年1月号 で読んだネタで恐縮なのですが。さらに大学時代にアメリカ政治を専攻してた身としては「そんなの知らなかったの?」と言われてしまいそうで恐いのですが、無知をさらけ出してこそのブロガーということで。
米国で出版された、ある本の売れ行きが好調だそうです。表紙の色から「プラム・ブック(Plum Book)」と呼ばれている本で、ペーパーバッグ版は38ドルもするのですが、以下のリンクから無料で閲覧することが可能です。発行元は米国政府なのですが、中身を見て何の本か分かるでしょうか?
実はこれ、政府関連の8,000の職種の中で、空席のもの/空席になるものを示したリスト。一部は給与水準まで公開されていて、年収1千万円を超える政府高官の仕事から、年間500ドルのアルバイトまで、様々な仕事が存在しているのが分かります。大統領選があった年(つまり4年毎)に出版されるそうですが、今年はご存知の通り、共和党のブッシュ大統領から民主党のオバマ氏に政権が変わります。米国は二大政党制の国で、大統領の所属政党が変わると、公的な職務に就く人間がどっと入れ替わる……というのもご存知の方が多いと思いますが、そのため今年のプラム・ブックは前回よりも1,000ほど多い職が掲載されているのだとか。
ただしクーリエ・ジャポンの記事によれば、掲載されている職の約3分の1が大統領の任命職で、その他の仕事もほとんどコネ絡みなのだとか。しかしこの本は政府と取引する業者にとっても重要で、「任命職とキャリアの違い、そして今の政府から誰がいなくなるのかが一目でわかる」資料になっているそうです。確かに中を覗くと、"Name of Incumbent"という欄があるのが分かると思いますが、これが文字通り現職者の名前。例えば「商務省統計局の局長、Steve H. Murdock は退任するのか。じゃあ新しいルートを開拓しないと/ウチの会社に顧問として来てもらうか」的な議論が繰り広げられる、はず?
まぁ僕も含めて、この本のお世話になる可能性は皆無という方がほとんどでしょうが……米国の政府関係の職、それも給与水準まで分かるということで、ちらっとブラウズしてみても面白いと思いますよ。
投稿情報: 10:08 カテゴリー: 書籍 | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
これも COURRiER Japon の2009年1月号 から得たネタ。昔の恋人から贈られたカセットテープをネットで晒そう、というサイトだそうです:
「晒す」と表現すると語弊があるかもしれません。アクセスしていただければ分かると思いますが、YouTube のように自由に投稿・共有できるサイトではなく、ブログ形式で1本ずつテープを紹介するような形式になっています。かつてカセットテープが音楽メディアとして全盛だった時代、好きな曲を集めてミックステープをつくり、恋人に贈るという行為が行われていたわけですね(僕は若いので/恋人なんていなかったので、もちろんそんな経験はありませんが)。そうやって恋人からもらったテープを、思い出話や写真、そして中身の音楽と共に紹介しよう、という趣旨のサイトです。
思い出話を読むのも楽しいのですが、何と言ってもこのサイトの良いところは、テープの中身を聴けるところでしょう。バックグラウンドを知った上で音楽を聴くと、「こんな想いからこの曲を入れたのかな」などと想像が膨らみます。晒された方の元カレ・元カノはたまったもんじゃないかもしれませんが(笑)、個人的にはロマンチックな仕掛けで好きです。
以下、クーリエ・ジャポンに掲載されていた、サイト創設者のコメント:
元恋人から贈られたカセットを公開するサイト「CASSETTE FROM MY EX」の創設者、ジェイソン・ビットナー(34)は、「録音ボタンに指を当てながら何時間もレコーダーの前に座っていたものだよ。好きな子に僕の音楽センスをみせたかったんだ」と振り返る。
彼がサイトを立ち上げたのは、ある日、屋根裏で埃にまみれたカセットの山を見つけたことがきっかけだ。彼はこのサイトの可能性に期待をかけている。
「僕と同世代の人たちは、きっとまだカセットを大切に保管していると思うんです」
ただ現時点で見る限り、今年の7月末から更新を停止している様子。流石に「昔の恋人から贈られたテープ」というテーマではネタがつきたのかもしれませんが(あるいは著作権絡みで何か問題が起きた?)、ちょっと残念です。日本でも同様のサイトを立ち上げたら、1~2年ぐらいは人気を集めることができるかも?
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投稿情報: 13:56 カテゴリー: 音楽 | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
これは米国ならでは、のサービスかも。米国の新聞/ニュースサイトを眺めていると、"Email this article"(この記事をメールに送る)というボタンが付いているのに気づくことがあります。さらにそんなサイトでは、"Most emailed news"(最もメールに転送されたニュース)などといったコーナーが用意されている場合があり、その日の人気ニュースランキングを知ることができるわけですね。で、そんな"Most emailed news"を各サイトから集めて、一覧表示してくれるサイトがこちら(via swissmiss):
こんな風に、CNN や New York Times など主要ニュースサイトに加え、YouTube や Yahoo! News といったサイトからもデータを取ってきています。サイトの並び順は変更することはできませんが、expand/collapse だけは可能。
様々なニュースサイトから記事を集め、どのようにアグリゲーションするかという点については、ご存知の通り様々なサイトで手法が試されています。人力あり、アルゴリズムありと主要なものはほぼ出尽くしたと思っていましたが、"Most emailed news"は「言われてみれば」的な発想ですよね。「メールに転送されている=人気がある」とは必ずしも言えないと思いますが(重要だけれど短いニュースは、転送されずに読まれてしまってランキングに現れないでしょう)、これまでの手法とは異なる傾向が感じ取れるサイトとして、しばらく使ってみても面白いかもしれません。
投稿情報: 13:27 カテゴリー: ウェブ・技術 | 個別ページ | コメント (1) | トラックバック (0)
海外ではトリビューンの破綻、国内でも朝日新聞の経営悪化ということで、ジャーナリズムの先行きを危ぶむ声が出ているのはご存知の通り。ニュースだけでなく各種コンテンツは無料が当然、という時代にどうやって収入を得れば良いのか、様々なアイデアが試されているところですよね。たまたま雑誌 COURRiER Japon の2009年1月号を読んでいたら、こんなアイデアもあることが紹介されていました:
■ ジャーナリズムの未来は「寄付」にあり:テーマも経費も募集します!“読者参加型”の調査報道 (『クーリエ・ジャポン』2009年1月号 94ページ)
ジャーナリズムはそのあり方を変えつつある。読者が本当に関心を持っていることをきちんと伝えるため、調査を行う前にテーマを読者から募るという手法が最新流行のようだ。“プリペイドカード方式”の記事の時代がやってきたといってもいいかもしれない。記者は、読者が指示する方向へと解き放たれた猟犬のように走っていくのである。
(中略)
そうした試みのひとつであるスポットUSは、サンフランシスコ一帯から生まれたカリフォルニアのウェブサイトだ。彼らが実践しているのは「コミュニティー・ファンデッド・ジャーナリズム(コミュニティーが資金を提供する報道)」というアイデア。この手法は、調査対象に関する意見を募って調査を実施するのに値するテーマを選び、記事作成のためにかかる経費を出資してくれるよう一般読者に呼びかけるものだ。
(中略)
スポットUSの“特派員”は、寄付金が経費の見積もり額に達すると、資料やインタビューや人々のコメントを集め始める。そしてその記事はウェブサイト上で発表されることになる。今まで取材資金の募集が行われ、記事になったテーマには、「どうしたら企業を犠牲にすることなく地球温暖化を抑制できるか(2500ドル)」、「サンフランシスコ市長選(2500ドル)」、「カリフォルニア沿岸部でのエタノール利用に関する一連の調査(2600ドル)」などがある。
とのこと。「スポットUS」の正式名称は Spot.Us で、TechCrunch でも紹介がありました:
■ Spot.Usによる市民出資によるコミュニティ・ジャーナリズムの試み (TechCrunch Japanese)
「欲しいと思うテーマについて、お金を払って調査してもらうモデル」と捉えれば、調査会社にプロジェクトを依頼することと同じと考えられるでしょうか。言われてみれば、現在の新聞モデルでは「お金を払うこと」と「提供されるコンテンツ」には直接的なつながりはなく、レストランに入って「3,000円払うから、何でもいいから持ってきてよ」と言っているような状況です。もちろん好きなモノだけ食べていればメタボになってしまいますから、シェフにお任せするというモデルではバランスの取れた食事を取れるというメリットもあるでしょうが、「シェフが恣意的に食材を選ぶことはない」という信頼感が欠かせません。現在のようにマスメディアへの不信感が高まっている時代には、「こういう料理をしてよ、そしたらかかったお金を払うから」というモデルの方が受け入れられやすいのではないでしょうか。
そんな「オンデマンド型」とでも呼ぶべきジャーナリズム(前述の記事内では「コミュニティー・ファンデッド・ジャーナリズム(Community Funded Journalism)」と呼ばれていましたが)、少なくとも実験には値すると思います。また Spot.Us では、製作された記事はウェブ上で公開し、よい記事だと判断されれば「本物の」新聞や雑誌が掲載権を購入してくれることを想定しているそうですが、そうなれば「出資者」に掲載権販売で得られた利益を配分するというモデルも可能かもしれません。どっかのコンテンツ制作ファンドみたいな話ですが、「自分が知りたい」と思うテーマだけでなく、「他人もこれを知りたいだろう(=掲載権を買いたいというメディアが登場するだろう)」と思うテーマにも出資が行われるようになれば、より世の人々が欲するニュースへの資金提供が進むのではないでしょうか。
もちろん現実はそう簡単には進まないと思いますが(作成されたコンテンツが無料公開されてしまうのであれば、興味があるけど誰かがお金を払うのを待とうという「フリーライダー」の問題も出てくるでしょうし)、「ニュースに出資する」という発想、定着したら面白いことになるのではと期待しています。
投稿情報: 12:01 カテゴリー: ビジネスモデル | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
『人は見た目が9割 』なんて本が一時期話題に(問題に?)なりましたが、ウェブサイトも「見た目(デザイン)」の重要性が大きいことは言うまでもありません。しかしユーザーが何か情報を得ようとしている場合には、サイトのデザインよりも、掲載されている情報の方が重要であるという研究結果が発表されたとのこと:
■ Information Is More Important Than Design In Evaluating Companies On The Internet (ScienceDaily)
当然と言えば当然の結果なのですが、やたらデザインにウルサイ上司/お客様がいる場合に活用できるニュースかもしれません。スペインにある University of Valladolid の研究者らが発表したもので、以下のようなテストを実施したとのこと:
その結果、情報が充実しているサイトの方が、ブランドイメージの向上が見られたとのこと。一方、デザインに凝った楽しいサイトを見せられても、イメージの向上にはつながらなかったそうです。まぁそりゃそうだ、なのですが、重要なのは「情報を欲しているユーザーに対しては、見かけ上の華々しさや奇抜な機能が『望まれている情報』を補完するものにはならない」という点でしょうか。簡単に言えば「craigslist 最強!」ってことですね。
最近のウェブサイトは本当に美しく、楽しくなりました。ユーザビリティという概念も定着し、使いやすさという面でも次第に改善されてきているように感じます(ネットを使い倒している方々から見れば、依然として「遅れている」サイトが山のようにあると思いますが)。その一方で、ユーザーが本当に「欲しい」と考えている情報を提供しているか?という点まで配慮している企業は、まだまだ少ないのではないでしょうか。それを計測するのは難しいことですし、「見た目」という(上層部のオジサン達にも)分かりやすいポイントで改善を見せておこうという気持ちも分かるのですが……いわゆるWEB2.0の時代になって登場した華々しいテクニックが、最も基本だけれど最も難しい「コンテンツの充実」という点から目を逸らしてしまっている恐れはないのかなぁ、と余計な心配をしてみた次第です。もちろん自戒込み、で。
投稿情報: 20:53 カテゴリー: デザイン/アート | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
というわけで、昨夜はAMNの『デクスター』試写会イベントに参加してきました。パラマウントさんの試写室はホント、まるでミニシアターのような出来で、こんなところでいち早く映画が観られる業界人(?)が羨ましい、と感じてしまいました。
では本題。『デクスター』は映画ではなく、最近日本でもすっかり定着した感のある海外(米国)テレビドラマの新作です。レンタルは来年2月13日スタートとのことで、日本では現在 FOXCRIME でのみ視聴可能(米国ではシーズン2が終わり、3の開始が予定されている段階とのこと)。今回のイベントでは、シーズン1の第1作目、まさに物語がスタートする回を観させていただきました。
『デクスター』の最大の特徴は、何と言っても主人公の設定につきるでしょう。対テロリストの捜査官、ニューヨークに暮らすセレブ、囚人、数学者などなど、これまで様々な職業の主人公が海外ドラマに登場しましたが、基本的に彼らは「善人」でした。ところが今回の主人公、デクスターは「異常者」。普段は警察官を装いながら、実は人間的な感情を持たず、殺人衝動を抱いている殺人鬼という設定です。ただし彼が殺すのは、ある理由から他の殺人鬼に限定されており、それがかろうじて主人公への感情移入を残せる線になっています。
こう書くと、「ああ、必殺仕事人ね」と感じられてしまうかもしれません。僕も最初、設定だけ聞いた時は同じ感想を抱いたのですが、実際に観てみるとかなり印象は異なります。これまでも猟奇殺人を扱った海外ドラマはありましたが、コミカルな要素があったり死体の描写を避けたりと、軽い感覚で観れるものが多かったと思います。しかし『デクスター』では本気で(という表現もヘンですが)猟奇殺人の場面が再現されており、また主人公を演じた俳優マイケル・C・ホールの演技が素晴らしいことと相まって、本当に異常犯罪者を目の当たりにしているかのような感覚を覚えます。
従って正直なところ、『デクスター』は万人向けの作品ではないと思います(その辺をパラマウントさんも認識していて、どうやってプロモーションしていくべきか熟考されているとのこと)。「猟奇モノかぁ、私はいいや」と敬遠される方も多いでしょう。しかしこの作品は、単純な勧善懲悪やスプラッターを狙っているわけではなく、変な話ですが「殺人鬼であるが故の主人公の悩み」や「殺人鬼の目から見た『おかしな』現代社会」といったこれまでに無い視点を味わうことができます。テーマという点でも、映像という点でも、日本のテレビドラマでは絶対に真似できない(他の有名海外ドラマは何らかの形で日本のドラマが真似するようになっていますよね)作品ですから、興味を惹かれる方は意外と多いのではないかと感じましたよ。
まぁ、何のかんの言っても基本は娯楽作品。実は主人公のライバルとなる謎の殺人鬼も登場するのですが、基本的に第1シーズンは彼(彼女?)との対決をめぐるサスペンスが話の軸になり、謎解きものとして楽しむことができるはず。海外ドラマに興味がある方は、チェックして損はないと思います(僕はとりあえず第1シーズンを最後まで観てみたい、という気になりました)。
ちなみに今回僕らが観た『デクスター』第1話は、ニューズウィーク日本版 2008年 12/17号の付録DVDに収録されるとのことなので、来年2月のレンタル開始まで待てない!という方は是非ご確認を(このDVDには『デクスター』だけでなく、他の新作海外テレビドラマも収録されているそうです)。
投稿情報: 22:51 カテゴリー: テレビ | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
改めて言うまでもなく、広告は出せば良いというものではありません。どこにどんな広告を出すかは、その場所にどんな人々がいるかによって変わってきます。それをよく理解した上で実行している、非常に模範的な広告がこちら:
■ MacDonald's "Escalator & Stairs" (directdaily)
スウェーデンで実施された、マクドナルドとコカコーラの共同プロモーション。クリックして画像を拡大していただければ分かると思いますが、左側の階段には通常のコカコーラの広告が、右側のエスカレーターにはコカコーラ・ライトの広告がそれぞれ掲載されています。
ギャグ(?)を解説するほど野暮なことはありませんが、つまり
というわけですね。
正しい、非常に正しいのですが……なんとなくこんな広告が通勤経路にあったら、エスカレーターを使うのがイヤーな気分になってしまうかもしれません。冗談か悪ふざけか紙一重、といったところですが、印象に残ることだけは確かかも?
投稿情報: 00:37 カテゴリー: 広告 | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
映画館、ではありません。パラマウントジャパンさんのセレブ用?試写室(芸能人とか批評家向けにいち早く映画等を試写する部屋、のはず)に来ています。今夜参加してるのはこんなイベント:
■ 12/8(月)「DEXTER(デクスター)ブロガー試写会イベント」のお知らせ (Agile Media Network)
感想は例によって後ほど。
投稿情報: 19:35 カテゴリー: ニュース | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
妻が買ってきた本『Ex‐formation植物』が面白くて読んでいるのですが、中でも第5章「都市を映し出す植物」が秀逸でした。
そこに掲載されているのは、様々なビルに木漏れ日が映り、樹木や木の葉の姿をした影が現れている写真。例えばこんな感じ(以下はネットに落ちていたフリー素材で、本書の写真を転載したものではありません):
こんな光景は見慣れたものであり、何の変哲も感じませんが、本書ではこんな解説がなされています:
僕らは植物そのものを見ていなくても植物の存在を感じている。建築物に落ちる樹木の影、すなわち木漏れ陽もそのひとつである。
コンクリートの壁や石の床に落ちる樹木の影は、くっきりと濃く動かない建物自身の影に比べて流動的で常にさざめいている。風の動きに揺らめき、葉の間を通ってくるまさに木漏れ陽はちらちらと揺動してとどまることがない。境界もぼんやりと焦点が定まらない。その揺らぎに呼応して、僕らは風を感じ、陽差しを感じている。その影はまさに自然を感じるメディアなのだ。
言われてみれば、確かにこのような影を目にすれば「そこに樹木があるに違いない」という感覚を抱くでしょう。たとえ樹木自身の姿や、緑色が視界に入らなくても。さらにその影がゆらゆらと揺れることで、樹木だけでなく、そよ風の存在までも意識することができる――ただの影が「自然を感じるメディア」というのは大げさではなく、まさにその通りだと思います。
また別のページには、こんな指摘も:
植物の形を記憶している
建築物に映し出されたわずかな影の形からでも、私たちは、植物の姿を鮮明に感じることができる。
仮に樹木を全く見たことがない、という大人がいたとしたら、木漏れ日を見ても樹木を感じることはないでしょう。しかし普通の大人であれば、木漏れ日は樹木の存在を示す記号として認識されており、仮に存在しているのは影だけだったとしても「元」となるべき樹木の存在を感じられる、と。もしかしたら、オフィスの中に樹木の形をした影を投影する(できれば「そよ風」に反応して揺動する)装置をセットしておくだけで、多少なりとも従業員のストレスを軽減する効果が得られるかもしれません。
記号化された「部分」があれば、「全体」が存在しなくても、本質を感じることができる。ある意味、以前紹介したアート"Bright Blind"もこの現象を応用したものかもしれません。こんな「部分」をいろいろと見つけ出して、アートやデザインに応用できたら楽しいだろうなぁ。
投稿情報: 15:37 カテゴリー: デザイン/アート | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (1)
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