「選択の不自由」なんて言葉がありまして、選択肢が多すぎると逆に人は困ってしまうそうです(ファミレスでなかなかメニューが決められない、って方も多いですよね)。しかし「○万点のアイテムを揃えた最大級のオンラインショップ!」「○百種類のフレーバーが選べるアイスクリーム屋!」などというキャッチフレーズを目にするのが珍しくないように、選択肢の多さは客引き上有利になるもの。そこで選択肢を増やしつつ、選択の心理的負荷を減らす工夫が必要になるわけですが、「カテゴリ分け」が有効な手段の1つとして証明されたとのこと:
■ Categories Help Us Make Happier Choices (ScienceDaily)
カテゴリ分け自体は別に奇想天外なアイデアではなく、近所のスーパー等でも普通に行われている話ですが。スタンフォード大学とコロンビア大学の研究者らによると、カテゴリ分けがされている場合/されていな場合を比較すると、されている場合の方が選択を下す際に満足感を感じるとのこと。この理由について、「カテゴリ分けがあると選択肢の間の際が認識できるようになり、自分が選んだのだと感じることができるため」と解説されています。
ただ面白いのは、カテゴリ分けの基準が無意味なものであっても、この効果が変わらないという点。例えばコーヒーを「マイルド」「ダークロースト」などというカテゴリに分けている場合がありますが、コーヒー好きな人でなければその意味を正確に理解してはいないでしょう。しかし意味がよく分からなくても、「カテゴリがある」という事実だけで、満足感は違ってくるそうです。そこで研究者らは、この効果を"mere categorization effect"(ただのカテゴリ分け効果)と名付けています。
恐らく「何かの基準で分けられている」という感覚さえ感じることができれば、「(えいやで選んだのではなく)ちゃんと判断して選んだのだ」という満足感が得られるのでしょうね。そういえば最近、デザートやお茶などの飲食物を取りそろえているお店に行くと、「リラックスしたい時」「ストレスを感じた時」「癒されたい時」などのようにあやふやな言葉でカテゴリ分けされているのを目にする時があります。よく考えれば「根拠は何?」という感じなのですが、根拠や基準はどうでもいいわけですね。
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