ニュースサイトがSNS的機能を追加する、というのは初めてのケースではないのですが(特に海外のメディアでは)。ご存知 BusinessWeek が、"Business Exchange"という機能をリリースしています:
ご覧の通り、ロゴにはまだ"BETA"が付いているので、今後様々な拡張があるかもしれませんが(もしくは単に「先進感」を出したいだけかもしれませんが)。Business Week のトップページから、タブ1つで切り替えることが可能になっており、位置的にも文字通り「トップに準ずる」ような位置付けであることを感じさせます。
こちらが Business Exchange のトップページ(アカウントを取ってログオンした状態)。中央にトピックス(リーマンブラザースやAIGなど、最近ニュースでお馴染みの名前が挙がっています)が表示され、その横にはこの Business Exchange 内でアクティブに活動しているユーザーのアイコン(顔写真)が表示されています。試しにトピックスにある"Lehman Bros."をクリックしてみましょう。
すると表示されるのがこちら。最上部にトピックの説明文が表示され、その下に個別記事へのリンクらしきものが並んでいます。驚くことに、このリンクには他のニュースサイトの記事も含まれていて、しかも全て直リンク。つまり「おっ、これ面白そう」と思ってクリックすると、そのまま Business Week を飛び出して New York Times にジャンプする、などということもあり得るわけです。
ユーザー登録していれば、各トピックに対して新しい記事を追加することもできます。イメージ的には、ソーシャルブックマークサービス/ソーシャルニュースサービスを通じて、あるトピックに関連する記事を皆で集めるような感じでしょうか。また既に集められている記事を自分専用のフォルダに保存したり、記事に対してコメントを投稿することなども可能で、この「ある記事に対してユーザーが取った行動」を基に記事の人気度を集計->人気のある記事を確認する、ということも可能になっています。先ほどの例で言えば、New York Times の記事が Business Exchange ユーザーの間で評判になり、それに対する白熱した議論が Business Exchange 上で行われる->それがさらに多くのユーザーを引きつける、なんてことも起こり得るわけですね。
くどいようですが例え話を続けると、日本で朝日新聞が「Asahi Exchange」なんて名前のサイトを立ち上げて、そこで他の新聞社サイトの記事もブックマーク可能にし、さらにコメント投稿も可能にしてしまったようなイメージでしょうか。第3者的なベンチャー会社が立ち上げたというのならそれほど驚きはありませんが、Business Week が始めたというのはなかなか面白い話です。もちろん Business Week も優れた記事を数多く生み出す力のある企業ですが、トラフィックを維持するためには文字通り「媒体」的な性質(つまり自らが情報を生み出すだけでなく、人々の間を情報が流通することを助ける)を強化していく方向に踏み出した、ということかもしれません。
ちなみにSNSには欠かせないプロフィール欄ですが、職歴・学歴欄が独立して設けられていたり、(MySpace や Facebook、ではなく)LinkedIn からのプロフィールデータ引き継ぎ機能があったりと、当然ながらビジネス寄りを指向しています。さらにプロフィール写真にいつものクマを設定しようとしたところ、なぜか何回やってもはじかれてしまいました……まさか人間の顔写真以外は受け付けないようなロジックが組まれていたりして!?
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