ただいま iUG で、簡単なアンケートを実施しています(11月12日まで)。ご協力下さいませ:
回答後に、現時点での集計結果が表示されます。
ついでにこっちも再告知。iUG では「エンタープライズ2.0」に関する記事を集めた「iUG-newsing」を開設しています。名前からお分かりの通り、マイネット・ジャパンさんのソーシャルニュースサイト「Newsing」のシステムを活用したもの。開設から3ヶ月経ち、かなりの記事が集まってきていますので、ぜひご参加・ご活用下さいませ:
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投稿情報: 17:33 カテゴリー: SNS/ソーシャルメディア, イントラブログ | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
最近ヒマな時間があると、ケータイから mixi にアクセスして mixi ニュースを見ている自分がいます。見るのは主に社会/芸能ネタ。そして記事を読んだ後には関連する日記を読む、というのがお決まりのパターンです。mixi を使っている方にはご存知の通り、mixi の各ニュース記事には「このニュースに関する日記を書いた人」というコーナーがついていて、当該記事を引用しているユーザー日記にすぐにアクセスできるようになっているわけですね。Yahoo! ニュースの「この話題に関するブログ」と同様です。
でフト思ったのですが、これってワイドショー的な楽しみ方なのかも。特定のニュースを探しているわけではなく、何でもいいから面白いネタを提供してもらって、それに対するコメントを聞く(読む)という……ワイドショーでコメンテーターが果たしている役割を、mixi ニュースや Yahoo! ニュースでは日記/ブログを書くユーザーが果たしている、という位置付けですね。
ご存知の通り、最近はワイドショーが低迷していると言われるわけですが:
■ 東京TV事情 午後のワイドショーが消える? (asahi.com)
ワイドショー的なコンテンツ、つまり「ネタ」とそれに対する「ツッコミ(コメント)」のセットというものは、形を変えて常に存在するのかもしれません。
考えてみれば、ある事実(「政治家が不正を働いた」「サッカー日本代表がワールドカップ出場を決めた」など)を目の前にしたとき、人間は
「これって許せないよね?」
「これってバカバカしいよね?」
「これって嬉しいことだよね?」
…
といった具合に、誰かに同意を求めたくなるものですよね。「自分と同じ感情を抱いた人がいる」ということを実感するのは、誰にとっても楽しい体験でしょう。その体験をテレビというメディアで提供していたのがワイドショーで、ネット上で提供するのが「ニュース記事+関連ブログ/日記」という機能なのではないかなと思います。
その意味で、上掲の asahi.com の記事にあったワイドショー衰退の分析:
テレビ評ライターの桧山珠美さんは、「ワイドショー全盛期には、世の中に井戸端会議のようなコミュニティーがまだあった。でも今はそれが崩壊して個人主義が進んでいる。他人のことよりも、自分が得をする情報に興味がある人が多くなった気がする」という。
はちょっと不十分なのでは、と感じます。確かに個人主義が進んでいるかもしれませんが、「知れば得をする」といった情報ばかりが求められているわけではないでしょう。ワイドショーが衰退したのは、視聴者が抱く「これってこうだよね?」という感情に対して、共感できるメッセージを投げ返せなかったことにも一因があるのではないでしょうか。またそもそも取り上げるネタが、視聴者の興味に一致していない、ということもあるでしょう。
しかしテレビに対して視聴者が共感を抱けなくなったのは、視聴者の側に関心の多様化が生まれたことが一因でもあるわけで。そもそもマスメディアでワイドショーを行う、ということ自体が難しい時代なのかもしれないですね。仮に mixi のユーザーがこのまま拡大して、全世代にまんべんなくユーザーが存在するような状態になったら、ニュースに付けられるコメントも「これは正しい」「いや間違っている」といった具合に千差万別になるでしょう。そしたらヒマな時間に mixi ニュースを見て、「みんな同じように怒ってるなあ」とカタルシスを感じることもできなくなるでしょうから、次第に mixi ニュースから離れていくような気がします。
ただし今のところ、mixi ニュースは自分にとっての「マイ・ワイドショー」として成立しています(欲を言えば「マイミクがニュースに対して付けたコメントを見る」といった機能があれば、より自分の感じたい「共感」に近づけると思うけど)。草野仁さんの姿を『世界ふしぎ発見!』でしか見られなくなっても、しばらくは寂しいと思わないかな。
投稿情報: 13:08 カテゴリー: SNS/ソーシャルメディア, テレビ | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
これは先週気になっていたニュースだったのですが、触れる機会がなかったので、ちょっとだけコメント。アメリカで、デジカメの忘れ物をめぐってこんな出来事があったそうです:
■ 落とし物のデジカメ、メールで持ち主判明 48時間で (CNN)
何があったのかは読んでいただければ分かると思うのですが、蛇足気味にまとめてみるとこんな感じ:
「モンゴメリさんは遺失物届け担当係に連絡せず……」という点がちょっと引っかかりますが(さらに言えば、チェーンメール的な要素が含まれている点も)、いずれにしてもソーシャル・ネットワークの力を思い知らされる話ですね。ちなみに落とし主はこんなコメントをしているとのこと:
ジョンさんは、「インターネットとメール、そしてバックアイのネットワークのパワーのおかげ。バックアイのファンが、そこら中にいることに驚いた」と話している。
そう、今回はたまたま「落とし主・拾い主の双方ともバックアイのファンだった」という、同じネットワーク内での話だったわけですね。これが東京ドームでの話で、落とした人が巨人ファン(巨人戦を観戦しに来ていた人)で拾った人がSMAPファン(SMAPのコンサートに来ていた人)だったらこうは行かなかったはず。その意味で、こうした幸運が起きるためには「その大きさは問わないが、落とし主・拾い主双方が同じネットワークに所属していること」という条件が重要なのでしょう。
ただ同じネットワーク内にいれば、ネットの力を駆使して、こうした奇跡(?)を起こすことが可能なわけですね。例えばミュージシャンのコンサートに行って何かをなくした/拾った場合、当然遺失物届け出係に連絡する一方で、SNSのコミュニティ(そのミュージシャンに関係するもの)で呼びかけてみるというのも有効なのかもしれません。探し物もWEB2.0の時代、ということで「探し物クラウドソーシング」とでも呼びましょうか。
投稿情報: 09:13 カテゴリー: SNS/ソーシャルメディア | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
ScienceDaily からのネタが続きますが、これも多くの方にとって興味のあるテーマかもしれません。最近よく「6次の隔たり」という仮説が引用されますが、企業間でこの「隔たり」が少ない場合、すなわち人々の交流が盛んな場合ほどイノベーションを起こす確率が高いことが確認されたとのこと:
■ Fewer Degrees Of Separation Make Companies More Innovative, Creative (ScienceDaily)
ワシントン大学とニューヨーク大学の研究者による調査。6年間かけて11の業界から1,106の企業を調査し、特許を取得したイノベーションの数と、企業間で結ばれた戦略的提携関係のネットワーク構造との関連性を調べたそうです。その結果、「隔たり」が少なくなる=クラスター構造が形成されるほど、企業はイノベーティブになるという結論を下しています。ちなみに詳細は Management Science の2007年7月号掲載論文"Interfirm Collaboration Networks: The Impact ofLarge-Scale Network Structure on Firm Innovation"で確認できるとのこと。
研究者たちはこの理由として、「クラスター構造により情報が速く・正確に伝わるようになり、情報交換が有意義なものになる」点を挙げています。「隔たり」が少ないということは、情報が通る中継地点が減る=情報の経路が短くなるということですから、当然と言えば当然の話ですよね。さらに信頼できる人物から情報を得られるため、得た情報の真偽/価値の判断にかける時間が減る、といった質的な面でのプラスも考えられるかもしれません。また、ハーバード・ビジネス・レビューの2007年9月号に掲載されている記事「ジョン・ハリソンを探せ」でもこんな指摘がされています:
イノセンティブのジル・パネッタとピーター・ローゼの協力を仰ぎ、調査を進めた結果、我々は次の3つの結論にたどり着いた。
画期的なソリューションを生み出すには、できるだけ多くの分野の人たちに、問題を知ってもらう必要がある。
あっと驚くようなイノベーションは、専門領域が交差するところから出現することが多い。くわえて、問題解決に取り組む人たちが多様であればあるほど、確率は高くなる。
クラスター化されて「隔たり」が少なくなれば、ある問題に関わる人々が増える(ある問題を抱える人と、他の人々との距離が近づく)ため、イノベーションが生まれやすくなるのかもしれません。いずれにせよ、クラスター化によって改善された情報流通経路がイノベーションのカギとなる、というわけですね。
この研究、企業間の提携関係に焦点が置かれていますが、1つの社内での話にも当てはまるかもしれませんね(そもそも社内ネットワークに「隔たり」が多かったら、他社との交流もままならないわけですし)。ということで社内SNS的なアプリケーションの有効性を示す資料の1つになるかも。また研究をそのまま応用すれば、エクストラネットならぬ「エクストラSNS」的な企業間交流促進ツールが必要、ということになるのかもしれません。
投稿情報: 01:56 カテゴリー: SNS/ソーシャルメディア, 科学 | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
Jason Calacanis (それ誰?という方はこちらの記事をご参照下さい)がブログで「mixi 疲れ」のようなことを告白していて、それに Giga OM の Om Malik がコメントしています。面白いのでちょっとご紹介:
■ Facebook Bankruptcy (calacanis.com)
■ Social Network Exhaustion (or Facebook Bankruptcy Redux) (calacanis.com)
「SNSを使うのに疲れた」というエントリで、それを2つの言葉で表現しています。"bankruptcy"は「破産」ということですが、もちろん財政的に破綻したということではなく、Facebook を使っていると「友人たち」に対応するのに疲れてしまうという内容。一方"exhaustion"というのは「疲れ」という意味で、こちらは文字通り「ソーシャルネットワークに疲れた」という意味のタイトルですね。Jason は Facebook に948人の「友達」が登録されていて、日々様々なコメントやリクエストを受けているとのこと。それは彼のような有名人だからこそ、の悩みなのかもしれませんが。
で、それに対する Giga OM のエントリ:
■ Why do we have Facebook Fatigue? (Giga OM)
「バーチャルだからといってあらゆる人々と関係を保つ必要はない。もっと現実に近い交流をせよ」という提言がなされています。例えばこんな感じ:
で、SNS上で交流を保つべき人を見つけるテクニックとして、「ケータイを見よう」とアドバイスしています。ケータイに登録されているような人なら、現実世界でも強い関係を持っている人、ということですね。
個人的には、バーチャルなコミュニケーションツールにはバーチャルならではの価値があると思います。「弱い紐帯」議論ではありませんが、現実世界ではそれほど交流がない人々とでも、「弱い関係」を保っておけるのがSNSの良いところの1つではないでしょうか。現実世界で強い関係を持っている人であれば、そもそもSNSを使わなくてもコミュニケーションが行えるはずですし。またSNSには、見知らぬ人々と知り合えるというまさしく「ナイトクラブ」としての機能もあるはずです(ナイトクラブがどんな場所なのかよく分かってはいませんが)。現実世界での知り合いと交流することに限定してしまっては、SNSが提供する価値の半分を捨ててしまうでしょう。
しかし「ナイトクラブやパーティーで一度だけ挨拶した人々」と、深い交流をしなければいけないように感じてしまうのがSNSなのかもしれませんね。それには、
という2つの原因があるように思います。例えば「最近更新された日記」に表示する日記(ユーザー)を選択したり、プロフィールページへのアクセス回数によってユーザー名の表示が変わる(あまりアクセスしていないユーザーの名前はうすーい色で表示されるとか)といった工夫があれば、(悪い意味ではなく)疎遠な人を身近に感じてしまうことを防ぐ=「反応しなきゃ」という心理的負担を感じずにすむ、ということが達成できるかもしれません。
しかしそんな機能が実現されるのを待つわけにもいきませんから、バーチャル上での交流にリアルでの交流ルール(目を合わせたら会釈しなければいけない、etc.)を持ち込むのを避ける、という自衛手段を取ることが必要なのだと思います。ただ相手がリアルと同じ交流を求めていて、こちらが応じないことに怒ってしまうという危険性もありますが。しかしいずれ人間の脳も「リアルでの交流」と「バーチャルでの交流」を分けて考えることに慣れ、SNSに疲れない体質を作り上げていくのではないでしょうか。
投稿情報: 15:54 カテゴリー: SNS/ソーシャルメディア | 個別ページ | コメント (2) | トラックバック (0)
つい最近"Enterprise 2.0 Conference"なるものが、しかもボストンで行われていたのに、全く気づいていませんでした。ということで今更ながらレポートを読んでいるのですが、なかなか面白い事例発表等があったようです。例えばこちらの記事:
■ Build a Web 2.0 Platform and Employees Will Use It (eWeek.com)
モトローラとシスコの事例発表と、それに対する Forrester Research のアナリスト、Oliver Young 氏のコメント。「どうすればWEB2.0系ツールを企業内で使ってもらえるようになるか?」という点がテーマなのですが、Young 氏は次のように述べています:
Young described a large insurance company working to get its employee base — 30 percent of whom are near retirement age — to adopt Web 2.0 technologies as facing a real struggle. He pointed out that among 18 to 21 year-olds in general, 37 percent of them are creating content either through a wiki or a blog. Conversely, among 41 to 50 year-olds, only 12 percent are creating content.
Young 氏によると、ある保険会社(社員のおよそ30%が定年間近という企業)のケースでは、WEB2.0テクノロジーを浸透させるには大きな労力が必要だったとのことだ。彼はまた、年齢が18歳から21歳までの若者の37%がWikiやブログなどでコンテンツを作成した経験があるのに対し、41歳から50歳までの間ではそうした人々は12%しか存在していないことを指摘した。
こうした事実から Young 氏は「特に技術系ではない会社では、年齢による格差が存在する」ことを指摘しています。
一方、モトローラとシスコでは「40歳以上の人々がWEB2.0テクノロジーを最も積極的に受け入れていた」と語ったとのこと。さらにモトローラのCTO(Chief Technology Officer)、Toby Redshaw 氏はこんなことを述べています:
Redshaw said that rather than an age bias, he noticed more of an executive level bias to collaborative efforts: the higher up in the company's hierarchy the less social networking technologies get used.
Redshaw は「コラボレーションを促進させることについては、年齢による偏見よりも、役員クラスの偏見の方が大きかった。つまり、肩書きが上の方になればなるほど、ソーシャル・ネットワーキングに関する技術を使う傾向が低くなった」と述べた。
問題が世代に起因しているのか、組織上のポジションに起因しているのかは別にして、会社の上の方にいる人々はWEB2.0系ツールに(そのまま放置していては)馴染んでくれない -- ということが言えそうです。これは iUG で話し合われた過去事例などとも一致していますし、多くの方が同じような経験をされていることでしょう。
ではどうするのか?モトローラとシスコは「作れば使ってもらえるよ(まさしく"Build a Web 2.0 Platform and Employees Will Use It")」的な発言をしているのですが、実際には様々な手を打ったようです。例えば同じ記事の2ページ目には、こんな箇所が:
"I think Cisco is dead on with knowledge champions," said Young. "You need people to show you [how these things work]. It is really just a matter of seeing these things in business processes that will make this thing spread. Having someone see why tools are valuable in their business context is really the way it works."
「Knowledge champion を活用したという点では、Cisco はまったく正しいことをしたと思う」と Young 氏は述べた。「新しい技術がどうやって動くのか、見せてくれる人が必要だ。何かを広めるには、ビジネスプロセスの中に置いて見せることが重要になる。あるツールがビジネスにどんな効果をもたらすかを見せることは、効果的な手段だ。」
この"knowledge champion"の活用という点については、次の記事にも解説があります:
■ Motorola's IT Department Takes On Enterprise 2.0 (InformationWeek)
At Motorola, Intranet 2.0 started fairly quietly and grew organically by word of mouth and through the use of 250 "knowledge champions" strategically placed throughout the company to evangelize the new technologies.
モトローラでは、Intranet 2.0 (※プロジェクト名)は静かにスタートし、クチコミと250名の「knowledge champion」を通じてオーガニックに広まった。「knowledge champion」は会社全体に戦略的に配置され、新しいテクノロジーの啓蒙活動を行った。
ということで、ツールを導入して後は放置プレイしてたわけではなく、啓蒙活動を戦略的に行っていたようです(それが当然なわけですが)。実際に knowledge champion な人々が、どんな活動を行ったのかまで解説されていると良かったのですが。
先日のAMNブログイベントでも、「ブログの意義を会社の上層部に理解させるにはどうすればよいか?」という質問があり、切り替えしに困った僕は「少しずつ導入して成功例を作り、既成事実を積み重ねるしか……」という曖昧な答えをしてしまったのですが、やっぱり「実例を見せる」というのは有効な手段の1つのようですね(と自信を持ってみたり)。個人的には、WEB2.0系のツールは思想のレベルから異なっているので、理論というか企画書だけで上層部を説得するのは難しいと思います。例えば小さなプロジェクトでWikiなどを導入してみて、「ホラ、なかなか使えるツールでしょ?」という感じでクチコミ経由で評価が広まっていく、なんてのが1つの理想像なのかなと。
ちなみに前述のモトローラCTO・Redshaw 氏も、「エンタープライズ2.0系の技術についてROI出すのは難しい」とコメントしています。出せないROIならさっさと捏造仮置きして、現場で成果を出すことに専念した方がよいのかも。
投稿情報: 11:58 カテゴリー: SNS/ソーシャルメディア, イントラブログ | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
シラノ・ド・ベルジュラックとは歴史上の人物なのですが、戯曲『シラノ・ド・ベルジュラック』として有名ですよね。剣豪でありながら文学の才能も抜群、しかし醜い大鼻の男・シラノ。ロクサーヌという女性に恋心を抱いていたが、彼女はクリスチャンという美男子に恋していた。シラノは口下手なクリスチャンに成り代わって、ロクサーヌへのラブレターを書き続けるのだが……という話。
で、それが2.0とは何ぞやという話ですが、イギリスで「本人に成り代わってネット上の人格を演じてくれるサービス」なるものが登場しているそうです:
■ Are my online friends for real? (BBC News)
実は本当かどうか確認は取れていないのですが、「僕は1ヶ月1,000ポンド(約25万円)払って、別の人にオンライン上で『僕』を演じてもらっている(ブログを書く etc.)」という男性に会って……という話。まさしく口下手なクリスチャンが、シラノの話術で魅力的なネット人格を作り上げているといったところです。彼の話によると、そんな「商売」に携わっている人が既に無数にいるのだとか。以前「SNSでウソ友達をレンタルできるサービス」なんてものがあることをご紹介しましたが、それと組み合わせれば「毎日華やかな日記を書いていて、魅力的な友達も多いネットセレブ(そんな言葉があるかどうか知らないけど)」を演じることが可能でしょう。
確かに「部長のメールを秘書が代行して管理する」「社長ブログをゴーストライターが書く」「自動足跡ツールを使う」などといったレベルの話は以前からあったわけで、それを総合して進化させたのが「オンライン人格代行サービス(仮称)」なのでしょう。リアルだけでなくオンライン上の人格も重要になり、しかもオンラインではいくらでも偽れるということであれば、何らかの理由(忙しくてオンラインになる暇がない、オンライン上のネットワークをもっと広げたい、現実以上にオンライン人格を良く見せたい etc.)でこんなサービスを利用したいという人がいても不思議ではありません。
例えば以前、シロクマ日報でこんなエントリを書いたことがありました:
ネット上で実名を晒すと、過去の恥ずかしい行為がバレてしまうというリスクがあるけれど、プレゼンスがまったく無いと逆に「この人はネットに疎い人物」と見なされてしまうリスクもある……という話。「面接相手の情報を事前にネットで検索」などという行為は今でも行われていると思いますが、ネット上の情報・プレゼンスが重視されるようになれば、一時的に偽ってでも自分を良く見せたいと考える人は増えるはずです。
例えばあらかじめいくつかの匿名ブログ(「20代プログラマのブログ」「30代マーケターのブログ」etc.)を用意しておいて、依頼主が現れたら高値で売りつけるとか。で、依頼主は面接に行って「いやー id:xxxxx のブログは僕が書いてるんですよー」と言うと。mixi や GREE にも「それっぽい」ダミー人格をいろいろ取り揃え、依頼主が希望するイメージに合う人格を友達登録させたら効果大ですね。そして昨日ご紹介したサービスを併用して、ウソがバレそうな書き込みやブログは検索下位に沈める、と……いやぁ、重ね重ね悪ですな。また、僕の Polar Bear Blog は既に「小林啓倫という人間が書いている」ということがバレているので無理ですが、「あなたが書いている匿名ブログは魅力的なので、僕に○○万円で売ってくれないか」なんてオファーが来たらちょっと考えてしまうかも。ついでに「あなたがマイミクになってくれて、好意的な紹介文を書いてくれたら○万円払う」なんて言われたら心が動いてしまうかも(いずれも元の持ち主が口を滑らすというリスクはありますが)。
しかしそんなオンライン人格粉飾サービスが流行ったら、今度は見破りサービスが出てくるかもしれませんね。企業の人事部と契約して、応募者のオンライン人格に偽装がないか調査するとか、「Second Life 面接」実施中に、アバターを操作しているのが応募者本人なのか見破ってくれるとか。戯曲『シラノ・ド・ベルジュラック』では、ロクサーヌは最後に「自分を虜にしていたラブレターは実はシラノが書いたものだった」ということを知るのですが、同様に「魅力的な人格を演じていた、話術が巧みな誰か」を探し出してその人を社員として採用する……なんてケースも生まれたりして。
投稿情報: 00:03 カテゴリー: SNS/ソーシャルメディア, ウェブログ, ビジネスモデル | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
お知らせです。昨日の iUG Vol.6 にご参加いただいた方々にはご紹介済みですが、このたび"iUG newsing"がスタートすることとなりました。
■ iUG newsing -- social news for enterprise2.0
社内ブログ/SNSを中心に、Wiki やソーシャルブックマークなどWEB2.0技術の社内活用「Enterprise2.0」に関するニュースを集めるサイトです。名前からお分かりの通り、マイネット・ジャパンが運営するソーシャルニュースサイト"newsing"の仕組みを活用したもの。今回、マイネット・ジャパン様のご好意でシステムをご提供していただけることになりました。
既に newsing をご存知の方は、newsing とまったく同じ操作法だと考えていただければ大丈夫です。「Enterprise2.0」のキーワードに当てはまる記事を見つけたら、記事のURLと簡単なメモ/コメントを登録するだけでOK。ソーシャルブックマークと同様に、他人が登録した記事の一覧/評価/コメント投稿ができます。詳しい内容は、こちらのページをご確認下さい:
iUG newsing をご利用いただくにはユーザー登録が必要ですが、登録には条件等はありません。どなたでも無料で登録・ご利用いただけます(閲覧のみの場合はユーザー登録は必要ありません)。ぜひ一度、アクセスしてみて下さい!
既に無数のソーシャルブックマーク/ソーシャルニュースサービスが存在していますが、トピックの対象範囲やコミュニティを限定したサイトはまだまだ多くありません。iUG newsing はそうした特化型のサイトとして、役立つ存在になれればと考えています。皆さまのご利用・ご参加、それから「こうした方がいいよ」というアドバイス、心よりお待ちしております。
投稿情報: 07:02 カテゴリー: SNS/ソーシャルメディア, イントラブログ, ニュース | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
ということで、昨日は iUG Vol.6 が開催されました。今回は「社内ブログ/社内SNSにいる機能、いらない機能」ということで、「機能」という切り口から社内ブログ/SNSを見てみようというのが趣旨。ゲストスピーカーの Beat Communications 村井様、TIS 倉貫様からも、様々な機能の紹介を中心にご講演いただきました。
そして恒例のグループディスカッション。30名の参加者の方々に5チームに分かれていただき、「いる機能・いらない機能」を考えていただいたのですが、ある傾向に気づきました。
まず社内ブログ/SNSの基本機能として、以下のものが挙げられるでしょう:
1. 利用環境 (招待機能やLDAP連携など、「使う/使わせる」に関連るすもの)
2. コンテンツ (エディタやプロフィール作成機能など、様々なコンテンツを「作る/共有する/読む/探す」に関連するもの)
これらの機能はブログ/SNSであれば、ある意味当然のものだと言えます。当然こうしたものへの言及も多かったのですが、それに加えて目立っていたのが、以下の機能に関するディスカッションです:
3. メタコンテンツ (足あと機能やアクセスランキングなど、コンテンツ/ユーザーに関する情報を可視化するもの)
ブログ/SNS導入の目的が単にコンテンツを作ることだけであれば、こうした機能は必要ないはずです。しかし多くの方々が関心を寄せているということは、ブログ/SNSには人々をつなぐ・つながりを明らかにするという役割も期待されているのでしょう。
またメタコンテンツは、システムが生成するものとは限りません。例えばタグは人間が作るメタコンテンツの恒例でしょう。TISさんの社内SNSでは、面白いことに「人にタグ付け」ができる(例えばあるユーザーに対して「Javaマスター」「釣り名人」「オヤジ」などのタグがつけられる)そうなのですが、こうした新しい展開が進んでいるのがメタコンテンツの分野のようです。
ずっと以前に、「ブログやSNSの登場でソーシャル・ネットワーク分析が容易になり、ソーシャル・ネットワーク分析(SNA)が盛んになりつつある」という指摘があることをご紹介しましたが、高度・高価・複雑な仕組みを使わずとも「できる部分から、簡単に」メタコンテンツを活用するという動きが根付き始めているのかもしれません。メタコンテンツ活用で具体的な価値を生む事例が出てくれば、社内ブログ/SNSの普及に一段と弾みがつくでしょう。もちろん本来の「コンテンツを作る・活用する」という機能も大事ですが、ユニークなメタコンテンツ活用機能が登場してきて欲しいですね。
投稿情報: 06:12 カテゴリー: SNS/ソーシャルメディア, イントラブログ | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (1)
そもそもインターネットは、サイバーカスケードなどという現象を引き起こすように「同じ思想を持つ人々が集まりやすい」という性質を持っているわけですが、特に人と人とのつながりを醸成することが目的であるSNSは、似たような人々の集団を生みやすいと言えるかもしれません。実際、こんな研究結果が報じられています:
■ Social sites reveal class divide (BBC News)
「ソーシャルサイトが格差を浮き彫りにする」という刺激的なタイトルの記事。端的に言ってしまえば、Facebook のユーザーよりも MySpace のユーザーの方が「下流」である傾向が強いという内容です。調査を行ったのは、ブログ"apophenia"でも有名な Danah Boyd さん(U.C. Berkley の博士課程在学中)。ポイントをまとめると以下の通り:
Danah さんが警告している通り、SNSは単に既存の格差を写し出しているに過ぎないのかもしれません。また Facebook は大学生が交流するサイトとして、MySpace はより若い人々が自己表現できる場として成功を収めてきた、という歴史的背景も考えなければいけないでしょう。しかし結果として「格差」を強化したり、境遇や傾向の異なる人々の交流を妨げたりすることにはならないのでしょうか。
日本で現在メジャーなSNSといえば、mixi、GREE、モバゲータウンあたりですか。社会格差というよりも、機能(目的)・世代でユーザー分けがされているように感じますね(富裕層SNS、などというものも登場しているようですが)。日本でも今後、意識的にかどうかは別として「格差」がSNSの中に生まれるのかどうか、注目してみてもよいのかなと思います。
投稿情報: 10:48 カテゴリー: SNS/ソーシャルメディア | 個別ページ | コメント (2) | トラックバック (0)
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