昨日のエントリ「ロングテール型選挙活動」を書いた後で、タイムリーに TechCrunch でも選挙に関する話題が出ていました。日本語訳も出たので、リンクしておきます:
■ MySpaceが大統領予備選挙を開催 (TechCrunch Japanese)
ついでに時事通信のサイトに出ていた記事:
■ 米大統領選、マイスペースで開幕?=08年冒頭に「予備選」 (時事ドットコム)
言わずと知れた全米最大のSNSサイト"MySpace"で、アメリカ大統領の仮想予備選挙が行われる(しかもどの州の予備選よりも早く!)というニュース。米大統領選挙の仕組みは複雑なので、興味のある方は Wikipedia の記事をご参照下さい。興味のない方は、とにかく現実の立候補者を対象に仮想選挙をしてしまうのだと考えれば大丈夫です。
しかし MySpace ユーザーは世界中にいるし、ダミーユーザーや複数IDを使った組織票なんかは大丈夫?と心配になりますよね。一応、他のニュース記事などを読むと、バーチャル選挙権が与えられるのは米国内のユーザーのみのようです。ただしダミーユーザーのチェックは行われない、すなわち「一人一票」の原則は保証されないようなので(僕が読んだ記事の限りなので、誤りがあればご指摘下さい)、人気投票程度に考えた方が良さそうです。まぁ、そんなことを言い始めれば「そもそも MySpace のユーザー構成は現実を反映していないだろう」とか「仮想空間で仮想当選するために組織票を動員する候補者なんているの?」とか言われてしまうかもしれませんが。
昨日のエントリに対して「将来ブログ票、mixi票が活用されるようになるか?」というコメントをいただきましたので、ちょっと自分の考えを書きたいと思います。まず始めに、公職選挙法が改正されれば自身のブログを持ったり、SNSに登録する政治家は当然増えると考えます(現状でも選挙期間以外であればOKなわけで、既にブログ/SNSを活用されている政治家はたくさんいますし)。ただブロガー票・mixiユーザー票を取り込むまでに活用するには、ある程度スキルと経験が欠かせません。ブログ/SNSによってリーチできる人々の数と、費用対効果、炎上のリスクなどを考えると、しばらくは現状のような「ドブ板型(と呼ぶのが適切かどうかは分かりませんが)」が主流であり続けるのではないでしょうか。
しかし昨日のエントリで書いたように、ネットを活用して小さなニーズを拾うとか、ユニークな政見演説ビデオを作ってクチコミ効果を狙うとか、これから思いもよらないネット活用法が生まれてくると思います。その効果を見た政治家達が新しい手法に飛びつき、急激に「インターネット選挙」が一般化する可能性もあるかもしれません。
特に選挙では、「バンドワゴン効果」や「アンダードッグ効果」といった現象が無視できません。仮にバーチャル選挙であったとしても、どの候補が人気でどの候補が不人気か示されることにより、実際の選挙戦への影響は避けられないでしょう。MySpace の動きに mixi が追従するようなことがあれば、mixi 内での選挙活動が政治家にとって重要課題になるかもしれませんね。ただ日本には大統領選挙のような「国民投票」的選挙はないので、mixi よりも有力な地域SNSの方が政治家の活動の舞台になりそうですが。
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