反応してる人が少ないようなので、ちょっとコメント。
■ お題に沿って一言どうぞ――“はてな俳句”はTwitter風 (1/2) (ITmedia News)
昨日公開された Twitter 風サービス「はてなハイク」について。僕も試してみましたが、お絵描き機能もあったりして、ほどよく遊べそうな予感。で、なるほどなーと思いながら ITmedia の記事を読んでいたのですが、2ページ目に奇襲攻撃が待っていました(※以下、引用した箇所の原文には強調はありません):
エンジニアが思いついたアイデアを形にして発表し、それがたまたまヒットする――という流れで大きくなったネットサービスは多い。「はてなダイアリー」もその1つ。だが、特にテキストサービスでは、「個人が一発アイデア勝負できる時代」は終わりつつあるという。
「休みの日に思いついたものを1日で開発し、リリースしたら流行する、という流れは枯れていく感じがする。iPhoneやWii――これはハードだが――のように、組織立ってきちんとモノづくりをしてきた会社が作ったものが評価される時代。他よりも明かにいいものをきちんと作り、共感を得ていく、というのが必要になってくると思う」
ここまでが近藤社長が実際に話した内容、をまとめたもの(のはず)ですね。で、以下が岡田有花さんのまとめ:
個人の力でサービスを作り、未完成の状態で公開。ネットの先進ユーザーと共同で形作っていく――はてなが先導してきた「Web2.0的」なものを、はてな自身が否定し始めている。より組織だった体制で、初心者にも使いやすい、質の高い物づくりを志向。サービスの将来を見すえながら、地味でも少しずつ改善していく。まるで「普通のメーカー」のように。
「WEB2.0的なもの」(この場合は「50%の完成度でサービスを出す」ということですが)をはてな自身が否定し始めている。このまとめがどこまで的を射ているかは分かりませんが、「休みの日に思いついたものを1日で開発し、リリースしたら流行する、という流れは枯れていく」と語られたのが本当であれば、個人の発想には頼らない体制をつくられる方針なのかもしれません。
「組織だった体制で、初心者にも使いやすい、質の高い物づくりを志向する」というのは確かに1つの方向性だと思います。しかしこれまで「はてな」という会社やサービスの雰囲気を支持してきたユーザーたち(はてなの場合は「コミュニティ」と呼んでもいいかもしれません)が存在しているわけで、この方向転換をどう受け止めるのかを気にしないわけにはいかないでしょう。以前「はてなダイヤリー」の話をしたときも書きましたが、既存のユーザーからの支持を保ったうえで初心者層に切り込んでいくというのは、「二兎を追う者は一兎をも……」という話にならないか心配です。
個人的には、「個人の一発アイデアで勝負できるかどうか」はどのユーザー層を狙うのか、最終的に何を求めるのかによって答えが変わると思っています。例えば同じく ITmedia の記事ですが、phaさんの例などは「個人の一発アイデアによるテキストサービス」の成功例ですよね。しかし一般大衆、と呼ばれる人々から利益を上げることで成り立っている大企業にしてみれば、こんなサービスと開発方法を到底受け入れることはできません。その意味で、今回の記事は「50%の完成度で世に出す時代の終わり」の予言というよりも、「はてなはより大きな市場を相手にする企業へと成長することを目指す」という宣言と捉えたほうがいいのかも。
……と書いてきたのですが、実は「はてなハイク」のお絵描き機能の実装、1日で行われたようです(笑):
■ はてなハイク お絵描き機能の話 (川o・-・)<2nd life)
さてさて、本日リリースされたはてなハイクですが、実は一昨日にはお絵描き機能がありませんでした。リリース日の前日の朝、id:jkondo がすっごくニコニコしながら(ニコニコしてるときは大抵なにかしてもらいたいときだ!騙されるな!)ねーねーと声をかけてきました。
「jkondo: シンプルなお絵描き機能があったら絶対面白いねん!実現出来ないかなぁ(ニコニコ)。」
突然!しかもリリースは明日ですよシャチョー!でもこんなシチュはエンジニアなら燃え(萌え)ますよね。Ruby など LL を弄ってる(今回はAS3だけど)と、出来るだけ短い期間でどれだけの物を作れるかというのは熱くなれる瞬間です。はてなは作ったら即座にサービスに反映してくれるので、自分の思想と合った物なら作るモチベーションもぐんぐん上がります。
ここだけ読むと、「ITmedia の記事ってなんだったの?」という感じですが。なので、どこまで「50%の完成度で世に出す」「休みの日に思いついたものを1日で開発し、リリースしたら流行する、という流れ」を否定しているのかは、実際のところよく分かりません。
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