Google Video Storeが正式にサービスインするなど、CES2006を象徴に映像コンテンツへの注目が高まっていますが、今度はAOLが映像ファイル検索サービスを提供する"Truveo"というベンチャー企業を買収したというニュース:
AOL buys video search company (Reuters / Yahoo! News)
Truveoについては、CNET Japanの記事「グーグルやヤフーよりも強力?--米新興企業、ビデオ検索エンジンを発表」をご参照下さい。記事によれば、
この検索エンジンは、ウェブページに含まれるコンテンツを探す際に、テキストではなくそのページの視覚的な特徴を分析する仕組みになっている。
とのことで、これによりGoogleやYahoo!の映像検索よりも多くのファイルを検索できるとしています。(Techcrunchの記事"Truveo - Video Search"にもう少し詳しい内容が載せられています。)Google Video Storeの検索にはまだ不具合があるとのニュースもありますし(参考記事:ITmedia News 「Google Video Store、始動」)、映像などマルチメディア系ファイルの検索には、まだまだ技術革新の余地があるようですね。
AOLはTVEyes社から、音声認識技術を応用したポッドキャスト検索エンジンの提供を受けることを決めたばかりで(参考記事:ZDNet "AOL to upgrade podcast search")、マルティメディア検索サービスを強化する姿勢を見せています。Googleとの提携を打ち出したものの、将来性の高いマルチメディア検索市場で主導権を握ろう、という戦略でしょうか。
日本でもGyaoにTVバンクというプラットフォーム系のサービスは出てきていますが、マルチメディア検索ではgooラボが目立つくらいで、Truveoのような「検索エンジンベンチャー」というべき企業があるように思えません(ブログ検索などテキスト系のエンジンでは、KizasiやBlogwatcherなどが存在していますが)。先日、日本政府が映像検索エンジン研究を後押しするというニュースがありましたが(関連記事:「産官学連携検索サービス」はGoogleを超えるか?)、AOLやGoogleなどに対抗しうる軸となれるのでしょうか。
Web 2.0企業に対する揶揄の1つに「大企業に買収されることをゴールと考えている」というものがありますが、買収もしくは提携により大企業の活力と成りうるベンチャー企業が存在しているというのが、アメリカ企業の強さの一因であることは確かでしょう。その意味で、日本にも技術系ベンチャーが正しく発展する土壌が生まれることを願います。
最近のコメント