もちろん携帯電話はテレビなどと異なり、入出力用の端末なわけですが、ここに来て携帯電話の「入力」という機能に着目した検索サービスが登場してきています。
例えば音声認識技術を利用した路線検索サービスや(参考記事:音声認識による路線検索サービス登場)、画像認識技術とカメラ付き携帯電話を活用したマーケティングプログラム(参考記事:画像認識技術+カメラ付き携帯電話=未来の検索サービス)など「音」と「画像」という携帯電話ならではの機能を利用したものや、メール検索といった入力の仕方を工夫したもの(参考記事:「携帯メール検索」参入続く)など、既にサービスが開始されているものも多いです。また先日、朝日新聞にこんな記事がありました:
ケータイ駆使 にわか情報通
■ バーコード撮影→商品の評判 ネット検索
■ ワインのラベル撮影→銘柄・産地を紹介
(いずれも朝日新聞2006年1月4日朝刊第5面)
両方のサービスとも、携帯電話の「撮影」という機能を活かし、画像をキーワード代わりに検索を行うことを可能にしたものです。さらに特筆すべきなのは、ワインラベル検索サービスでは、モバイルECと連動し検索したワインを注文・購入することが可能になっている点。単なる検索サービスではなく、「検索→購買誘導」という収益モデルが出来上がっています。
こういったサービスを組み合わせ、さらに妄想を膨らませれば、「服やバッグ、アクセサリーなどが写った画像を送ると、それがどんな商品で、ネット上ではどのように評価され、どこ(リアル店舗/モバイルECサイト)で買えるか」といった情報が一瞬のうちに分かる検索サービスができるのではないでしょうか。例えば街を歩いていて、看板に描かれたモデルが付けている腕時計が気になったとしたら、その腕時計の部分を撮影→画像検索でどのメーカーの何というモデルなのか調べる→GPS機能を活用し周囲でその腕時計を販売している店舗を検索する、といった使い方ができるでしょう。さらにgooラボなどで実現されている「類似画像検索技術」(関連記事:検索サービスのインターフェースは、まだまだ改善する?)を応用すれば、「似たような腕時計でもっと安いものはないか・・・」といった検索も可能になるはずです。
この種のサービスは画像認識用に膨大なデータを持つ必要がありますが、例えばバッグや腕時計など限定的なアイテムからスタートして販促効果を立証し、業者側から参加費用を取るといったモデルにもできるでしょう。多くのユーザーが「画像商品検索」を活用するようになれば、ちょうどいまのSEO対策と同じように、業者はこぞって検索エンジンに「見えてもらう」ように努力するはずです。
正直なところ、現在の画像認識がどこまでの精度を持つか分からないので、この妄想がどこまで現実離れしているのかは分かりません。ただもっと、携帯電話の持つ「入力機能」の特殊性に着目すれば、PC上の検索エンジンにはないユニークなサービスが可能になるはずです。ワインのラベル検索のように、新しい収益モデルを構築することもできるでしょう。その意味で、まずはこれまでの検索サービスを忘れ、自由に妄想してみることも必要ではないかと思います。
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